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2023.04.06
Interview

ボーダレス時代のワークプレイス

時間・場所・分野が融け合う、これからの働く場とは

太田隆司+一條真人(戸田建設) 斎藤愼一+岩瀬功樹(梓設計) 谷尻誠+吉田愛(SUPPOSE DESIGN OFFICE)

*本記事は『新建築』2019年4月号に掲載されたものです。原文のまま再掲します。

それぞれの新社屋プロジェクト

——今日は、自社オフィスの設計を進めているみなさんにお集まりいただき、何を考えながらオフィスを設計しているのか、また設計者として今どのようにオフィスを捉えているのかお話いただきたいと思います。まずは各社の新オフィスプロジェクトについてお伺いできますか?

一條真人(以下、一條) 戸田建設では、長く本社を構えてきた東京・京橋に、都市再生特別地区「京橋一丁目東地区」の開発事業として、戸田建設新本社ビルとブリヂストン美術館を擁するオフィスビル2棟からなる建て替えを行っていますfig.1。戸田建設新本社ビル(以下、新社屋)は、2021年着工、2024年竣工予定です。延床面積は約10万m2、28階建て、そのうち5フロアを戸田建設が使う予定です。オフィス部分の広さは1フロア約2,400m2、そこに本社及び東京支店が入居する計画です。他のフロアはテナントオフィスとなります。また低層部にはシェアオフィスや芸術文化に特化した施設が入る予定です。今回、都市再生特別地区の整備方針として、若手芸術家の育成や国内外への情報発信に主眼を置き、地上には芸術文化イベントや地域活動を行う広場を設けて、街ににぎわいを生み出すことにしています。いわゆる一般的なオフィスに商業施設が加えられるのではなく、芸術文化と積極的に繋がる新たなワークスペースのあり方を考えながら設計しています。もう1棟は、低層部にブリヂストン美術館、その上にオフィスが積層されます。今年の夏頃に竣工し、ブリヂストン美術館は新たにアーティゾン美術館と改称して、2020年1月頃にオープン予定です。

斎藤愼一(以下、斎藤) 梓設計では、2019年8月に現在の東京・天王洲アイルから、羽田空港近くにある建設中の物流倉庫の一角に本社を移転し、長手100m、幅60m、階高6.6m、延床面積5,300m2のメガプレートに本社機能を集約しますfig.2fig.3。梓設計の源流は羽田空港の格納庫や整備工場の仕事から始まっており、今回の移転は創業地への帰還という意図があります。本社移転の発表が社内に回ると同時に、社屋設計の社内コンペ開催の告知がありました。その結果、17案が集まり社内投票をし、役員審査を経て、私の案が選ばれました。大空間の中でさまざまな人、アクティビティ、アイデアが錯綜する、空港の旅客ターミナルのような場をつくることをコンセプトとし、メガプレートにランウェイ(滑走路)と名付けた4本の軸を入れることで空間の骨格をつくるアイデアです。ランウェイは空間の骨格であると同時に、アクティビティの骨格でもあり、打ち合わせやプレゼン、さまざまなアクティビティをオープンに共有する場となります。メガプレートに集まって働くことで目指すのは全員の顔が見えることで、最長100m奥まで見通せるランウェイは、そのポリシーを示す象徴的空間です。また今回の移転を機に、社長も役員も新入社員も例外なく、支社も含めた全社員約600人を対象にフリーアドレスを採用することになりました。そこで今の天王洲オフィスでも段階的に導入しており、4月からは全フロアをフリーアドレス化して実証しています。

谷尻誠(以下、谷尻) 私たちは東京と広島の2拠点にオフィスを構えています。東京オフィスには14人、広島オフィスには21人が働いています。2017年にオープンした東京オフィス(『新建築』1807)は代々木上原の駅から歩いて約5分の建物の1階にあり、広さは240m2くらいで、外部の人も利用できる社食堂を同居させ、仕事と暮らしが混在する環境をつくりましたfig.4。正直、設計事務所の働き方、特にアトリエの働き方は勤務時間が長くブラックになりかねないですよね。忙しいと食生活が偏り体調が悪くなり、精神的にも不調が続く。そのようなアトリエの過酷な環境が嫌で組織に行く若い世代が多くなっているような気がします。でも仕事が好きだから気づいたら遅くなったというのが実際の姿で、ちゃんとした食生活をしながら、健康に働ける身体とよい細胞が生まれれば、よい思考ができる。そういう根本から環境を整えようと思い、オフィス内で食堂づくりを始めたのです。現在設計している広島のオフィスは、2棟から構成される予定です。元安川の西側の平和記念公園にも近いエリアで、昔の問屋街なのですが、現在ではその賑わいを潜めています。地元に根付く事務所として活動し、地域ににぎわいをつくっていくことができればと思い、この辺りに事務所を持てたらと考えていました。そこで売りに出ていた集合住宅を土地ごと取得し建て替えを検討していたのですが、細長い敷地でコミュニケーションが取れるオフィスにしようとすると真ん中に動線が出てきてしまったりとあまりプランニングがうまくいかず(笑)、近くの店舗と集合住宅として使われていた正方形に近いビルも取得することにしました。最初に購入した集合住宅は建て替え、後者はリノベーションします。両方を使いながら、事務所に異なる機能を組み合わせ、働くこと以外の体験があるオフィスを考えています。リノベーションするビルは地下に夜にはお酒も飲めるスナックをつくり、1階は社食堂とし、2階はギャラリースペース等に使えるように残しておいて、3階は2部屋の宿泊スペース、4、5階にわれわれの事務所、その上にルーフトップテラスを重ねることにしました(2019年秋竣工)fig.5fig.6

吉田愛(以下、吉田) 建て替えの方は、1階にレストランを設け、海外を含めいろいろなシェフに定期的に来てもらい、ポップアップイベントをやりたいと思っていますfig.7。全体は8階建てで、2階からの7層分には、ホテルを計画しています。周りのビジネスホテルとは異なる価値として、ワンフロア1部屋とし、テラスがフロアの半分を占める贅沢なつくりになる予定です。広島オフィスでは、スタッフにさまざまな人に出会ってほしいという思いから、2011年から私たちがインスパイアされたゲストを呼んでトークプロジェクト「THINK」を開催していて、今では学生や社会人にも開いています。たとえばそこに来てくれたゲストにホテルに宿泊してもらい、スタッフと食事したり、ホテルの部屋でミーティングをすることもできそうです。それは私たちの働き方のリアルポートフォリオをつくるような感覚で、実際に東京の社食堂に見に来てくださった方が、こういう働き方の提案をしてほしいと、オフィスの設計を依頼してくれることも増えました。


——新しいオフィスを考えるにあたり、これまでの働き方や組織のあり方にどのような課題がありましたか?

太田隆司(以下、太田) 戸田建設としては、社内のコミュニケーションがオープン化されているものの、これからの時代、より促進していかなければならないと考えています。ゼネコンは本社や内勤のチームだけでなく、現場とコミュニケーションを取って、ものづくりを進めることが非常に重要です。そこで情報共有の方法や現場の革新技術を実験しながら、どのような方法がよいか検討しているところです。
われわれはオフィスの仕事を受注することも多く、今まではモジュール化されたシステム天井、採光といった均一性がクライアントから評価されてきましたが、今はさまざまな職種を超えたコミュニケーションや社内外とコラボレーションを生み出す空間が必要とされています。われわれもそうした提案をしていかないといけません。

一條 いろいろな人の働き方を積極的に受け入れ、将来起こり得るさまざまな働き方に対応可能なオフィスとするためには、後から手を加えられる直天井やスケルトン等の選択肢をはじめとして、新しい空間づくり・コミュニケーションづくりを誘発できるような仕組みが必要となります。

太田 はじめに空間をつくり込みすぎてしまうと、入居時の改修コストが高くなるという問題もあります。

斎藤 梓設計は社員数が600人を超え、移転を機に大きな組織改編が予定されています。今は空港や病院等、用途ごとに分かれた部署(15人前後のスタジオ)で構成されていますが、移転後はそれを解体し、いろいろな専門分野が集まる50人単位の部署(ベース制)に変わります。たとえば、今までは病院の専門家だけが集まって病院を設計していたのに対して、ホテルのスペシャリティを持った人がチームに加わることでブレイクスルーが生まれるかもしれません。そういった「ランダムで大人数」という新しい組織のかたちと、新社屋の「メガプレート」と「フリーアドレス」という考えはリンクします。さらに設計プロセスも変えようとしており、BIMをはじめとするさまざなデジタルツールを用いて設計を効率化することで、設計者がクリエイティブな作業に時間が割けるように、社内オペレーションも同時に見直しています。オフィス移転と共に、組織や設計プロセスも同時に一新していくという意味では、梓設計にとって大きな転換となります。

吉田 われわれは広島と東京2拠点あるのですが、やはり東京での仕事が多く、広島から出張でくるメンバーが多いんです。ですがヘッドクォーターは広島なので、東京の事務所機能はとても流動的で、ある時は半分以上のスタッフがオフィスにいないこともあります。そこで高い家賃を払って大きいスペースを借りるなら、オフィスが食堂を内包している方がよいと思いました。食が身近にあって、毎日の生活を豊かにしながら、地域の人やイベントに訪れた人との接点となるような場所を考えています。

谷尻 僕はそもそもオフィスをつくるのに、これまでのオフィスの手法で設計していてはだめだという思いが根っこにあります。「よい働く環境」というのは、長くいても大丈夫なオフィスだと思います。しかし、ずっと事務所にいたからってよいアイデアが出るわけではなく、旅に出たり、おいしいものを食べに行ったりすると、インスパイアされアイデアが生まれますよね。ですから、事務所の中にいてもそういう感覚を持てる空間や意図しないことが起こる空間をつくるのが自分たちのやりたいことでした。

海外事例からの気づき

——今回オフィスを設計するにあたり、視察に行かれるなど、参照されたものはありますか? それぞれどんなところを参照されているのでしょうか?

一條 去年の年末にニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスに1週間行き、ニューヨークでは超高層ビルを、西海岸では ITベンチャー系のクリエイティブオフィスや建築設計事務所を視察してきました。戸田建設でも新社屋をフリーアドレスとするかどうかの議論があり、フリーアドレスの導入状況についてビルオーナー等にヒアリングしました。そこで感じたのは、フリーアドレスに対する考え方の大きな違いでした。たとえば日本では、空間の効率を考えて人数全体に対して7割を執務席として、余った3割を共用のコミュニケーションの場とすることが多いと思います。しかしアメリカでは固定席が必ずひとり1カ所用意されていて、それに加えて全体の3〜4割に相当するコミュニケーションエリアを設けているのです。サンフランシスコは場所によっては東京よりも賃料が高いにも関わらず、プラスアルファの席を確保するために、スペースが足りなければもう1、2層を足せばいいじゃないかという考え方です。多くの働く人たちが気持ちよく働くための場づくりを真摯に考えているのが印象的でしたfig.8。その最たるものがアメニティ空間です。とりわけ飲食のスペースは、非常に広く、スナックや飲み物をいつでも食べられるようにパントリー空間が整備されています。オフィスによっては、フロアの1/3くらいがパントリー空間で、昼時にはたくさんのケータリングの食事が占めている場合もありました。他にもデザイン系の事務所の視察に行きました。そこでは、必ず固定席を設けた上で、コミュニケーションを誘発する仕掛けを実践していました。たとえば個人デスク間に大きなコミュニケーションデスクを設け、そのデスク下部はキャビネットとし、ステーショナリー、プリンター、ゴミ箱等が置かれています。プリントアウトやゴミ捨てに行くタイミングで、テーブルに何げなく広がっている他プロジェクトの図面等が見られるといった、プロジェクトを超えた偶発的なコミュニケーションが起こす仕掛けがありました。ガラス張りの会議室と数席の上席社員のブース以外、とにかく個室がなく、開かれた大きな空間を緩やかにゾーニングしながら、食堂やラウンジを随所に散りばめ、社内でのコミュニケーションを促しているとのことでした。

太田 アメリカでは、人材確保のアプローチとして、ここで働きたいというモチベーションを高めるためにオフィスをつくり、それが働き方改革や仕事の生産性向上に繋がると考えているようです。外に向けて、新しい働き方を発信し、どうやって人材を呼び込むかにもウェイトが置かれていると感じました。日本では今、どういうレイアウトにしたら社員の生産性が向上するかといった内向きな視点での捉え方が多いように思います。

斎藤 われわれも最新のオフィス事例を参考にするためにシリコンバレーに視察に行き、SAPやIDEO等の企業のオフィスを見学しました。最新のオフィスなので、もっとデジタルサイネージやIoT等、デジタルを生かしたオフィスになっているのかと期待していたのですが、ブレインストーミング用の付箋がそこら中に貼ってあったり、アイデアの書き込まれたホワイトボードが点在していたりと結構アナログで、デジタルとアナログの手段を目的に応じて使い分ける働き方が印象的でした。Googleのオフィスでは、 敷地内にキャンピングカーがたくさん止まっていて、社員がそこで寝泊まりしていましたfig.9。会社としては社員に1行でも多くのコードを書いてもらうのが目的で、そのためだったら会社に住んでもいいし、24時間食事も提供するし、洗濯機も置いておくというアメリカ的超合理主義が垣間見えたのが面白かったです。そのようなソフトについては手段と目的がはっきりしているという点で学びが多かったのですが、建築のハードとしては、皆、低層の普通の建物で、空間的に優れたオフィスには出会えず、それもある意味、意外でした。彼らが投資するポイントは空間ではなく、働き方をサポートするアメニティやそこで働く仕組みなど、ソフトに重点を置いているということなのかもしれません。

岩瀬功樹(以下、岩瀬) 僕はSAP Innovation Labで働いている人が照明を自ら選んで変えて、その瞬間にこのスペースは俺のものになったんだと話してくれたことがとても印象に残っています。どうしても日本のワークプレイスではトップダウンで働く場所が最初から与えられ、受動的に働かされている感じがしますが、視察したところではボトムアップ的に自ら働きたい場所をつくり、自分の居場所に誇りを持っているような気がしました。僕は原宿のWeWork Icebergを拠点に活動していたのですが、内装のデザインクオリティを維持しつつも、利用者の働き方データを収集し、常に空間や機能のアップデートを試みているそうですfig.10。それらの体験を元に、新オフィスでは試験的な取り組みも導入し、つくりすぎないで成長する梓設計をみんなでつくり上げていくことに意味があると考えています。

一條 われわれが視察したものは、戸田建設所有ビルも含めて多くが1980年代の古いビルの改修でしたが、その中で上手く什器のレイアウト等のインテリアの設えを考えながら空間づくりをしているのが印象的でした。設え等で魅力的なワークプレイスを構築し、そこで働くワーカーたちの意識・働き方改革に十分寄与できることは理解した一方で、新築でワークスペースを構築する際には、その魅力的なインテリアを下支えする建築本体や環境設備等のハード面の整備も非常に重要だと再認識しました。新しい建築を設計する際には、建築プログラム・使い方・AI/IoTといったスマート化を含めたソフト面での検討と、建築本体・建築設備といったハード面の両側面からの検討が必要です。

吉田 私たちは今、アメリカのSNS会社2社の東京オフィスを設計しているのですが、それにあたり、シリコンバレーとサンフランシスコの本社に行きました。前者はわれわれが設計者として入る必要があるのかと思うぐらい、デザインマニュアルが決められているんです。創業者がガレージから始めたことを尊重して、針葉樹合板などのラフな材料を使い、必要以上の仕上げを行わないことがレギュレーションで明文化されています。実際、それを守ってでき上がった空間を体験すると、創業者の精神が働く人に受け継がれていくことを感じました。後者はLINEのビジネス版のようなコミュニケーションツールを開発している会社ですが、デザインによってコミュニケーションを円滑にしていく企業精神を空間から感じました。ただこれらのオフィスを見る時に重要なのは、彼らが何のためにこのようなデザインをしているのかを考えることですよね。みんながGoogleを見てGoogleみたいなオフィスをつくるのは意味がないと思います。

谷尻 かつてベルリンに行った時に、デイヴィッド・チッパーフィールドの事務所に入れてもらったことがありますfig.11fig.12。ベルリンで彼らの建築を見ていて、圧倒的なクオリティの高さを感じたので、事務所に併設されているレストランに行った時に、事務所内も案内してもらいました。レストランは社員食堂でもあり、パブリックでもあります。広場を囲うように事務所棟やレストラン棟など4棟が建っていて、小さいポケットパークのような広場には近所の人が訪れたり、子どもが遊んでいたりしました。事務所内には、プロジェクトごとにCGが壁一面に貼ってあって、そこに素材も並び、一目でその内容や進捗が分かるようにしてありました。事務所での1日をどういう体験にするのかに基づいて空間が設計されていて、それはオフィスというよりも生活空間に近いもので、僕らも目指しているものだと感じました。僕たちはオフィスを考える時に、そこでどんな豊かな働き方ができるのかから考え始めます。その時に、他のプログラムが参考になることが多くあります。たとえば、美術館のようなオフィスであれば、オフィス空間の隣に開放感のある大きなテラスがあったり、ミーティングスペースに巨大なアートが置いてあったりといった具合です。アートには座れるといった明確な機能はありませんが、異なる解釈を生み出したり、発想をインスパイアさせる効果があります。一方、オフィスについて考え始めると、効率化を図るには、コミュニケーションを生むためには、といった機能が優先されます。しかし、そうした機能を解くことから始めるのではなく、アートの力を用いて新しいオフィスの機能を生み出す可能性を探っています。考え方の転換や再定義といった創造性が仕事にも求められ、今後は創造性が仕事の価値になっていきます。そのために、創造性を引き出すための空っぽなホワイトキューブのような場所をどうつくるか、どうやってそれらの場同士の余白を顕在化できるのかを考えています。

新オフィスに込めた試み

——新オフィスの設計での新しい試みを教えていただけますか?

一條 建築プログラム・使い方・AI/IoTといったスマート化を含めたソフトは日々進化しており、そのスピードは目を見張るものがあります。われわれが直近対象とする新社屋に対して、現状のソフトを中心に検討することは、竣工時には既に陳腐になってしまうリスクも高いのです。戸田建設の設計思想のひとつに、「エビデンス・ベースド・デザイン(EBD)」という実験実証データといった根拠に基づくデザイン・設計という考え方があります。設計施工、そして、技術開発が一体となったゼネコンだからこそできる思想と考え、新オフィスの設計においても実践しています。近年、オフィスの知的生産性の向上やウェルネスが唱えられますが、そのための最適環境として、よりよい居住性・安全安心を提供し、働く人びとが活性化する空間づくりが重要です。その中でも建築のハードとして外皮のつくり方は非常に重要なファクターとなります。われわれは、2010年頃からさまざまなプロジェクトにおいて最適外皮性能の検証をしてきましたが、当然ながら、立地も規模も方位も異なるプロジェクトでした。そこで、当社の技術研究所において、同じ環境、同じ方位での最適外皮性能を探るための実証棟を建設しましたfig.13fig.14。エネルギーや経済性を考慮しながら合理的な外皮をつくるために、「ダブルスキン」、「コンパクトダブルスキン」、「バルコニー+庇」の3種類の外装を設置し、実証実験をしています。他にもエコボイドを利用した自然換気システム、自然光の採光や働く人の快適性や知的生産性の向上と省エネ性に配慮した照明システム、高効率の床吹出し空調システム、自然エネルギー利用、ビルエネルギー管理システム(BEMS)を実装しています。これまで社内で被験者を募集し、生産性がどれくらい上がったかといったさまざまな実験をしてきましたが、ある程度結果・方針が見えてきたので、それを元に新社屋のオフィス空間の構築に展開しようとしています。この実証棟では、最終段階としてZEB実用化に向けた要素技術の実証実験があり、2020年までに「カーボンマイナス棟」という居住性と環境負荷低減を追求した建物に改修し、当社の技術研究所のオフィスにする予定です。また、ソフト面での検討としては、本社建て替えに伴い、分散して仮移転する3カ所のテナントビルでは、フリーアドレスやペーパレス化を試行し、センシング技術を用いた部門間交流度合いやスペース利活用状況をデータ収集・分析する予定です。ソフト面の仮移転先での実証実験と、ハード面の実証棟での実証実験の両面から、コンカレント(並行)に新社屋のオフィス空間を検討していきたいと考えています。

岩瀬 梓設計では、社内コンペをきっかけにオフィス設計にAI/IoTを導入する検討を本格的に進めてきましたが、建築業界におけるAI/IoTとは単なるbuzzwordではなく、日頃から向き合っている建築デザインのプロセスやエビデンスを見つめ直し再構築する営み、だと実感しています。設計者は自らの体験を設計に反映させますが、今まさに自分がいるワークプレイスで起こっていることをリアルタイムでデータ化・可視化することで、感覚的な体験と定量的なデータ分析の双方の根拠を持って、設計者がクライアントに魅力的な空間の提案をできるようになることが、今回の取り組みの大きなモチベーションだと思います。たとえば、新オフィスではさまざまなセンサーやカメラを設置して温湿度などの環境データはもちろん、感情などのデータを蓄積する予定で、天王洲オフィスで部分的に実証実験を始めています。その中でオフィスレイアウトと集中やリラックスの相関関係など、分析と評価を進めていく予定です。社内には、「catalpa」(英語で梓。創立者の清田文永があえて組織に抽象的な梓という名前を用いたことを踏襲し、読んだ時に「AZUSA」と響きが異なるようにした)という試験中のAIがいて、梓設計のデータベースやノウハウを覚えさせています。最近、スモールスタートではありますが、空港とスタジアムを見分けられるようになりました。将来的には、隣にいてデザインのダメ出しをしてくれる相棒のようになるのが理想です。 「catalpa」を活用すれば、オフィス設計に大切だと言われるコミュニケーションを促す新しい提案をすることも可能になると思います。たとえば相手との潜在的な距離感をセンシングし、「catalpa」と最適なオフィスレイアウトを決めれば、少し緊張する相手との新しい距離感が測れるようになります。それは教科書的な建築計画学に基づいたオフィスモジュールによらない人との距離感を考えることに立ち戻るのだと思います。デジタルエビデンスをベースに最適な「建築的スケール」を模索するという意味では、空港設計にもスポーツ施設設計にもアダプトできるツールがつくれます。AI/IoTといった最新技術をうまく乗りこなして設計プロセスをアップデートしながら、新しいことに挑戦する梓設計の姿を来訪者に見てもらうことでビジネスに繋げていきたいと思います。

斎藤 既に導入した取り組みにフリーアドレスがありますが、正直、始めに聞いた時、図面という紙媒体を使って仕事をしている人間には絶対無理だろうと思いましたfig.15。しかし慣れてみると、すべての情報はサーバーに入れているので、ノートPCひとつで打ち合わせも場所を選ばずできるので便利なのが分かりました。手書きのスケッチも当然しますが、それもすべてスキャンしてサーバーに保存しています。また移転後、ワンフロアの広さは1,000m2から5,300m2になり、誰がどこにいるのか分からないという問題も起こります。それに対しては、完全なフリーアドレスでありながらも、点在する部署ごとの収納棚を基点に、自然発生的に部署のゾーニングを生む工夫をしたり、位置情報システムを導入したりして、対応します。また均質なワークプレイスとならないよう、作業内容やコンディションに応じて環境を選択できる、個人ブースやラウンジスペース等を用意する予定です。やってみなければ分からないこともありますが、不備があれば、その都度仕組みを更新していけばよいと思っています。

岩瀬 実際に天王洲オフィスをフリーアドレスとしたことでコミュニケーションは取りやすくなりましたが、社内全体が均質化したような気がします。偶然情報に出会う、無意味なものに触れるといった機会が減り、隣のチームのパースや模型を見ることも少なくなったので、それらを一気に見られるようなスペースの必要性を感じます。


──SUPPOSE DESIGN OFFICEでは移転に伴い、実証・検討されていることはありますか?

吉田 私たちは、施工に限らず、仕事における「できない」を「できる」に変えるために、設計の周辺に関わる会社を自分たちでつくってしまおうと、2018年4月には「21世紀工務店」という施工会社、2019年には家具屋を立ち上げます。これらの会社が緩やかに繋がり補完し合いながら新しいことができる環境をつくりたいと思い、これらが同居する新東京事務所を渋谷区富ヶ谷に計画中です。これまでそれぞれの業種の領域がありできなかったことが、同居することで、意見を交換し合い創造的に取り組むことができるようになると考えています。

谷尻 それ以外にも、建築関連アプリの会社を法人化したり、これから建物の運営会社を法人化したりしようとしています。いろんな会社を1カ所に集めて、影響を与え合うような場所をつくりたいのです。ロンドンのトーマス・ヘザウィックの事務所は工房と一緒になっていて、数値や実践に裏打ちをし、「これだからできる」と返し、クリエイティブな提案を実現させていますfig.16fig.17fig.18。私たちもそのような体制にしたいのです。


——異なるものを集めた複合的なオフィスについてお話がありましたが、テレワークなど個人の場を分散させていくという動きもあります。それらについてはいかがですか?

斎藤 梓設計ではサテライトオフィスやテレワークも導入していきます。場所を問わず仕事ができることで、仕事とプライベートの境界が消えていき、設計をブレイクスルーする新しい発想を生むことも期待した上での導入だと思います。一方でメガプレートとテレワークは、果たして集まるのか集まらないのかという点で矛盾していると言われることもあります。しかし、その論の背景にあるのは、Face to Faceのコミュケーションが取れるように集まりたい時に集まれる場所があるのか、そこに集まる意義があるのかということであって、そのための要素をハードとして用意することが大事になると思うのです。新オフィスでは終日オープンする打ち合わせにも使えるカフェテリアや、フリーのドリンクコーナーなど、みんなで集まれるリビングの延長のような場所を用意します。またオフィスに行けば設計のアイデアが沸くからわざわざ行くのだと思わせる仕掛けのひとつとして、さまざまなメーカーのカーペットを何百種類もの品番を使って貼り分け、オフィスで実際の製品を見て決める、さらにその製品にiPhoneをかざすと、カタログのページに飛んで品番が分かるというようなことを考えています。また造作家具の設計に役立つよう、座面の奥行や下地の素材を変えて、座り比べができるソファなども取り揃える予定です。

岩瀬 新オフィスはさまざまな技術のPoCフィールド(実証実験できる広場)にしてはどうかという検討もしています。設計事務所は、アトリエ、ゼネコン、メーカーとのやりとりも多く、実は建築業界のプラットフォーマーだと思うんです。何重もの打ち合わせでバイアスのかかった情報をクライアントに伝えるのではなく、実寸と実空間を活用してチームで検証するのがいちばん間違いないですし、日常的に外部とのオープンなイノベーションを可能とする領域横断型のプラットフォームとなり得る余白があることが素敵だと思います。急速に進化するXR/BIMなどの技術におぼれないよう、XR/BIM上に存在しているものと、自分が感じているものの差分を常に感じられるような空間にしたいです。

太田 テレワークは多様性が求められる社会の動向として必要なものと考えますが、さらにこの進化の先に9時から5時まで働くというワークスタイルもなくなって、オフィスという概念自体も将来なくなるかもしれません。美術館に行ったり、ジムに行ったり、食事に行ったりというライフスタイルの中に、仕事がはまっていくのではないかと思います。ワーカーはさまざまな異種の行為と結び付きながら触発され変革する、そのような結び付きを生み出す建築を目指して新社屋に取り組んでいます。

谷尻 僕たちは広島と東京にオフィスが分散しているので、プロジェクトの共有のために、SkypeやLINEなど、SNSでコミュニケーションを図っています。スタッフは基本的につらいはずですが、不自由さの環境にみんながいることで、いろいろな工夫が生まれます(笑)。たとえば進行中の現場に行った時には、社内Facebookに現場写真を上げて共有します。よい映像や気になる情報、僕たちがスタッフに見ておいてほしいもの等をアップして、直接会ってなくてもマインドを共有するようにしています。

吉田 固定の場所や時間に縛られないからこそ、一緒にいる場所のコンテンツが重要になりますが、私たちは社食堂で実践したような「食」のあり方に着目しています。今年1月に三菱地所が新たに展開するコンパクトオフィスの開発・賃貸事業「CIRCLES」のデザインパートナーをしています。これはテレワークも対象にしたコンパクトオフィスなのですが、いかに場所の快適性を生みコミュニケーションを促すか考え、1階に「BIRDBATH & KIOSK」というオフィス需要に特化したコーヒースタンド兼キオスクをつくりました。企画と運営も社食堂チームが担当し、働く時にほしいGood Convenient Goodsを販売したり、朝食サービスやランチミーティングの手配をしたりします。はじめにいただいた提案では延床面積を最大限取った6階建てのプランだったのですが、室内の面積を減らし、各フロアに幅1mほどの外部テラスをつくりました。今までのオフィスでは賃料が稼げないから邪魔だとされてきていたのですが、実は気持ちのよいテラスをつくることで、コーヒー片手に休憩したり、ランチミーティングをしたりとコミュニケーションを取る時間を共有できると考えました。

これからのオフィスとは

——これからオフィスはどういう場所になると思いますか?

吉田 システム家具やその配置がオフィスをつくる事例が多くありますよね。大きなオフィスビルになると、消防法や避難検証等の制約などがあって、天井高や間仕切り壁を早い段階で決めないといけないことも多く、一般的に既製品のスチールパネルやオフィス家具を並べただけの均一的で平坦な空間構成にならざるを得ない状況が見受けられます。しかし、オフィスを単純作業という労働の場ではなく創造性を高める知的生産の場とするためには、スケルトンで天井の高い開放的な空間、軒の深い落ち着けるリビング的な空間、スラブtoスラブの集中できる小部屋、健康的な食事が取れるキッチンなど、多様な働き方やシーンに合わせて、さまざまなスケールの空間や設えがあるような濃淡のある空間が必要となってくると思います。現状のオフィスでは、その濃淡を生む要素として、外皮エリアがひとつの鍵になると思います。いくらデザインされたカーテンウォールやガラスファサードでも、実際に働いている時はブラインドが下ろされがちで使われにくいことが多いのですが、私たちがそういった大きなビルに入るオフィスのインテリアを設計する際は、状況を逆手に取って窓辺には固定席を設けずにフリーアドレスで働けたり、軽いミーティングができるようにカウンターを設けたりしています。

一條 僕たちも、新しいワークプレイスを検討する際に、エネルギー的にもデザイン的にも非常に大きなウエイトを占める外皮を検討していますが、同時にその周縁(がわ)の空間のつくり方に着目しています。どうしたら、ブラインドを下ろすことなく、使いやすく、眺望も感じられるオフィス空間を創造できるのか?といったアプローチも、空間づくりのひとつとなります。都心部の高層オフィスビルが増えていく中で競争力を持った新しいワークプレイスを生み出すために、今までのような画一的なオフィス設計をするのではなく、たとえば外部空間を設け、外を感じることのできるような画一的なオフィスを壊した提案が必要と考えます。また、オフィスビルの不動産価値を上げるためには、WELL認証、LEED、CASBEE等の環境指標を取得する必要度が高まっています。大切な要素のひとつですし、今後ますますこれらの認証を取得することが、当たり前の社会になってくると思います。

谷尻 LEEDやWELL認証といった指標がオフィスビルの価値を決め、それを入居者が選択する、スケルトン天井の変更可能性を持つ空間にクリエイティブな人が集まるというように、どういう人が入居できるかというリテラシーコントロールまでを含めて、建築的人格をつくることが設計の役割になると思います。

斎藤 梓設計本社の場合は、そもそも幅60m、長さ100mの倉庫空間にオフィスをつくるという時点で既成のオフィス設計の概念が通用しません。必然的に既成概念のブレイクスルーが求められる条件で設計していて思うことは、運用側と二人三脚で考えないと答えが見えてこないということです。細かい話ですが、たとえば給湯室という概念をなくすのであれば冷蔵庫をどこにおくのか、冷蔵庫の個数を減らすにはどういう運用をするのか、オープンな場所でも置けるように綺麗に使うにはどういう運用をするのか、この議論の先に従来の給湯室を超えた空間が生まれると思います。こういう小さな気配りをひとつひとつ重ねていくことで新しいオフィスの価値が生まれるのではないでしょうか。そのためには設計のプロセスや発注者とのコミュニケーションの方法も一方通行ではなく、一緒にオフィスをつくるという枠組みづくりが大切だと思います。

岩瀬 オフィスの設計はハードよりもソフトの方が動きが早く、さらにソフトで解決することも多くなり、設計者として悔しく思うことが多々あります。近い未来、AaaS(Architecture as a Service)の考え方で建築設計業務の多くがサービスになって、サービスとしてのオフィスが点在していくことになるのかもしれません。その時に、最新技術でエンハンス(強化)されたAaaSとハードをバランスよくブレンドしていくことで新しい建築の提案ができると思います。そのためには、ハードもソフトのアップデートスピードに反応する必要があります。新オフィスでは、ハードの可変的な動きにおいて、オフィス家具の計画に着目しています。オフィス内に極力固定のパーティションや収納を置かず、収納と樹木に人が集まる行為に着目して、それらを一体化した「ポートシェルフ」という造作家具で、空間を緩やかに分節する予定です。ある場所に集まるという原理を元に、大きなキャンバスに実験的なマグネットを配置するようなイメージでワークエリアを更新し「成長するオフィス」にしようと考えています。その更新のタイミングやアイデアを「catalpa」がアドバイスしてくれるようになるかもしれません。

太田 「継続進化」するオフィスということですね。将来のことを簡単に予測することはできませんが、今後は、オフィスも単純な事務空間ではなく、多様な感性をもったワーカーの創造的活動を行う「場」と捉え、多様な働き方を展開していくために、カスタマイズ可能な、広い床面積や高い天井といった可変的な要望を受け入れるような「間」を、どのように取り込んでいくかが大事だと思います。

一條 オフィスビルの建て替え周期は30〜50年が一般的ですが、今後もっと長くなる可能性もあります。その寿命の間に建築法規も変わってきますし、社会の建築に対する要望や責務も日々変わるでしょう。その間、建築の価値を落とさないためには、その変化に耐え得る建築・空間をつくる必要があります。しかし、どんな変化も受け入れるような「多目的な空間」は、意味を失った「無目的空間」になりかねません。しかし、どんなに時代・社会が変化しても建築を使う「人」という存在はなくなることはありません。オフィスも同様に、働くという行為自体は、形態を変えたとしても将来も存在するでしょう。だからこそ、人びとが使い続けることができ、また社会の変化に対応可能な継続進化ができることが重要です。

谷尻 オフィスは家のようなものになっていくのではないでしょうか。2017年に竣工したLINEのオフィスでは「リビング・オフィス」という提案をしましたが、その頃から、もっと家やリビングのようにオフィスもつくらないとだめだという感覚がありました。僕はオフィスを考える時に、いかに休むかを考えることが大事だと思っています。ただ仕事だけをするのではなく休むことで、新たな発想を得て創造的に仕事をしていくこと、休むという行為を日常の中に組み込むことが必要となってくるのではないでしょうか。そのための場を設計することで、行く場所であったオフィスが帰る場所にもなり、魅力あるオフィスへと繋がっていくと考えています。
fig.19

(2019年3月12日、新建築社にて 文責:新建築編集部)

太田隆司

1964年神奈川県生まれ/1989年千葉大学工学部建築学科卒業/1989年~戸田建設

一條真人

1983年東京都生まれ/2007年日本大学理工学部建築学科卒業/2009年同大学大学院修士課程修了/2009年~戸田建設

    斎藤愼一

    1989年神奈川県生まれ/2012年早稲田大学創造理工学部建築学科卒業/2014年同大学創造理工学研究科建築学専攻修士課程修了/2014年~梓設計

      岩瀬功樹

      1989年愛知県生まれ/2013年立命館大学理工学部建築都市デザイン学科卒業/2015年同大学大学院理工学研究科環境都市専攻修士課程修了/2015年〜梓設計

        谷尻誠

        1974年広島県生まれ/1994年穴吹デザイン専門学校/2000年建築設計事務所Suppose design office/2014年SUPPOSE DESIGN OFFICE設立/2017年絶景不動産設立/2019年Tecture設立/2020年社外取締役設立/2020年toha設立/2020年DAICHI設立/2023年yado設立

        吉田愛

        1974年広島県生まれ/1994年穴吹デザイン専門学校/2000年建築設計事務所Suppose design office/2014年SUPPOSE DESIGN OFFICE設立/2017年絶景不動産設立/2021年etc inc.設立

        太田隆司
        一條真人
        斎藤愼一
        岩瀬功樹
        谷尻誠
        吉田愛
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        新建築 2019年4月号
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        東京・京橋に計画中の戸田建設新社屋パース(2024年竣工予定)。/提供:戸田建設

        梓設計新社屋のイメージ。エントランスから100mのランウェイを見通す。/提供:梓設計

        ワークエリア内のイメージ。/提供:梓設計

        東京・代々木上原にあるSUPPOSE DESIGN OFFICEの東京オフィス(『新建築』1807)。外部の人も利用できる社食堂を兼ねている。/撮影:新建築社写真部

        店舗兼集合住宅だったビルを改修し、スナック、社食堂、ギャラリー、ホテル、事務所を複合させるプロジェクト。事務所と異なるフロアに計画するホテル。/提供:SUPPOSE DESIGN OFFICE

        店舗兼集合住宅だったビルを改修し、スナック、社食堂、ギャラリー、ホテル、事務所を複合させるプロジェクト。移転するSUPPOSE DESIGN OFFICEの新広島事務所。/提供:SUPPOSE DESIGN OFFICE

        集合住宅を建て替えるホテルのプロジェクト。/提供:SUPPOSE DESIGN OFFICE

        サンフランシスコにあるクリエイティブ系のオフィスのコミュニケーションエリア。/提供:戸田建設

        シリコンバレーにあるGoogleplex。低層の建物で構成し、オープンな中庭空間が広がる。/提供:梓設計

        東京・原宿にあるWeWork Iceberg。オープンなデスクが置かれ、個人作業やグループミーティング、また他者を招いた商談の場となる。別途個室が構えられている。/提供:梓設計

        ベルリンにあるデイヴィッド・チッパーフィールドのオフィス。中庭に面する左棟はカフェ、右棟はミーティングスペースやオフィスが入る。/撮影:Simon Menges

        デイヴィッド・チッパーフィールドのオフィス1階平面/提供:David Chipperfield Architects

        筑波にある戸田建設技術研究所に建てた実証実験棟。3種類の外皮をつくり、環境性能等を実証実験している。/提供:戸田建設

        実証棟内部では、ブラインドの傾き等の条件を変え、窓面輝度分布の測定を行い、昼光利用の実証実験を測定している。/提供:戸田建設

        天王洲オフィスで実施しているフリーアドレスの様子。/提供:梓設計

        ロンドンにあるトーマス・ヘザウィックの事務所。工房を備えている。/撮影:Brisa Chander

        ロンドンにあるトーマス・ヘザウィックの事務所。工房を備えている。/撮影:Brisa Chander

        ロンドンにあるトーマス・ヘザウィックの事務所。工房を備えている。/撮影:Brisa Chander

        左から戸田建設の一條真人氏と太田隆司氏、梓設計の斎藤愼一氏と岩瀬功樹氏、SUPPOSE DESIGN OFFICEの吉田愛氏と谷尻誠氏/撮影:新建築社写真部

        fig. 19

        fig. 1 (拡大)

        fig. 2