世界9割の美術館・博物館が閉鎖
国連によると、5月18日(国際博物館の日)時点で、世界の9割の美術館・博物館が閉鎖していると言われ、厳しい状況が続いています。ニューヨーク市内の文化施設も同様で、ブロードウェイも、9月6日まで、チケット払い戻しを受け付けています。しかし一方で、文化施設が所有している豊富な資源と人脈を活用して、仮想空間(VR)や過去のアーカイブスのほか、教育プログラムを精力的オンラインで発信する試みが増えています。たとえば、メトロポリタン博物館は「MET360°Project」として館内ツアーを公開したほか、リンカーンセンターは自宅から文化活動を体験できるよう「リンカーンセンターアットホーム」特設サイトを開設し、名門ニューヨーク・シティ・バレエ団は、主宰ダンサーのタイラー・ペックと連携して、個人の庭を舞台に見立てたバレエを披露し、インスタグラムで公開して話題になりました。fig.1
Municipal Art Society of New Yorkが主催するオンライン版ジェインズ・ウォーク
文化施設のみならず、非営利団体も工夫を凝らしています。1898年設立の老舗の都市計画非営利団体であるMunicipal Art Society of New Yorkは、ジェイン・ジェイコブズの名前にちなみ、例年、市内各地を散策して、都市の理解を深めるジェインズ・ウォークを開催しています。今年は、4月27日から5月3日にかけて、毎朝、それぞれが自宅から参加できるオンライン版の活動を発表して、実施されました。その中で、ジェイコブズを主題として話題となった『ジェイン・ジェイコブズ ―ニューヨーク都市計画革命―』もオンラインで公開されました。fig.2fig.3