新建築 2017年10月号 近畿大学 ACADEMIC THEATER (1〜5号館) / 国際学部棟 (18号館)
Content
変貌する建築家の生態=槇文彦
主な収録作品:
近畿大学 ACADEMIC THEATER(1〜5号館)/国際学部棟(18号館)=NTTファシリティーズ東京大学生産技術研究所 千葉実験所 研究実験棟Ⅰ=東京大学キャンパス計画室(今井公太郎)・同施設部(監修) 東京大学生産技術研究所 今井研究室(設計)研究実験棟Ⅱ=東京大学キャンパス計画室(今井公太郎)・同施設部(監修)東京大学生産技術研究所=今井研究室 長大 アルコム建築部(設計)テンセグリティ構造モデルスペース(ホワイトライノⅡ)=東京大学生産技術研究所 今井研究室+川口研究室再生可能エネルギー環境試験建屋(REハウス)=東京大学生産技術研究所 今井研究室 大岡龍三・日野俊之神田外語大学8号館=松田平田設計 YAZデザインインターナショナル(インテリア)UNIQLO CITY TOKYO=アライド・ワークス・アーキテクチャー 乃村工藝社レッドウッド南港DC1 KLÜBBエリア=玉上貴人/タカトタマガミデザインヤマハモーター・イノベーションセンター=日建設計/小谷陽次郎+平野章博+髙橋渓unico=西田司+森詩央里+伊藤彩良+大沢雄城/オンデザイン(設計) 秋吉浩気/VUILD (設計協力)ヨコハマトリエンナーレ2017空間設計=フジワラテッペイアーキテクツラボオブジェクトディスコ=木内俊克+砂山太一+山田橋リガレッセ=有馬裕之+Urban Fourth銀座夏野Rblg=武井誠+鍋島千恵/TNAインマヌエル船橋キリスト教会 コミュニティ・チャペル+バイブル・センター=室伏次郎/スタジオアルテック+ミタリ設計美波町医療保健センター=川口有子+鄭仁愉/カワグチテイ建築計画上島町ゆげ海の駅舎=西澤高男/ビルディングランドスケープ+日髙仁/SLOWMEDIAISUZU PLAZA PLAZA annex=坂倉建築研究所

作品

(1〜5号館)/国際学部棟(18号館)
撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
近畿大学 ACADEMIC THEATER(1〜5号館) /国際学部棟(18号館) 設計 NTTファシリティーズ施工 大林組
所在地 大阪府東大阪市
近畿大学のキャンパス整備プロジェクトに伴い,文理の垣根を超えた新たな学術拠点として新設されたACADEMIC THEATERは5棟の建物で構成される.大学本部のワークスペースと国際化推進の一端を担う1号館,学生ホールと産官学の社会連携窓口となる2号館,自習室と教室の3号館,学生・教職員のためのカフェ・ラウンジの4号館,図書閲覧とプロジェクト室が連鎖する5号館が屋内空間で一体的に連続する.国際学部棟も同時期に増築された.
KINDAI UNIVERSITY ACADEMIC THEATER(BLD.1-5)/ FACULTY OF INTERNATIONAL STUDIES BUILDING(BLD.18) NTT FACILITIES Osaka, Japan 2016

研究実験棟 I
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東京大学生産技術研究所 千葉実験所研究実験棟 I 監修 東京大学キャンパス計画室(今井公太郎)・同施設部 設計 東京大学生産技術研究所 今井研究室
施工 真柄建設千葉県柏市
西千葉にあった東京大学生産技術研究所附属の千葉実験所の移転に伴って建てられた巨大な実験場.広大な土地と巨大な空間を活かして,新交通システム・自動運転の研究やロボット,航空機産業といった分野で産学連携して技術開発を行うための実験ができる場所になっている.巨体な実験空間の周りに,研究室や動線がぐるっと配置されている.
RESEARCH AND TESTING COMPLEX I IMAI LABORATRY, INSTITUTE OF INDUSTRIAL SCIENCE, THE UNIVERSITY OF TOKYO
Chiba, Japan
2016

再生可能エネルギー環境試験建屋(REハウス) 設計 東京大学生産技術研究所 今井研究室 大岡龍三・日野俊之
施工 ポラテック
再生可能エネルギーを活用した新しいヒートポンプシステムの性能を検証するために建てられたもの.太陽熱集熱パネルと,地中熱交換器を結ぶことにより,太陽熱,空気熱,地中熱を活用し,従来システムに比べて格段の省エネルギー性能が期待できる.

研究実験棟II 監修 東京大学キャンパス計画室(今井公太郎)・同施設部 設計 東京大学生産技術研究所 今井研究室 長大 アルコム建築部
施工 清水建設
波・風・潮流を起こしてリアルな海洋環境を再現できる長さ50m幅10m水深5mの海洋工学水槽がある実験棟.建物の周りに3m幅の回廊を巡らせてヒューマンスケールの風景をつくり、研究のアクティビティが溢れ出すことを意図している.

テンセグリティ構造モデルスペース(ホワイトライノII) 設計 東京大学生産技術研究所 今井研究室+川口研究室
施工 太陽工業
太い柱同士を直に繋がず,張力を使って一体化する超軽量構造「テンセグリティ」の架構を建築の主構造に用いてつくられたモデル.

撮影: 新建築写真部
YAZ DESIGN INTERNATIONAL(INTERIOR DESIGN)
photo: SHINKENCHIKU-SHA
神田外語大学8号館 設計 松田平田設計 YAZデザインインターナショナル(インテリア) 施工 フジタ アズ(インテリア)
所在地 千葉県千葉市美浜区
神田外語大学の創立30周年事業として計画された,英語の教育に特化した学習施設.扇状のドーム空間の中に学生の自習空間,発表・実践の場となる教室,学習をサポートする教員の研究室が入る.カフェやグループ学習スペース,個人の自習スペースなどが街並みを模した空間の中に配置され,学生は自分の目的に合わせて自由に居場所を見つけることができる.
KUIS 8 MHS PLANNERS, ARCHITECTS & ENGINEERS YAZ DESIGN INTERNATIONAL(INTERIOR DESIGN) Chiba, Japan 2017

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
UNIQLO CITY TOKYO 設計 アライド・ワークス・アーキテクチャー 乃村工藝社
施工 乃村工藝社所在地 東京都江東区
ユニクロなどのファッションブランド展開するファーストリテイリングの新本社屋とクリエイティブスタジオ.東京湾に面する有明地区に建つ6階建ての物流倉庫の最上階を利用し,74×253mという大きな平面を活かして全体を街区に見立てた構成としている.
UNIQLO CITY TOKYO ALLIED WORKS ARCHITECTURE, NOMURA
Tokyo, Japan
2017

撮影: 新建築社
photo: SHINKENCHIKU-SHA
レッドウッド南港DC1 KLÜBBエリア 設計 玉上貴人/タカトタマガミデザイン施工 前田建設工業
所在地 大阪府大阪市住之江区
大阪南港につくられた巨大物流空間の中の保育所や休憩スペース.1階のエントランス回りを含めた共用部全体と、4階の休憩スペースが人に優しい快適な労働環境(託児所,売店,ラウンジの整備)としてKLÜBBエリアと名付けられ,設計されている.無機質な倉庫で働く人たちが快適な環境を得られるよう,デッドスペースとなっていたランプや周辺も含めて外部環境を改善し,さまざまな居場所がつくられた.
REDWOOD NANKO DC1 KLÜBB AREA TAKATO TAMAGAMI ARCHITECTURAL DESIGN
Osaka, Japan
2016

撮影: 新建築社
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ヤマハモーター・イノベーションセンター 設計 日建設計/小谷陽次郎+平野章博+髙橋渓施工 安藤・間
所在地 静岡県磐田市
ヤマハ発動機グループの先行デザインの研究開発拠点.各階とも構造架構と設備機器を組み合わせた9×9mのユニットで構成することでレイアウトのフレキシビリティが確保され,2・3階にアイデアを生む場である「イノベーションラボ」が設けられている.
YAMAHA MOTOR INNOVATION CENTER NIKKEN SEKKEI
Shizuoka, Japan
2016

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
unico 設計 西田司+森詩央里+伊藤彩良+大沢雄城/オンデザイン
設計協力 秋吉浩気/VUILD
施工 伸栄(共有部・unico work) NENGO(A工事)所在地 神奈川県川崎市川崎区
川崎市に建つ築53年の本社兼工場を,シェアオフィスを中心とした複合施設(unicoA)へとリノベーションするプロジェクト.1階には飲食店とFab工房VUILDが入居する.既存躯体はできるだけ生かし,新たに加えるものは1階のFab工房で加工可能なものとした.両隣も同オーナー企業の所有で,西側の倉庫はバスケットコート(unico court)に,東側の元社員寮はシェアハウス(unicoB)へと改修予定.
UNICO ONDESIGN PARTNERS
Kanagawa, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ヨコハマトリエンナーレ2017空間設計 設計 フジワラテッペイアーキテクツラボ
施工 NENGO 銘建工業所在地 神奈川県横浜市西区
横浜トリエンナーレの会場である横浜美術館(本誌8907,設計: 丹下健三・都市・建築設計研究所)の会場構成.中央に位置する2層吹き抜けのグランドギャラリーの既存石階段に,CLTによる木の床を重ね,多様な場所と関係性をつくり出した.中央を貫く既存階段に対して,その軸線を崩し,または繋ぐようにさまざまな高さの床や斜めの階段が新たに配置される.
YOKOHAMA TRIENNALE 2017 EXHIBITION PLANNING AND DESIGN FUJIWALABO
Kanagawa, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
オブジェクトディスコ 設計 木内俊克+砂山太一+山田橋
施工 ダブルボックス所在地 東京都中野区
住宅街の角地に建つ集合住宅の外構の約25m2のスペースを,土地の所有者自らが周辺住民の休憩場所として開放している.休憩を促すベンチ,車止めのためのボラード,外部からの視線を柔らかく遮るグリーンカーテン,敷地内を通り抜けるための敷石などの計画時に求められた諸機能を,周辺のコンテクストを読み取りながら,それらと関連するような設えとして配置している.
OBJECT DISCO TOSHIKATSU KIUCHI TAICHI SUNAYAMA YAMADABASHI
Tokyo, Japan
2016

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
リガレッセ 設計 有馬裕之+Urban Fourth
施工 川嶋建設所在地 兵庫県豊岡市日高町
約150年前の江戸時代後期に建てられた民家を再生し,「看護小規模多機能型居宅介護」を行う場がつくられた.地域の老人が,それぞれの生活状況に応じて選択できる「通い」「ショートステイ」「訪問看護」の機能を組み合わせ,可能な限り自立した生活を目指す.
RIGARESSE HIROYUKI ARIMA+URBAN FOURTH
Hyogo, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
銀座夏野Rblg 設計 武井誠+鍋島千恵/TNA
施工 藤木工務店所在地 東京都中央区
銀座6丁目にある箸の専門店が自社ビル兼店舗として計画したもの.約53m2の敷地に約5.3×7.1mの平面を7層積層させ,できるだけ細い部材(100mm角の柱に,H-148×100×6×9mmの梁)を使った透明度の高い外装をつくることが試みられている.屋内と半屋外のふたつの階段が二重螺旋となって外周部に回り,さまざまな街との距離感が生み出されている.
GINZA NATSUNO RBLG MAKOTO TAKEI+CHIE NABESHIMA/TNA
Tokyo, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
インマヌエル船橋キリスト教会 コミュニティ・チャペル+バイブル・センター 設計 室伏次郎/スタジオアルテック+ミタリ設計施工 青木工務店
所在地 千葉県船橋市
徒歩圏内に設けられたコミュニティ・チャペルとバイブル・センター.駅前商業地と住宅地というそれぞれの敷地の特徴を活かしながら,街へ開いた空間と静寂とした閉じた空間,人びとが集うための場所とひとりで過ごすための空間がつくられている.
IMMANUEL GENERAL MISSION FUNABASHI CHURCH MUROFUSHI JIROH/STUDIO ARTEC+MITARI ARCHITECTS
Chiba, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
美波町医療保健センター 設計 川口有子+鄭仁愉/カワグチテイ建築計画
施工 東洋建設所在地 徳島県海部郡美波町
徳島県南部の人口約7,000人の町に建つ町営の診療所,保健センターおよび透析クリニックと地域交流空間の複合施設.敷地は太平洋に面しており,南海トラフ地震発生時に津波浸水被害が想定されている.水圧を受け流すように1階はピロティ形式とし,主機能は2階,3階に配置された.
MINAMI MEDICAL HEALTH CENTER KAWAGUCHI TEI ARCHITECTS
Tokushima, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上島町ゆげ海の駅舎 設計 西澤高男/ビルディングランドスケープ+日髙仁/SLOWMEDIA
施工 河上工務店所在地 愛媛県越智郡上島町
瀬戸内海に浮かぶ弓削島に建つ海の駅のための駅舎.2009年より港や生活実態,既存建物の調査などを通して続けられてきた地域資源を活かした観光のあり方を探るワークショップの活動を経て,町内の古民家や公共施設と海とを繋ぐ交流拠点として計画された.建物周囲を勾配1/12のスロープが取り囲み,その高さ変化に対応して梁を架け渡しているため,屋根面はHPシェル形状となっている.
KAMIJIMA-CHO YUGE SEA STATION TAKAO NISHIZAWA/BUILDINGLANDSCAPE+JIN HIDAKA/SLOWMEDIA
Ehime, Japan
2017

撮影: 新建築写真部
Photo: SHINKENCHIKU-SHA
ISUZU PLAZA PLAZA annex 設計 坂倉建築研究所
施工 清水建設(建築) 丹青社(展示)所在地 神奈川県藤沢市
いすゞ自動車の「藤沢工場」に隣接した敷地に建てられた展示施設(ISUZU PLAZA)と宿泊施設(PLAZA annex).2014年に同じ敷地に建てられた「ものづくりサ―ビストレーニングセンター」と併せて,いすゞ自動車のものづくりの伝承と発信の場所となっている.連坦建築物設計制度(建築基準法第86条第2項認定)を活用し,ひとつの敷地の中に3つの施設が建てられている.
ISUZU PLAZA・PLAZA ANNEX SAKAKURA ASSOCIATES ARCHITECTS AND ENGINEERS
Kanagawa, Japan
2017