新規登録

この記事は下書きです。アクセスするログインしてください。

2022.11.17
Interview

環境を受け止める不完全な建築

余白の中の建築・都市 #2

萬代基介(萬代基介建築設計事務所)×山道拓人(ツバメアーキテクツ)

近年、公園を始めとする公共空間を国や自治体が貸し出したり、個人や民間企業が所有する建築や広場を開く試みがあります。本連載では山道拓人さんと共にさまざまな建築家を訪ね、制度や運営の枠組みをどう捉え、開かれた場、すなわち都市や建築における「余白」を設計しているかを探ります。第2回は萬代基介さんに伺いました。(新建築.ONLINE編集部)

建築と建築でないものの間

山道拓人(以下、山道) 萬代さんのプロジェクトは「おしか番屋」(『新建築』1604)以降、漁港や防波堤、埋立地など、自然を制御するようなインフラや土地と関係することが多いように見受けられます。そういった環境をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

萬代基介(以下、萬代) どのプロジェクトを考える時も、「人のための空間をどうつくるか」ということよりも「建築を環境に合わせてどうつくるか」がベースになっていて、その環境ならではの構造や架構を探し当てようとしています。
東日本大震災で大きな被害を受けた牡鹿半島で「おしか番屋」を手掛けて以来、継続的に宮城県石巻市に関わる機会がありました。その繋がりで携わっているのが、旧北上川の堤防に建つ木造の東屋「石巻の東屋」(『新建築』2107)ですfig.1
石巻は海が有名ですが、実は街の中に川が入り込んでいて、船が並ぶ川港に沿って街が発展してきた歴史があります。震災時には、海だけでなく川からもかなりの被害を受け、市は川沿いに高い堤防をつくる計画を打ち出しました。この計画に対して、もともと密接に繋がっていた川と街が堤防によって断絶されてしまうことを危惧して、行政と東北大学が始めたのが、この堤防の上に人の居場所をつくるプロジェクトです。全長4kmの巨大なインフラの中に小さな点を打つように12棟の東屋を配置し、それが地域性を引き受けながら、周りの風景や活動とどのように繋がるかを考えました。川の上流の方は採石場や石切の加工場、河口の方は産業エリアと、さまざまに広がる風景を自転車や船を使いながらリサーチしました。
まず、川と地続きに繋がるように緩やかに設計された堤防に対して、その勾配に合わせて屋根を片流れにし、 大きなランドスケープに呼応させることを考えましたfig.2(断面図)。切妻屋根だとどうしても建築が独立して完結してしまうため、片流れにすることで建築が不完全の状態をつくりました。それに加えて、場所ごとに東屋の姿を設計していきました。現在竣工している2棟のうち東屋iは、大テーブルと資材置き場をもつ建築です。堤防上の大きな広場とそこに隣接する市場の2階屋外テラスに対して開くように、角度をつくって配置しましたfig.3
かつて川の土木工事では、石を積んで護岸をつくっていて、小さいスケールが積み重なって大きい柔らかい風景をつくっていくようなところがありました。そこで、このプロジェクトでも小さいスケールの積み重ねによって堤防のような土木的な環境と建築が繋がらないかと考えました。東日本大震災の復興プロジェクトとして行われている土木工事の過程で出てきた石をテーブルの足やベンチや飛び石に再利用し、木材のモジュールは75mm角とすることで、小さい材の集合によってつくり上げています。 通常木造の場合は、桁の上に垂木が乗りますが、この建築は桁をなくして、フラットバーの鉄骨に下から垂木をビスで取り付けた逆梁としました。建築と建築ではないものの間にあるようなものをつくることによって、その土木的な風景と呼応する仕掛けとなることを目指しました。

山道 身体スケールよりも大きなテーブルは、ある時間帯だけその風景をひとり占めできるような占有感を生み出しています。

萬代 大きい建築の中に家具がパラパラと置かれているのと、小さい建築に大きい家具が置かれているのとでは豊かさが異なりますよね。人口減少と共に人口密度は低くなりますが、広大な風景をひとり占めできるというあり方も、実は豊かなのではないでしょうか。12棟すべて完成した時に、全長4kmの大きな建築として捉えて全体を自分が所有しているような感覚になる風景が現れてほしいです。

山道 プロジェクトごとの条件はあるにしても、共通して繊細な架構がその土地の空気感を表していると同時に、壁や屋根が省略されていたりと建築としてはどこか不完全で、その建ち方と大きなランドスケープの絶妙なバランスの検証に、萬代さんの猛烈なエネルギーが投下されている感じがします。

萬代 スタディするときには、建築的に完成した模型をつくるのではなく、本当に紙がペラっと置かれているだけのような抽象的な模型からスタディを始めることが多いからかもしれません。また、建築単体で完結しないことによって、かえって周りにあるものと手を繋いでくれる可能性があると思ってつくっています。たとえば、 河口が見える湾曲した川沿いの敷地で、堤防という大きく立ちはだかるものに対してどのように窓を開けたら外側にある大きい風景と繋がるかを、壁の向きと一緒に検討します。そして、それがある種の不完全さや建築になりきれない抽象性をもって立ち現れるとよいなと思っていますfig.4

環境を受け止める不完全な箱

山道 環境を分断する堤防に、ある種の不完全さをもつ建築を点々と置いていくと、環境と人の接点として機能し、まるで自分たちの庭のように堤防側の意味が変わる。萬代さんにとっての公共空間は都市の余白であるというよりも、環境を受け止めるための器であり、側に置く建築はその器全体と関係し合うように設計されていますね。

萬代 そうですね。お台場の公園に期間限定でつくったパブリックスペース「ARTBAY HOUSE」では、真っ白で抽象的な人工空間に対して、自然が少しずつ侵食していくような風景を目指しましたfig.5。お台場は、実物大のガンダムが立っていたり、さまざまなキャラクターが存在するフィクションな街というイメージがありますが、歴史を遡ってみると、1853年のペリー来航後、再訪に備えて江戸幕府が海の上に6つの砲台をつくり、そのさらに外側に防波堤を建設した記録がありました。その名残として、今も街と海には隠れた都市の境界があります。現在、旧防波堤は人が出入りすることのない茂った森になっていて、その人工的な環境の上にもう1回自然が浸食していく状態や風景がお台場という都市において面白いと感じました。そこで、完全な自然でもないし完全な人工物でもない、そのバランスを違うかたちでつくることを試みました。
このプロジェクトは、東京都と地元企業が主体となり、アートによるまちづくり「ARTBAY TOKYO」の一環として計画されたもので、旧防波堤のさらに海側にある公園にアートスペースとカフェをつくることが求められました。基本は真っ白な環境が異なる8つの箱が、互いに支え合いながら全体で成立する構造としていますfig.6fig.7(平面図)。それぞれの箱は、天井が高く夏に気持ちの良い風が流れ込んだり、天井らしきものはあるけど雨が滴る部屋になっていたり、雨がルーバーのような壁を伝ってその下の植物を育てたりfig.8fig.9、天井から差し込む光が白い壁を照らすような方向に壁と屋根を配置したりとfig.10、ひとつひとつ不完全で自然環境が浸透してくるようなものとしましたfig.11fig.12fig.13(部分断面図)。季節によって、この場所はきついけどこっちに移動すると気持ちいいよね、というように、人間が自分の身体性で居場所を選択できますfig.14

山道 内部空間かと思いきや砂利敷きだったりと普段の感覚と違う空間にすることで、思わず慎重に歩いてしまう、お寺の中の庭にいるような緊張感が生み出されていると、実際に現地で体験して感じました。ほかのお台場の施設とは違う時間の流れが生じていたことが印象に残っています。

萬代 屋内外の境界が曖昧な空間をつくると、管理をする人も訪れる人も、その場所をどう捉えたらよいのか迷うようです。たとえば、基本的にはお金を払わなくても入れる施設だけどみんな気を使ってコーヒーを買っていましたし(笑)、犬が入ることができない屋内施設が多いですが、今回は入ってよいとされていましたfig.15。みんな境界ってどこなんだろう?と思いながら使っていたと思います。誰でも使えるような場所なんだけれども、そうではない環境も一緒に孕んでいる。設計するうえで、制度に縛られないように人間にいてほしい、という思いがあるのかもしれません。

建築ではない位置づけで空間をつくる

山道 「ARTBAY HOUSE」は仮設建築物として建てられてますが、期限付きという条件以外にも、敷地条件が架構の設定にかなり影響していますよね。

萬代 そうですね。埋立地全体の巨大なインフラが地下に通っているため、重量制限が厳しく、仮設建築物という扱いにして緩和規定を使って鉄板の基礎の上に置くだけの配置としました。また、「石巻の東屋」や「石山公園の屋根」が建つ堤防も地盤が弱いために厳しい重量制限が発生するため、軽い建築をつくることが求められました。そういった敷地環境が、結果的に建築の不完全さに繋がるところはあるかもしれません。
石山公園の屋根」(『新建築』2010)は、もともと岡山市がコンテナを用いたテイクアウトの飲食店を運営する事業者を公募していたところに、公園の中でくつろげるレストランをつくりたいという地元の民間企業と一緒に応募して始まったプロジェクトですfig.16。川沿いの堤防上の公園内で、川から街に風が吹き込む都市のエッジのような場所に、川からの風を受け止めて柔らかくはためくような軽い屋根を、敷地の境界を超えて園路まで架けることを提案しました。レストランとして管理しているのは園路を除いた芝生の範囲で、園路は市の管理区域で歩行者や自転車が通ります。そこにあえて民間企業が公共の場所にも一緒に屋根を架けてしまおうと。以前から、パークPFIという制度に対して、本来誰でも使える公園に民間企業が入ることによって、一部お金を払わないと使えない場所ができてしまうことへのジレンマを感じていました。そこで、開閉式の屋根を使い、制度上の「建築」ではないもので建築をつくることで、この場所にあるさまざまな境界を乗り越えていくような建築を考えました。国の道路、市の公園の広場や園路など複数の敷地に跨って屋根が架かっています。
実際に現地を訪れると、お店を利用する人もしない人も同じスペースに座って、そこからコミュニケーションが生まれるような場面がリアルにあって、興味深い場所になったと思います。このように管理の境界を越えて自由に建築がふるまう環境を、建築ではない位置付けによってつくる。

時間のスケールを見つめる

山道 ここまでお話を伺っていて、お台場の堤防の外側に、あるいは石巻の堤防の上に、もともとあった記憶や時間を感じさせるものとして建築が作用しているのではないかと思いました。環境や歴史など、見えないけどそこにあるものを可視化するために建築があって、その中に身を寄せられる。そしてどれもが日常とは異なる時間のスケールを経験できる、あるいは考えさせる建築に思えます。建築を思考する時にどのような時間的なスケールを意識していますか?

萬代 はい。たとえば、「おしか番屋」のある港は周辺一体が津波でまっさらになってしまったんですfig.17。いわゆるコンテクストと言われているようなものが殆ど流されてしまった土地でどのように建築をつくればいいのか非常に悩みました。それでも地元の人といろいろと言葉を交わす中で、人間がもっている生きる力に希望を見出しました。焼け野原みたいな風景の中に地元の漁師たちが使う新しい白い船がバーっと浮かんでいて、それが彼らにとっての希望というか、未来への風景に見えました。そこには本当に道も土地の区画もなく、ただただ海だけがある状態だったので、何もない場所につくることの難しさを感じましたfig.18
また、石巻は急速に人口減少が進んでいて、クライアントや漁師の方々と話していると、20年後にはもしかしたら半分ぐらいになってしまっているかもしれないという環境がリアルにありました。そんな中で建築をつくることを考えると、今現在の話だけを聞いていてもなかなかうまくいかないだろうと。特に被災地や地方都市は、日本が抱えている社会問題に最初に直面するので、かなり長いスパンで考えていく必要があります。防潮堤の建設にものすごい投資をして今の生活を守ろうとしているけど、その守られる町がそもそも数十年後になくなってしまうのではないか。独立してからそういった問題と向き合った経験が、長いスパンの中で考えることに繋がっていると思います。お台場もパレットタウンやチームラボなど、一体の開発過程でつくられた仮設建築が結構多く、20年ぐらいで建築の期限が決まっています。つまり、その街にとって実は建築にはあまり意味がなく、むしろランドスケープのような巨大な風景の方が意味をもっているんです。

──時間的なスケールの違いが構造の検討に与える影響はありますか?

萬代 インスタレーションや店舗設計を手がけることも多いのですが、やっぱり想定する時間のスケールが違うことが設計にもたらす影響は相当ありますfig.19。時間の長さでどっちが良い悪いということではないんですけど、プラスチックみたいな本当に短いもので設計が可能になるとか、時間の感覚が違うことによるマテリアルの寿命の違いは設計に大きく影響します。想定する期間が短い方が使える部材の種類が増えたり、できることが広がる部分もあるので、その空間が存在するのは一瞬かもしれないけど、生け花のように一瞬の輝きとして美しい、という体験を実現することができます。また、構造は建築の中でも長い時間のスケールをもっていて、それはつまり風景やランドスケープと同じようなスケールを持ち得るものとして捉えています。なので、構造が環境とどう繋がるかが最も重要だと考えています。

小さなものの反逆

山道 最終的に立ちあらわれる姿は、構造的な検討と同時にある程度かたちとして意識しているものがあるのですか?下屋が母家を支えたり、東屋によって堤防の意味がひっくり返ったり、ある骨格に対して小さな要素を足すことで主従関係を逆転させている印象を受けました。

萬代 基本的には従属するものとしてあるものが、ウイルスみたいに宿主を変えてしまうような「小さなものの反逆」は、設計する時に考えている重要なテーマです。僕がこれまでやってきたプロジェクトのスケールが比較的小さいのもあるかもしれませんが、小さいものによって、その外側にある大きな世界や環境を変えていけると信じて設計しています。たとえば「椎葉邸」(『新建築住宅特集』2201)は、母家と下屋という建築の歴史の延長線上にある形式に則りながら、下屋を変えることで母屋を含めた全体の構造が変わり、さらには庭を含めた環境が変わっていくことを目指していましたfig.20fig.21(動画)。少し違う言い方をすれば、環境に寄生してもしくは擬態してつくるような建築のあり方を考えています。「椎葉邸」は既存の焼杉縦張りの外壁に似たヴォキャブラリーで新しく増築する部屋もつくったり、「石巻の東屋」ではかつての石積みによる護岸のざらっとしたテクスチャをスケールに踏襲したりと、今ある環境から引き受けるスケール感やマテリアルを意識しました。

──最後に、今後都市で設計するうえで、どのようなことを考えていきたいと思っていらっしゃるか教えてください。

萬代 人間が自然とさまざまなかたちで関わりを持ち続ける都市をつくっていきたいと思っています。「ARTBAY HOUSE」と「石山公園の屋根」は、コロナの直前ぐらいに始まったプロジェクトで、竣工したのがコロナ禍真っ只中でした。コロナ禍でますます屋外空間や半屋外の開放的な建築のあり方が見直され、その価値が問い直されていますが、公園や屋外スペースで自然が入り込む余白のある建築をつくることが、人工物で覆い尽くされている都市の中では大切だと思っています。fig.22

(2022年7月5日、萬代基介建築設計事務所にて。 文責:新建築.ONLINE編集部)

萬代基介

1980年神奈川県生まれ/2003年東京大学工学部建築学科卒業/2005年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了/2005〜11年石上純也建築設計事務所勤務/2012年萬代基介建築設計事務所設立/2012〜15年横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手/2014〜16年東京電機大学非常勤講師/2016〜19年東京大学非常勤講師/2019年〜横浜国立大学非常勤講師/2014年「ATELIER MUJI 食のかたがみ展」でDSA空間デザイン大賞受賞/2014年「日本橋木屋izutuki」でJCDデザインアワード金賞受賞

山道拓人

1986年東京都生まれ/2012年東京工業大学理工学部研究科修士課程修了/2012年ELEMENTAL(南米/チリ)/2013年Tsukuruba Inc.チーフアーキテクトを経て、現在、ツバメアーキテクツ代表取締役、法政大学准教授、江戸東京研究センターのプロジェクトリーダーなどを務める/主な建築プロジェクトに「下北線路街 BONUS TRACK」(『新建築』2005)「天窓の町家ー奈良井宿 重要伝統的建造物の改修ー」(『新建築住宅特集』1902)「ツルガソネ保育所・特養通り抜けプロジェクト」(『新建築』1707)など/主な著作に『PUBLIC PRODUCE 「公共的空間」をつくる7つの事例』(共著、2018年、ユウブックス)など

萬代基介
山道拓人
パブリックスペース
余白の中の建築・都市
建築
新建築
都市

RELATED MAGAZINE

新建築 2016年4月号
新建築 2021年7月号
新建築 2020年10月号
新建築住宅特集 2022年1月号
続きを読む

石巻の東屋」(『新建築』2107)

旧北上川の堤防に木造の東屋を12棟建てる計画。堤防の全体像を含む配置図はこちら。東屋iは大テーブルと資材置き場をもつ。堤防上の大きな広場と隣接する市場の2階屋外テラスに向けて開いている。/撮影:新建築社写真部

12棟の東屋の断面図。/提供:萬代基介建築設計事務所

東屋i。大テーブルと資材置き場をもつ。堤防上の大きな広場と隣接する市場の2階屋外テラスに向けて開いている。/撮影:新建築社写真部

東屋h。離島と接続するフェリーの待合としても使われる。詳細はこちら/撮影:新建築社写真部

ARTBAY HOUSE」(2020年、現在は閉館)

臨海副都心をアートで繋ぐプロジェクト「ARTBAY TOKYO」の最初の事業として、公園の中にアートスペースをつくる計画。真っ白な環境が異なる8つの箱によって構成される。/撮影:Yasuhiro Takagi

8つの箱がそれぞれ異なる環境をもつイメージ。/提供:萬代基介建築設計事務所

「ARTBAY HOUSE」平面図。/提供:萬代基介建築設計事務所

緑の壁面から木漏れ日の入る緑の展示室。天井高さ4,700mm、壁はテンションロッド(スチール丸棒 φ=13mm @60mm)で構成される。/撮影:Yasuhiro Takagi

テンションロッドを伝う雨。/提供:萬代基介建築設計事務所

雨の展示室に展示される「Prism Cloud」(LUCENT 松尾高弘)。雨と光を受けて変化するインスタレーションのための空間。/提供:LUCENT 松尾高弘

敷地内に遊びにきたトカゲ。地植えされた植栽が床を貫通し豊かに育つ。/提供:萬代基介建築設計事務所

白い壁に映る影と壁を伝う蔦。/提供:萬代基介建築設計事務所

部分断面詳細図。屋根からは光と雨が降り、壁からは風が通り抜け、蔦が覆い、地面からは植物が育ち雨が染み込んでいく。/提供:萬代基介建築設計事務所

天井の高さや壁の配置が、時間による日影の移ろいをつくり出し、訪れた人はその時々の日当たりに合わせて居場所を決める。/撮影:Yasuhiro Takagi

カフェ。南側に壁を立てて北向きにカウンターを設え、日陰の部屋としている。/撮影:Yasuhiro Takagi

石山公園の屋根」(『新建築』2010)

公園の一部を民間事業者に貸し出し、屋外レストランをつくる岡山市によるプロジェクト。境界を超えて複数の敷地に屋根を架ける計画。詳細はこちら/撮影:片村文人

おしか番屋」(『新建築』1604)

東日本大震災で被災した宮城県牡鹿半島の漁港に計画した、漁師のための番屋。φ=65mmの鉄骨円柱に25mm角の細い鉄骨梁を井桁状に積層させた構造体で、部分的にポリカーボネート折板の半透明の屋根を架けている。詳細はこちら/撮影:新建築社写真部

敷地の南北方向が津波による浸水区域が広がり、建設当時は区画も道路もなくなっていた。/撮影:新建築社写真部

小さな風景「新しい建築の楽しさ2014」展(『新建築』1501)会場写真。直径6mmのスチール柱297本が会場いっぱいに広がる厚さ2mmの透明なアクリル板を支え、その上に模型が乗る。4カ月の展示期間。/撮影:新建築社写真部

椎葉邸」(『新建築住宅特集』2201)

約100年の間に繰り返し増築されてきた既存の下屋を解体し、新たな機能をもった5つの下屋を増築する住宅の改修計画。既存の母屋1階の壁を取り払い、残された軸組を新たな下屋が支える構造。詳細はこちら/撮影:新建築社写真部

「椎葉邸」動画。/提供:萬代基介建築設計事務所

萬代基介さん(右)と山道拓人さん(左)、萬代基介建築設計事務所にて対談。/撮影:新建築社

fig. 22

fig. 1 (拡大)

fig. 2