新建築 2014年5月号 上州富岡駅
Content
駅をつくるということ=武井誠
主な収録作品:
上州富岡駅=武井誠+鍋島千恵/TNA東京国際空港(羽田)国際線旅客ターミナル増築=梓・安井・PCPJ 東京国際空港国際線旅客ターミナル設計共同企業体(梓設計 安井建築設計事務所 ペリ クラーク ペリ アーキテクツ ジャパン)ザ・リッツ・カールトン京都=日建設計ウィーン経済経営大学=バスアルヒテクトゥール+阿部仁史アトリエ+ザハ・ハディド アーキテクツ+エストゥディオ カルメン・ピノッシュ+ノマドアルキテクトス+クラブスタジオ敦賀駅交流施設 オルパーク=千葉学建築計画事務所+ジェイアール西日本コンサルタンツ四万十町本庁舎=松田平田設計AU dormitory 1st phase=小林一行+樫村芙実/TERRAIN architects+Plantek ConsultantsMàRoùの杜 長岡造形大学展示館=山下秀之+江尻憲泰牛窓の食堂「いこい処 笑食亭」=原田将史/レインボーアーキテクツ+アイ・デザイン逗子市地域活動センター 小坪大谷戸会館=柳澤潤/コンテンポラリーズ道の駅 なぶら土佐佐賀=小川文象/FUTURE STUDIOONOMICHI U2=谷尻誠・吉田愛/SUPPOSE DESIGN ARCHITECTSサイクルステーションとりで=小川達也+小引寛也/16アーキテクツ+小石川建築/小石川土木+中村実/オリエンタルコンサルタンツ日清食品グループ the WAVE=古谷誠章+NASCA+竹中工務店表参道の立体居=フジワラテッペイアーキテクツラボ躯体の窓=増田信吾+大坪克亘辨天宮の新祠=石黒由紀建築設計事務所

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上州富岡駅 設計 武井誠+鍋島千恵/TNA
施工 佐藤産業所在地 群馬県富岡市
上信電鉄の上州富岡駅は2014年の世界遺産登録を目指している富岡製糸場の最寄り駅として建て替えられた駅舎.今後増加すると予想される観光客と,地域住民の生活交通としての役割を見据え建て替えた.富岡製糸場の木骨煉瓦造を参考に,鉄骨の柱を支えるブレースを挟み込むように煉瓦を積層した.積層した煉瓦は人が周りに集まれるようにベンチや壁となる.
JOSHU TOMIOKA STATION MAKOTO TAKEI + CHIE NABESHIMA / TNA
Gunma, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東京国際空港(羽田)国際線旅客ターミナル増築 設計 梓・安井・PCPJ 東京国際空港国際線旅客ターミナル設計共同企業体(梓設計,安井建築設計事務所,ペリ クラーク ペリ アーキテクツ ジャパン)
施工 大成建設 竹中工務店
所在地 東京都大田区
東京国際空港(本誌1011)の増築.チェックインロビーを2スパン拡張すると共に,その北側に出発・到着コンコースなどを備えたサテライトを増築.固定スポットは8スポット増加し,これにより年間発着枠は6万回から9万回へ(成田国際空港は約27万回,関西国際空港は約16万回),年間旅客数は700万人から1,250万人へと増加する.24時間使用可能なアジアの国際拠点空港としての役割を強化することが目指されている.
TOKYO INTERNATIONAL AIRPORT INTERNATIONAL PASSENGER TERMINAL EXTENSION JOINT VENTURE FOR ARCHITECTURAL DESIGN WORK FOR INTERNATIONAL PASSENGER TERMINAL BUILDING OF TOKYO INTERNATIONAL AIRPORT(AZUSA SEKKEI, YASUI ARCHITECTS & ENGINEERING, PELLI CLARKE PELLI ARCHITECTS JAPAN)
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ザ・リッツ・カールトン京都 設計 日建設計
施工 大林組所在地 京都府京都市中京区
マリオット・インターナショナルの日本で4つ目のホテル.る2007年に京都市が施行した新景観条例により高さの制限が設けられた敷地に建つ.2011年に閉館したホテルフジタ京都(1969年竣工 設計: 吉村順三)を取り壊し建設した.南北方向約122m,軒高は15m.高さ条件の厳しいなか地上部に客室数を134室,地下部にホテルの共用部を配置した.
THE RITZ-CARLTON KYOTO NIKKEN SEKKEI
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ウィーン経済経営大学 設計 マスタープラン,Plot01 バスアルヒテクトゥール Plot02 阿部仁史アトリエ PlotLLC ザハ・ハディド アーキテクツ PlotW1D エストゥディオ カルメン・ピノッシュ PlotW1E ノマドアルキテクトス PlotW2 クラブスタジオ
所在地 オーストリア,ウィーン
ウィーン経済経営大学の移転計画.新キャンパスはウィーン中心部のドナウ川とドナウ運河に挟まれ,プラターの森に隣接して建つ.設計者は国際コンペにより選ばれ,マスタープランと学科棟,ティーチング・センターが入る棟をバスアルヒテクトゥールが,他の5棟は阿部仁史アトリエ,ザハ・ハディド アーキテクツ,エストゥディオ カルメン・ピノッシュ,ノマドアルキテクトス,クラブスタジオが設計を担当.
VIENNA UNIVERSITY OF ECONOMICS AND BUSINESS BUS ARCHITEKTUR, ATELIER HITOSHI ABE, ZAHA HADID ARCHITECTS, ESUTUDIO CARME PINÓS, NO.MAD ARQUITECTOS, CRAB STUDIO
Vienna, Austria
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
敦賀駅交流施設 オルパーク デザイン監修 千葉学建築計画事務所 設計 ジェイアール西日本コンサルタンツ
施工 大鉄工業
所在地 福井県敦賀市
敦賀駅と連動して設けられた交流施設.待合となる休憩所や売店,多目的室などを備える.ガラスカーテンウォールで覆われた中に,1909年頃に建てられた旧駅舎のスケールを踏襲した鉄筋コンクリート造のボックスが納められている.ボックスの外側はスギ材で覆われ,旧駅舎のフレンチウィンドウのスケールを引き継いだ開口が開けられている.
TSURUGA MULTIPURPOSE CENTER ORUPARK CHIBA MANABU ARCHITECTS, JR WEST JAPAN CONSULTANTS COMPANY
Fukui, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
四万十町本庁舎 設計 松田平田設計施工 入交・田邊・郷田特定建設工事共同企業体(西庁舎
)
和・生田・松井特定建設工事共同企業体(東庁舎)田邊建設(自由通路)
所在地 高知県高岡郡四万十町
旧窪川町,旧大正町,旧十和村の町村合併により誕生した新庁舎.窪川駅を挟み,東西に分かれた敷地に建つ.役場機能が入る西庁舎,町民支援機能や議会が入る東庁舎を,線路をまたぐ自由通路が繋ぐ.免震構造とし,木造,鉄筋コンクリート造,鉄骨梁で構成するハイブリッド構造.内外装ともに木造部分はすべて町有林からの四万十ヒノキを使用し,柱は燃え代設計を採用.
SHIMANTO TOWN HALL MHS PLANNERS,ARCHITECTS & ENGINEERS
Kouchi, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
AU dormitory 1st phase 設計 小林一行+樫村芙実/TERRAIN architects
設計協力 Plantek Consultants施工 Aswangah Construction Services所在地 ウガンダ共和国ワキソ県ナンサナ町
ウガンダの首都カンパラ郊外に建つ,世界各国の大学への進学を目指す学生のための教育支援施設(寄宿舎)の1期工事.現地で親を亡くした子どもたちを支援する活動を続けてきたNGO団体,ASHINAGA UGANDAにより建設.地産の焼成煉瓦による壁と,敷地周辺での入手が容易な木材・鉄を用いた屋根により直方体がランダムに並ぶ構成により現地の気候に沿った計画としている.
AU DORMITORY 1ST PHASE IKKO KOBAYASHI+FUMI KASHIMURA / TERRAIN ARCHITECTS, PLANTEK CONSULTANTS
Uganda
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
MàRoùの杜 長岡造形大学展示館 設計 山下秀之+江尻憲泰
施工 大石組所在地 新潟県長岡市
長岡造形大学のキャンパス内に新設された木造2階建ての展示館.医師,画家である故丸山正三氏(1912〜2012年)の絵画約3,000点を展示,収蔵する.施工費は全額寄付金による.積雪2.5m深の耐雪建築のため,入れ子状に挿入した十字形の2階収蔵庫の周囲を構造用合板で覆い,梁としての役割を果たす計画.梁には釘の保持力が高いカナダツガ角柱を採用し,鉄筋コンクリート造に匹敵する耐震性を確保した.
“GALLERY MÀROÙ”, NAGAOKA INSTITUTE OF DESDIGN HIDEYUKI YAMASHITA + NORIHIRO EJIRI
Nagaoka, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
牛窓の食堂「いこい処 笑食亭」 総合監修 ユージー技建デザイン監修 原田将史/レインボーアーキテクツ設計・監理 アイ・デザイン
施工 ユージー技建所在地 岡山県瀬戸内市
岡山市牛窓に本社がある、ユージー技建の社員食堂.少子高齢化が進む地域に対して、周辺住民が集う拠点とできることも目的としている.平日の日中は一般の人たちも食堂を利用でき、イベントなども行われる.ここでは,ボルトとナットを用いた木架構の開発が,施工期間の短縮を実現し,開放的な空間の実現にも繋がっている.
CAFETERIA IN USHIMADO MASAFUMI HARADA/NIJI ARCHITECTS
Okayama, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
逗子市地域活動センター 小坪大谷戸会館 設計 コンテンポラリーズ
施工 湘南営繕協会所在地 神奈川県逗子市
老朽化が著しく,施設の整備が課題となっていた地域活動センター小坪大谷戸会館の建て替え計画.2011年に行われたプロポーザルにてコンテンポラリーズが設計者として選定された.諸室がレイヤー状に配置され,木製建具を開閉することによりフレキシブルに空間を利用することができる.集成梁(55mm×360mm)は,長さ約10.5mスパン910mmピッチで架け渡した.
OYATO COMMUNITY CENTER CONTEMPORARIES
Kanagawa, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
道の駅 なぶら土佐佐賀 設計 小川文象/FUTURE STUDIO
施工 土居建設所在地 高知県幡多郡黒潮町
漁師町である高知県黒潮町に建つ道の駅.高速道路の延伸計画があり,将来インターチェンジができる予定の場所の近くに建ち,街の玄関として観光客や地域住民の拠点の拠点となることを目指した.木造三次元トラスを用いて無柱空間を構築し,フードコートと農林水産直売所というふたつの大きな空間をつくった.
NABURA TOSA SAGA FUTURE STUDIO
Kouchi, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ONOMICHI U2 設計 谷尻誠・吉田愛/SUPPOSE DESIGN OFFICE
施工 大和建設所在地 広島県尾道市
尾道水道に隣接する戦時中に建てられた海運倉庫「県営上屋(うわや)2号」を,サイクリストのためのホテルを中心とした複合施設へとコンバージョンするプロジェクト.県による事業プロポーザルの結果,SUPPOSE DESIGN OFFICE(設計)とディスカバーリンクせとうち(企画運営)のチームが選ばれた.地元の食材や生産品を取り入れたショップやカフェなどが約5mスパンの柱の間に軽量鉄骨で設えられる.
ONOMICHI U2 MAKOTO TANIJIRI ・ AI YOSHIDA / SUPPOSE DESIGN OFFICE
Hiroshima, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
サイクルステーションとりで 設計 小川達也+小引寛也/16アーキテクツ+小石川建築/小石川土木 中村実/オリエンタルコンサルタンツ
施工 淺沼・赤塚特定建設工事共同企業体所在地 茨城県取手市
取手駅の駅前に新設された,約950台が納まる自転車駐輪場.利根川サイクリングロードなどがある取手市は,全国に30ある自転車施策先進都市に選定されており,自転車の活用を積極的に進めている.その一環として,3カ所に分散していた駐輪場を集約し,駅と直結する利便性の高い駐輪施設を整備した.
CYCLE STATION TORIDE 16 ARCHITECTS + KOISHIKAWA ARCHITECTS + ORIENTAL CONSULTANTS
Ibaraki, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
日清食品グループ the WAVE デザイン監修 古谷誠章+NASCA 設計施工 竹中工務店
所在地 東京都八王子市
日本各地に分散する日清食品グループの研究開発機能を統合,東京都八王子に新しく研究所を建設.ルーロー三角形をベースにした曲線状の外形と,周辺の自然を写し込む鏡面大型横ルーバーによる外装を持つ.内部は,一定の環境が確保された「コアエリア」と,コアエリアを外壁から離して配置することで両者の間に生まれる「インターフェースエリア」の2種類の空間を持つ.これらの空間は集中と開放のモード変換を促し,研究者の感覚を刺激する建築となる.
NISSIN FOODS GROUP THE WAVE FURUYA NOBUAKI+NASCA, TAKENAKA CORPORATION
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
表参道の立体居 設計 フジワラテッペイアーキテクツラボ
施工 工藤工務店所在地 東京都渋谷区
表参道裏手に建つ多用途建築.下層は主に事務所や店舗・ギャラリーとしての使用が想定され,上層は住居としての使用も想定されている.各階に外部階段やテラスといった異なる外部空間を設けた.各階に通された壁柱(右手)がワンルームに中間的な領域を生み出す.外断熱工法を採用.
OMOTESANDO BUILDING FUJIWALABO
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
躯体の窓 設計 増田信吾+大坪克亘
施工 分離発注所在地 千葉県船橋市
鉄筋コンクリート造2階建てのアパートをハウススタジオ兼週末住宅へとコンバージョンするプロジェクト.室内と庭との境界面をデザインするために,既存の窓を取り払い,壁から約200mm離れた位置に建物全体を覆うスチールサッシを設えた.劣化した外壁塗装は除去.南側壁面は叩いてはがすことによって小叩き仕上げのような風合いとした.
BOUNDARY WINDOW SHINGO MASUDA+KATSUHISA OTSUBO
Chiba, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
辨天宮の新祠 設計 石黒由紀建築設計事務所
施工 社寺建(本体) 門馬工業所(基礎)所在地 東京都練馬区
住宅地の中にある辨天宮の境内に建つ先代の宮司とご先祖様をお祀りするための小さな祠である.奥宮とあわせて,神明造りを基本とし,屋根は銅板葺き本体は白木が使われている.参拝時に祠に対峙すると,中に入れなくても,内と外によってつくられる場が感じられ,建築の概念を超えた,人と祠の一体感が生み出されている.
NEW SMALL SHRINE IN BENTEN-GU YUKI ISHIGURO ARCHITECTS
Tokyo, Japan
2012