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新建築 2010年9月別冊 日本IBM本社ビル1971-2009 建築とファシリティマネジメントの ライフタイム記録

新建築 2010年9月別冊

3,352 税込

在庫あり

商品コード: 111009 商品カテゴリー:

170頁/221x297mm/A4変型/平綴じ

紙版

Content

はじめての「建築の生涯記録」。1971年に東京・六本木に竣工した「日本IBM本社ビル」(設計: 日建設計)は、2009年に日本IBMの移転により本社ビルとしての役割りを終えました。本誌は建築の生涯記録として、建築の全貌と、日本のファシリティマネジメントの嚆矢となった竣工以来38年間にわたる維持管理の手法を余すところなく伝えるものです。ツインコアと1,000平米の無柱のオフィスフロアで、「オフィスの時代」の先陣を切った日本IBM本社ビルは、当初の、電話と電卓とタイプライタの時代から、現在のコンピュータ中心の時代まで、時機を得た改修によって常に時代の先端オフィスであり続けました。本誌には、その、「生まれのよさ」と「育ちのよさ」の秘密が記されています。

竣工時の様子、1986年の6階オフィス改修の動画、設計発注時の要件定義書を収録した「ビデオブック」をご覧いただけます。

(「ビデオブック」をクリックして下さい。なお、携帯端末ではご覧いただけません)

1971年11月、東京港区六本木三丁目に誕生した「日本IBM本社ビル」は、2009年10月の移転による全館退去によって、日本IBMの本社ビルとしての生涯を終えました。本別冊は、40年前の設計の現場と建築の全貌、そして38年間の運用の手法と詳細な記録を、余すところなく伝えるものです。黒電話と電卓とタイプライタの時代から、最新のコンピュータの時代まで、「日本IBM本社ビル」は、状況に対応した改修によって、常に時代の先端を行くオフィスでありつづけましたが、それを可能にしたのは、建物の状態を常時把握し、未来を的確に予想する、計画的な維持管理の存在でした。1981年にスタートした「計画的保全」は、わが国におけるファシリティマネジメント(FM)の最初の実践であり、その過程で、さまざまなFM手法や、コンピュータを駆使した戦略的な保全システムが開発されてきました。FM担当者は、最新ビルに負けない先進性と働きやすい環境を提供するための経済合理性を、100年先まで予測し、追求していたのです。本誌には38年間の保全実績のデータが詳細に公開され、管理手法のポイントが具体的に解説されています。がっちりとタッグを組んだ日本IBMFM部門と、設計者、施工者、管理会社の協業体制も見逃せない側面。建築を永く、大切に使い続けたい方に、そして、使ってもらいたい方におすすめの一冊です。

竣工時の様子、1986年の6階オフィス改修の動画、設計発注時の要件定義書を収録した「ビデオブック」をご覧いただけます。

(「ビデオブック」をクリックして下さい。申し訳ございませんが、閲覧にはFlashPlayerが必要なため、携帯端末ではご覧いただけません)

[目次]

口絵日本IBM本社ビルの建築概要と年表

第1章|日本IBM本社ビルが生きた38年

Sense of Ownership 日本IBM本社ビルが発信したもの椎名武雄[日本IBM名誉相談役]|聞き手: 三栖邦博 加藤達夫日本IBM本社ビルと私たちが際会していた時代林昌二[日建設計名誉顧問]|聞き手: 松成和夫日本IBM本社ビルの38年三栖邦博[日建設計顧問]ファシリティマネジメントの進展を映す鏡としての日本IBM本社ビル加藤達夫[元日本IBM不動産建設部長]その一生の物語が記録された建築───日本IBM本社ビル松葉一清[建築評論家・武蔵野美術大学教授]

第2章|日本IBM本社ビルの建築 要件定義、建築設計、オフィスデザイン

計画プロセスと要件 日本IBM本社ビル計画の背景 本社用地の確保 建設プロジェクトチームの立ち上げ 計画実施工程と稟議のプロセス 建築設計者の選定 インテリアデザイナーの選定 建物設計に必要な要件定義 全国的オフィス計画の一環としての本社ビル スペース計画と必要面積の算定 オフィス基準(オフィススタンダード) IBMロゴマークと施設表示基準

今に生きる設計手法と技術 設計の狙いと特徴

無柱ワンルーム1,000m2オフィスへの挑戦 無柱ワンルームオフィスへの挑戦と 究極のフレキシビリティの確保 両端サービスコアによる特徴あるデザインと安全性 天井高の限界の中で

大スパン構造と経済合理性との狭間で 大スパン構造の経済合理性 オフィス棟とふたつのサービスコア、3つの架構の連結 構造クライテリアの38年経ての検証

プレキャストコンクリート外装の新機軸 プレキャストコンクリート(PC)外装の地平を拓く 外装設計という領域の確立

デザインと技術の開発 敷地の高低差を生かしたアクセス 屋根は第5のエレベーション デザインポリシーと開発された部品 ビルの見え方チェックに初のコンピュータ利用

煙突のないビル ヒートリカバリー方式による煙突のないビル 設備の存在を意識させないこと 時代の状況を映す照明

建築設計と連携するインテリアデザイン 竣工した建物と要件との合致 面積規模の確認と有効面積率 IBMの施設基準と日本IBM本社ビル スタッキング(階構成)計画 コンピュータルームの要件 インテリアデザイナーの関わり 日本IBM本社ビルのオフィス計画 社員食堂計画TOPIC-1日本IBM本社ビルのアートワークTOPIC-2工事の発注から完成までのプロセス

第3章|オフィスレイアウトマスタープラン 時代と共に変化・成長してきた「インフィル」と「オフィス空間」

インフィルの計画的保全 日本IBM本社ビルにおけるインフィルの計画的保全 計画的保全から見えてきた長寿命化建築の経済合理性

オフィス空間の変化と成長 オフィス要件の変化とオフィススタンダードの変遷 オフィスを変貌させた主な要因

オフィスレイアウトマスタープラン、IT環境の変遷 基準階オフィスレイアウトマスタープランの変遷 IT機器とネットワーク設備の変遷

オフィスレイアウトマスタープランにおけるFM指標比較 レイアウトFM指標の変遷 日本IBM本社ビル全館の入居人数とキャパシティの推移

第4章|ビル管理システムの活用 運営維持体制とビル管理システム(COBCS)の変遷

運営維持体制とその変遷 運営維持体制の変遷

ビル管理システム(COBCS)の変遷と特徴 COBCSの変遷と特徴、有効活用への提言

第5章|省エネルギーとLCC100年運営維持データから読む省エネ/省コスト効果

エネルギー消費量の推移 エネルギー消費量の全体像 建物の稼働率・オフィス総利用時間 事務室/コンピュータルーム系統別のエネルギー消費量

省エネルギー活動について 省エネルギー活動とその効果

ライフサイクルコスト(LCC)の推移と100年間の推計 ファシリティコスト(FC)の推移 LCC(ライフサイクルコスト)100年の推定

CASBEEとLCCの同規模ビルとの比較 エネルギー消費量の比較 CASBEEによる評価の試み LCCの比較検討

TOPIC-3オフィスのエネルギー消費量

第6章|インフィルの計画的保全と ニューオフィス・イノベーション

日本IBM本社ビルにおけるインフィルの計画的保全業務 インフィルの保全項目への分類 劣化診断の進め方と物理的寿命の判定 保全費用の整備に関する考え方と留意点 インパクトの定量化と可視化 保全項目相互の「道連れ工事」の紐付け 中期修繕・改修計画サイクルの導入 LCM支援システムの開発と継続的活用、システムに求められる要件 計画的保全を効果的に進める上での評価指標: FCIの導入

保全対策のポイント 日本IBM本社ビルの保全対策を振り返って

6階オフィスのリニューアル ニューオフィス・イノベーション活動のスタート コンセプトはクオリティオフィス 6階オフィスのリニューアル(1986年) ユーザー参加の執務環境制御 最新技術を取り入れた6階オフィス改修(日建設計チームからの報告)

ユニバーサルレイアウトの完成─9階オフィスのリニューアル リニューアル計画の見直しと9階リニューアル(1992年)

さらに合理化し、全館オフィスのリニューアルへ 合理性を追求した基準階オフィスの全館的リニューアル(1995─97年)ニューオフィス化の費用対効果 費用対効果としても成功したニューオフィス化

TOPIC-4経済的寿命判定に関する考察 冷凍機とエレベータTOPIC-5更新時期の決定に関するもうひとつの考察TOPIC-6役員階オフィス改修 1999年TOPIC-7社員食堂改修 1980年・1996年

第7章|今に生きる施工技術と最終性能の確認結果の報告

日本IBM本社ビルで採用された特長ある建築施工技術 基礎・地下躯体工事 地上躯体工事 仕上げ工事 建築施工技術の歴史的位置付け 外装PC板からのコア抜き材料劣化度調査

電気設備の技術と施工 幹線設備 照明設備 電気施工技術の歴史的変遷 38年目の性能確認

空調設備の技術と施工 本工事 スポット的リニューアル工事 本格的リニューアル工事 劣化度調査

給排水設備の技術と施工

給排水管施工 トイレ施工 リニューアル工事 日本IBM本社ビルでの使用した配管材の位置付け 38年目の排水能力確認 配管の劣化度調査

第8章|研究コンソーシアムからの報告

長期運用データの保存状況と動態保存

保全における耐用年数の考え方

計画当初の建築法規・消防法と、その後の変化と対応

日本と海外のオフィスビルにおける室内温熱環境の変遷

給排水衛生設備関係

研究コンソーシアムの総括

レファレンスビルとして生き続ける建物へのメッセージ
DATA SHEET(竣工時)主な改修データ執筆者紹介・編集後記

作品