新建築 2014年12月号 京都国立博物館 平成知新館
Content
岡田新一氏を偲んで=鹿島昭一(鹿島建設取締役相談役)機能主義の幅を広げる=馬場璋造(編集者)
【記事】
金沢21世紀美術館 開館10周年記念特別展「JAPAN ARCHITECTS 1945-2010」,「3.11以後の建築」展レポート=五十嵐太郎
主な収録作品:
京都国立博物館 平成知新館=谷口建築設計研究所東京駅八重洲開発 グランルーフ=東京駅八重洲開発設計共同企業体(日建設計・ジェイアール東日本建築設計事務所),JAHN日本橋再生計画 福徳神社=日本設計,清水建設軒の教会―東八幡キリスト教会―=手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所佐世保港国際ターミナル=NKS アーキテクツKIRARITO GINZA=光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所,浅井謙建築研究所中央線高架下プロジェクト コミュニティステーション東小金井/モビリティステーション東小金井=リライトデベロップメントLe MISTRAL=松島潤平建築設計事務所
特集: 医療・福祉特集2014 地域環境へのレファレンス 【特集記事】
リート導入による医療施設の充実に向けて=武藤正樹地域密着型特別養護老人ホーム クレールエステート悠楽=K2-DESIGN風の街みやびら=宇野享/CAn・大建met八幡厚生病院新本館棟+横須賀市救急医療センター・横須賀市医師会館=富永讓+フォルムシステム設計研究所日本大学病院=伊藤喜三郎建築研究所昭和大学江東豊洲病院=佐藤総合計画総合せき損センター=山下設計大崎市民病院=山下設計,久米設計,戸田建設一級建築士事務所

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
京都国立博物館 平成知新館 設計 谷口建築設計研究所
施工 戸田建設所在地 京都府京都市東山区
1897(明治30)年に創設された京都国立博物館の収蔵品鑑賞施設だった平常展示館(1965年竣工)の建て替え計画.主に平安時代から江戸時代にかけての京都の文化を中心とした文化財を収集・保管・平常展示する.国の予算措置などの都合で建設が延期され,プロポーザルから竣工まで約16年の歳月が経った.建物全体を耐震構造とし,展示室と収蔵庫には文化財保護のため個別に床免震装置を設置した.
THE HEISEI CHISHINKAN WING, KYOTO NATIONAL MUSEUM TANIGUCHI AND ASSOCIATES
Kyoto, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東京駅八重洲口開発 グランルーフ 設計 東京駅八重洲開発設計共同企業体(日建設計・ジェイアール東日本建築設計事務所)デザインアーキテクト JAHN
施工 東京駅八重洲開発中央部他新築共同企業体(鹿島建設 鉄建建設)所在地 東京都千代田区
東京駅八重洲口の駅前再開発プロジェクト.既に稼働している左のグラントウキョウ サウスタワー(本誌0803)と右のグラントウキョウノースタワー(Ⅰ期)(同0803)を繫ぐ歩行者デッキ,鉄道営業施設,店舗などからなる駅施設.全長約240mのデッキを膜構造の大屋根が覆う.大屋根は幅と傾き,先端高さが異なる3次元曲面.膜が,1枚に見えるように支持する梁の下面に吊り下げられた骨組み構造.
GRANROOF NIKKEN SEKKEI / JR EAST DESIGN CORPORATIONdesign architect: JAHN
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
日本橋再生計画 福徳神社 設計 日本設計(基本計画) 清水建設(設計・監理)
施工 清水建設所在地 東京都中央区
貞観年間から1000年以上の歴史がある神社の再生.神社の完成により,日本橋再生計画の一環である日本橋室町東地区(本誌1404)が完成となった.鳥居は三井本館などが面する中央通りのアイストップになる位置に配した.耐火上の規制により木造建築が建てられないため,鉄骨造としながらも伝統木造に見えるよう,伝統的な継手.仕口の木造技術を使って組み上げている.
FUKUTOKU SHRINE NIHON SEKKEI, SHIMIZU CORPORATION
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
佐世保港国際ターミナル 設計 NKSアーキテクツ
施工 とみたメンテ・大誠建設・丸昌産業共同企業体所在地 長崎県佐世保市
韓国・釜山港との定期航路開設や国際旅客船の誘致に向け,佐世保港の既存倉庫を改修してつくられた国際旅客ターミナル.全長100m.開業は2015年4月予定.最高約12mの天井高を持つ既存倉庫のコンバージョンにあたり,既存構造物への荷重を抑えつつ,断熱性能を上げ空調効率の高い環境をつくることが求められた.建物高さ中央に鉄骨で組まれた梁せい約2.7mの「天井グリッド」が挿入することにより,部分的に天井高さを抑えると共に2階床やデッキを生み出した.
SASEBO PORT INTERNATIONAL TERMINAL NKS ARCHITECTS
Nagasaki, Japan
2014

—東八幡キリスト教会―
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
軒の教会
—東八幡キリスト教会― 設計 手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所
施工 東建設所在地 福岡県北九州市八幡東区
北九州市に建つ,25年にわたりホームレス支援を続けている東八幡キリスト教会の創立60周年記念事業による建て替え計画.エントランスからホワイエ,ホール,礼拝堂に繋がる動線を軒下的な空間として扱い,誰でも気軽に入れ,多様な用途に使うことができる場所とした.困窮状態の人たちが寝泊まりできるシェルターも設けた.
CHURCH OF EAVES TEZUKA ARCHITECTS
Fukuoka, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
KIRARITO GINZA デザインアーキテクト 光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所設計 浅井謙建築研究所
施工 鹿島建設所在地 東京都中央区
銀座通りに面して建つ商業施設.通りに面し4階と6階に緑化したテラスを配した.テラスを第2の大地として捉え,地上の銀座通りの賑わいを連続させることを意図した.屏風状のカーテンウォールの角度は銀座通りと中央通りのふたつの都市軸に合わせて設定.ガラス面には霞状のフリットパターンを面ごとに濃度を変えて焼き付けている.
KIRARITO GINZA JUN MITSUI & ASSOCIATES INC ARCHITECTS + ASAI KEN ARCHITECTURAL RESEARCH INC.
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
中央線高架下プロジェクト コミュニティステーション東小金井/モビリティステーション東小金井 設計 リライトデベロップメント
施工 菊池建設所在地 東京都東小金井市
中央線の連続立体交差事業により生まれた高架下空間の活用.高さ約6mの高架下にコンテナモジュールで構成された建築を配置し,商業施設および地域コミュニティの拠点としている.歩道との境に建てられた無垢のスチールフレームファサードがゆるやかな境界をつくり出す.建物の北側に設けられた路地空間は,歩道と店舗の中間領域的な活動の場となる.
UNDER THE CHUO LINE RAILWAY TRACKS – COMMUNITY STATION / MOBILITY STATION REWRITE DEVELOPMENT
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Le MISTRAL 設計 松島潤平建築設計事務所
施工 イノウエインダストリィズ所在地 東京都港区
海外雑貨を取り扱うギフト・ショップ「Le MISTRAL」の店舗内装デザイン.商品陳列のためのガイド・グリッドを室内に張り巡らせて,それをそのまま空間の装飾表現とした.床,什器の輪郭,棚板の小口,テーブルのフレーム,ドア枠に15mm幅の白いラインがグリッド状に通っている.中央のテーブルも,脚(St-□ 14×14mm メラミン焼付塗装仕上)がグリッドが立体的に立ち上がったかのようにしつらえられている.
LE MISTRAL JP ARCHITECTS
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
地域密着型特別養護老人ホーム クレールエステート悠楽 設計 河口佳介+K2-DESIGN
施工 荒木組 中本屋工務店共同企業体所在地 岡山県倉敷市
岡山県倉敷市の地域密着型の養護老人ホーム.田畑に囲まれた約7,300m
2
の豊かな敷地に建つ,鉄筋コンクリート造(一部木造)の平屋建て.東西にのびる長い廊下を軸として,9〜10人を単位とする生活ユニットや食堂が,外部や中庭を囲みながら配置されることで,明るくかつ効率的な動線計画が行われている.
CLAIR ESTATE YURAKU KEISUKE KAWAGUCHI+K2-DESIGN
Okayama, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
風の街みやびら 設計 宇野享/CAn・大建met
施工 戸田建設所在地 広島県庄原市
山に囲まれた敷地に建つ特別養護老人ホーム,ショートステイ,デイサービス(認知症対応含む)の施設.利用者それぞれが自分の住宅で暮らすような生活の場をつくることを目指した.それぞれの個室は,開放的なあだの間と,プライベートを重視した家型の奥の間(合計約12m
2
)で構成されている.
KAZE NO MACHI MIYABIRA SUSUMU UNO / CAn, MET ARCHITECTS
Hiroshima, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
八幡厚生病院新本館棟 設計 富永讓+フォルムシステム設計研究所
施工 奥村組所在地 福岡県北九州市八幡西区
約45,000m
2
の敷地内に建つ既存精神科病院の一部建て替え.環境をよくすることによって治療効率を高めることを目指し,平面を分岐させることで緑や地形に寄り添うように配置した.敷地西側に残された山の緑など,内部まで周辺環境を引き込んでいる.機能ごとに分かれたシンプルな矩形の病棟を角度を付けて接続させることによって棟間に光庭を配置し,街路のような内部空間を生み出している.
YAHATAKOUSEI HOSPITAL NEW MAIN BUILDING YUZURU TOMINAGA + FORM SYSTEM INSTITUTE
Fukuoka, Japan
2014

横須賀市医師会館
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
横須賀市救急医療センター・横須賀市医師会館 設計 富永讓+フォルムシステム設計研究所
施工 鹿島建設所在地 神奈川県横須賀市
東京湾へと続くよこすか海岸通り沿いに移転された救急医療センターと医師会館.複数の機能に合わせて多様なファサードを構成した.敷地西側には救急医療センターのエントランスおよび駐車場,設備棟を配置.医師会の拠点と,医師会が指定管理者として運営する救急医療センターの複合によって,日常的な業務がスムーズになると同時に,災害時には上階の医師会館に災害対策室が設けられ,下階の医療センターを直上からコントロールすることが可能となった.
YOKOSUKA FIRST AID MEDICAL TREATMENT CENTER, AND YOKOSUKA MEDICAL ASSOCIATION YUZURU TOMINAGA + FORM SYSTEM INSTITUTE
Kanagawa, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
日本大学病院 設計 伊藤喜三郎建築研究所
施工 鹿島建設・鉄建建設共同企業体所在地 東京都千代田区
日本大学お茶の水キャンパス総合開発として,今後整備をしていく同キャンパスのリーディングプロジェクト.千代田区の急性期医療を担っている東京都災害拠点病院として区内唯一の救命救急センターを整備した.隣接するお茶の水スクエアA館(設計: 磯崎新,現日本大学お茶の水校舎,本誌8801)に基壇部と高層部の構成を揃えた.
NIHON UNIVERSITY HOSPITAL K.ITO ARCHITECTS & ENGINEERS
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
昭和大学江東豊洲病院 設計 佐藤総合計画
施工 大成建設所在地 東京都江東区
東京湾の一部である江東区豊洲の東電堀に面した敷地に新設された病院.周辺は近年の開発に伴い若年層の人口増加が見込まれる地域のため,小児・周産期医療の整備や,災害時の拠点となることが求められた.クールピットやエコボイドを採用し,環境に配慮した病院となっている.
SHOWA UNIVERSITY KOTO TOYOSU HOSPITAL AXS SATOW
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
総合せき損センター 設計 山下設計
施工 安藤ハザマ所在地 福岡県飯塚市
福岡県飯塚市の山間に建てられた脊椎・脊髄疾患患者のための専門病院.急性期からリハビリテーション,社会復帰までの一連の段階を,敷地全体を療養環境として活用しながらケアすることが求められた.手のひらを広げたような平面計画とし,自然との接点を増幅させた.
SPINAL INJURIES CENTER YAMASHITA SEKKEI
Fukuoka, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
大崎市民病院 基本設計・監理 山下設計 実施設計 久米設計 戸田建設一級建築士事務所
施工 戸田建設 金原土建 古川土地 伸晃電設工業 二瓶電工 北陵建設 アルプスビジネスクリエーション共同企業体所在地 宮城県大崎市
「日本一の自治体病院の実現」を目標に,宮城県北地域で唯一となる救命救急センターの整備をはじめ,地域災害拠点医療,地域がん診療連携拠点医療等のさらなる充実が求められた.全館LED照明の採用や断熱性能の向上等の省エネ性能の向上と合わせて,災害拠点病院としてのモデルづくりをしている.部門連携を高める空間構成,動線計画およびスタッフの働きやすさを重視した計画となっている.
OSAKI CITIZEN HOSPITAL YAMASHITA SEKKEI KUME SEKKEI TODA CORPORATION ARCHITECTURAL DESIGN
Miyagi, Japan
2014