新建築 2009年2月号 KEYAKI GARDEN
Content
KEYAKI GARDEN=
堀部安嗣
KAGA RESIDENCE=KAJIMA DESIGN
横河健 山下保博 駒田剛司
+
駒田由香 馬場正尊 谷内田章夫 吉良森子 田井幹夫 古谷誠章 菊地宏
松田平田設計本社リノベーション 中央工学校RISE他 フランス大使公邸改修 相模女子大マーガレット本館他 沖縄小児保健センター
撮影: 新建築社写真部

松田平田設計本社ビル リノベーション|松田平田設計中央工学校 RISE・17号館|白井克典設計事務所フランス大使公邸 改修|みかんぐみ・竹中工務店相模女子大学マーガレット本館・体育館|日本設計沖縄小児保健センター|フナキサチコケンチクセッケイジムショ・細矢仁建築設計事務所 設計共同体
●集合住宅特集──空間と場所の享受
KEYAKI GARDEN|堀部安嗣建築設計事務所studio 281|八木正嗣+八木このみ/八木建築研究所KAGA RESIDENCE|KAJIMA DESIGN集合住宅・田園調布TT|横河健+国枝東史生/横河設計工房SLIDE西荻|駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所清水知和 松岡聡田村裕希 中央アーキ綾瀬の集合住宅|駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所Twin-Bricks|山下保博/アトリエ・天工人房総の馬場家と連棟|Open A西国分寺の集合住宅 マージュ西国分寺|谷内田章夫/ワークショップキャトル柿の木坂|moriko kira architect(設計) アトリエ・イマム(設計協力)KEELS 四谷の塔状住居群|アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所神宮前メグビル|古谷誠章+NASCA浜田山の集合住宅改修|菊地宏建築設計事務所●ESSAY|鼓動するランドマーク建築|菊竹清訓/横浜市庁舎と開港150周年|浜野四郎/停止する思考 さよなら,「かわいい」|祖父江慎●NEWS| 浅草文化観光センターの設計者に隈研吾氏/阿部仁史氏がウィーンの大学の国際コンペで入賞/広島の橋梁国際コンペ開催/「モード学園コクーンタワー」がエンポリス・スカイスクレーパー賞受賞/パリの装飾美術館にて「感性-日本のデザイン展」開催/阿部仁史氏がSIA-Getz建築賞受賞/歴史まちづくり法による市町村の認定始まる/故・丹下健三氏の書簡が発見される/茂木計一郎氏逝去 他●COLUMN|建築家が地域でできること──JIA文京地域会『文京グリーンマップ』出版を通して|栗生明/「土嚢建築」による未来への展開──東アフリカ・エコビレッジプロジェクト|渡辺菊眞●EXHIBITION|建築写真が持つ力──夢の美術館 日本名建築写真展|山代悟/新鬼流八道の建築 六角鬼丈展/片山和俊建築展 まちみちすまい/建築の際 第2回「アジアの際」|隈研吾×藤森照信×姜尚中
●INTERVIEW|改修して使い続けること|中園正樹
●連載|何が変わった? 建築士法 第2回 構造設計一級建築士と設備設計一級建築士|山本想太郎/Projets Urbains Français──フランスの現代都市デザインを巡る 第4回 デファンスからオフェンスへ|赤堀忍+鳥海基樹●BOOKS|『NHK夢の美術館 世界の名建築100選』 書評|五十嵐太郎/『Nurturing Dreams: Collected Essays on Architecture and the City』書評|ナオミ・ポロック●2009年度財団法人吉岡文庫育英会奨学生募集要項●第2回長谷工 住まいのデザイン コンペティション結果発表●第22回建築環境デザインコンペティション入賞発表●月評|植田実 青木茂 北典夫 中村拓志
作品

松田平田設計本社ビル リノベーション 設計 松田平田設計
施工 清水建設所在地 東京都港区
3棟のビルから構成された既存本社ビルのリノベーション.耐震補強の上,インテリアを改修している.階高2,900mmという低さながら,減築で生まれた3層吹き抜けのコミュニケーションボイドを活動の中心とし,居心地のよいスケール感を持った所員同士のコミュニケーションを誘発するオフィスとしている.緑化,輻射冷暖房,自然換気など,既存の空間を生かしたさまざまな工夫が集約されている.
MHS HEAD OFFICE RENOVATION MHS PLANNERS, ARCHITECTS & ENGINEERS Minato-ku, Tokyo, Japan 2006

中央工学校 RISE・17号館 設計 白井克典設計事務所
施工 岩本組所在地 東京都北区
中央工学校100周年を記念し,林雅子氏設計の「STEP 中央工学校創立85周年記念館」(本誌9503)に隣接して建てられた「RISE」と「17号館」.共に鉄筋コンクリート厚肉床壁造.「RISE」は,2枚の壁が大屋根を支える.白井克典氏は設計者として「STEP」にも関わっており,3つの建物がつくる中庭が,斜面に点在する中央工学校の諸施設を繋げる.
CHUO COLLEGE OF TECHNOLOGY RISE・THE 17TH BUILDING KATSUNORI SHIRAI ARCHITECTS Kita-ku, Tokyo, Japan 2008

フランス大使公邸 改修 改修設計 みかんぐみ・竹中工務店
施工 竹中工務店所在地 東京都港区
1957年に建てられた在日本フランス大使公邸の改修.迎賓のための1階サロンの壁と天井は,モアビ材と既存の鉄筋コンクリート・ラーメン構造のフレームで構成.テーブルやソファなどもオリジナルにデザインされた.2階のゲストルームは和をイメージし,石や珪藻土といった自然素材を多用.
FRENCH EMBASSY RESIDENCE RENEWAL PROJECT MIKAN TAKENAKA CORPORATION Minato-ku, Tokyo, Japan 2008

相模女子大学マーガレット本館・体育館
設計 日本設計施工 清水建設所在地 神奈川県相模原市
マーガレット本館は,相模女子大学の事務部門,新設学部,大学院のための建物.ロの字型平面の低層棟と,細長い平面の高層棟からなり,低層棟の屋上は緑化されている.プレキャストコンクリートとハーフPCa合成床板を用い高層棟のスパンを飛ばし,周囲の緑との関係を重視した透明感のあるコンクリートの建築としている.体育館は,箱状のボリュームに,妻側がコンクリート,平側が鏡面ステンレ ス立てハゼ葺きの外装.
SAGAMI WOMEN’S UNIVERSITY MARGUERITE-HONKAN・GYMNASIUM NIHON SEKKEI Sagamihara, Kanagawa pref., Japan 2007

沖縄小児保健センター 設計 フナキサチコケンチクセッケイジムショ・細矢仁建築設計事務所 設計共同体
施工 東恩納組所在地 沖縄県島尻郡南風原町
「沖縄方式」と呼ばれる乳幼児集団健診システムを運営する沖縄県小児保健協会のセンター.沖縄の風土や施工性から,外壁と深い庇(最大で4,800mm張り出している)はすべて鉄筋コンクリート造.2階は曲面壁によってゆるやかに機能が分けられており,3階には風の抜ける大きな半外部空間がある.
OKINAWA SHOUNI HOKEN CENTER SACHIKO FUNAKI & ASSOCIATES・JIN HOSOYA & ASSOCIATES Shimajiri, Okinawa pref., Japan 2008

KEYAKI GARDEN 設計 堀部安嗣建築設計事務所
施工 奥村組所在地 東京都世田谷区
「玉川田園調布共同住宅」(本誌0402)の並び,故・宮脇檀設計の「VAN FAN」の跡地に建つ共同住宅.1階に4つの店舗,2〜3階に6戸の賃貸住宅.都市計画道路に指定されている前面道路からセットバックし,植栽が植えられている.ケヤキは,地元のNPOにより既存のものが移植された.
KEYAKI GARDEN YASUSHI HORIBE ARCHITECT & ASSOCIATES Setagaya-ku, Tokyo, Japan 2008

studio 281 設計 八木正嗣+八木このみ/八木建築研究所
施工 奥村組
「KEYAKI GARDEN」の2階南側,住居Aにつくられた料理スタジオ.可動のカウンターによって多様な使い方が可能.床は「VAN FAN」がアンティークショップだった時代に張られた床の古材(パイン)を再利用している.
studio 281 Yagi Architectural Design Setagaya-ku, Tokyo, Japan 2008

KAGA RESIDENCE 設計 KAJIMA DESIGN
施工 鹿島建設所在地 東京都板橋区
住戸内に柱梁型の出ない壁式免震構造(HIスマートウォール)による地上14階建て,合計246戸の分譲集合住宅.ほぼ三角形の敷地に建物がY字状に配置され,周囲に緑地広場がつくられるなど周辺環境にも配慮した計画.
KAGA RESIDENCE KAJIMA DESIGN Itabashi-ku, Tokyo, Japan 2008

集合住宅・田園調布TT 設計 横河健+国枝東史生/横河設計工房
施工 北野建設所在地 東京都大田区
田園調布に建てられた賃貸住宅.敷地は西と東で大きくふたつのボリュームに分けられている.建築は6mキューブをモデュールとし,前面道路から45度振って配置.躯体間は4mをモデュールとするバッファー(中庭)として,田園調布の良質な住環境に貢献する.
MULTI-UNITS RESIDENCE DENENCHOFU TT KEN YOKOGAWA ARCHITECT & ASSOCIATES Ota-ku, Tokyo, Japan 2008

SLIDE西荻 設計 駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所 清水知和 松岡聡田村裕希 中央アーキ
施工 丸二所在地 東京都杉並区
全9戸のコーポラティブ長屋.鉄筋コンクリートのスケルトンが地下2階から屋上まで,中庭を取り囲みながら階段状に繋がっている.住戸のインフィルは,清水知和,松岡聡田村裕希,駒田建築設計事務所の3組が設計を担当し,それぞれプランやデザインが違っている.
SLIDE NISHIOGI KOMADA TAKESHI + KOMADA YUKA / KOMADA ARCHITECTS’ OFFICE, TOMOKAZU SHIMIZU,MATSUOKASATOSHITAMRUAYUKI, CHUOARCHI Suginami-ku, Tokyo, Japan 2008

綾瀬の集合住宅
設計 駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所施工 赤羽建設所在地 東京都葛飾区
1〜3階に11戸の賃貸住宅,4・5階にオーナーの住宅がある.交差する鉄筋コンクリート造の門型フレームによって,住戸の内部がいくつかの領域に分けられており,入居者が家具を配置したり,自由にアレンジして使うためのガイドとなる.
CREARE KOMADA TAKESHI + KOMADA YUKA / KOMADA ARCHITECTS’ OFFICE Katsushika-ku, Tokyo, Japan 2008

Twin-Bricks 設計 山下保博/アトリエ・天工人 施工 ホームビルダー所在地 埼玉県さいたま市浦和区
ガラスブロック+ALCによる鉄骨造の棟と,鉄筋コンクリート造の棟の2棟による構成.オーナーの住宅と賃貸住宅が組み合わされている.ガラスブロックの構造壁は,「
クリスタル・ブリック
」(本誌0409),「
白いてんとう虫
」(『新建築住宅特集』0808)でも展開されている.
TWIN-BRICKS ATELIER TEKUTO Urawa-ku, Saitama, 2008

房総の馬場家と連棟 設計 Open A
施工 渡邉建設所在地 千葉県長生郡一宮町
千葉県外房の九十九里海岸から500mほどの場所に建てられた住宅群.当初からマスタープランとしてすべてが計画されていたのではなく,馬場家のみが建つ予定だったが,さまざまな偶然から7棟がひとつの群れをつくることになった.都心と郊外のセカンドハウスを所有することによる多拠点居住の実践.
BABA HOUSE & 6 HOUSES Open A Ichinomia, Chiba pref., Japan 2008

西国分寺の集合住宅 マージュ西国分寺
設計 谷内田章夫/ワークショップ 施工 丸善建設工業 所在地 東京都国分寺市
賃貸集合住宅,SOHO,カフェが一体となった建築.キッチンと洗濯機が置かれたコモンダイニングが設けられており,住人同士で共有する.集合住宅の住戸内には洗濯機置場がなく,入居者はコモンダイニングのランドリーを利用.共有部の使い方のルールなど,入居者が自分たちで話し合って決めている.
NISHIKOKUBUNJI APARTMENT AKIO YACHIDA WORKSHOP Kokubunji, Tokyo, Japan 2008

キャトル柿の木坂 設計 moriko kira architect
設計協力 アトリエ・イマム施工 大明建設所在地 東京都目黒区
長年地元で菓子店を営むオーナー店舗の上に,路地によって5つのボリュームに分節された9戸の賃貸住戸が乗る.住戸はすべて2階の路地から入り,路地に面して大きな開口が取られている.構造は,1階が鉄筋コンクリート造,2・3階が鉄骨造となっており,住棟の上部を水平材で繋ぎ一体の構造としている.
QUATRE KAKINOKIZAKA
MORIKO KIRA ARCHITECT ATELIER IMAMU Meguro-ku, Tokyo, Japan 2008

KEELS 四谷の塔状住居群 設計 アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所
施工 アサヒ所在地 東京都新宿区
全9戸のコーポラティブハウス.外壁の木張りの部分は「KEEL」(キール)と呼ばれ,縦動線,設備シャフト,換気塔,そして鉛直力を負担する構造として塔状に各住戸を貫く.主な住戸は2〜4層構成で,その平面は「KEEL」を中心に展開し東西南北に開口を持つ.
KEELS ARCHITECT CAFE Shinjuku-ku, Tokyo, Japan 2008

神宮前メグビル 設計 古谷誠章+NASCA
施工 清水建設所在地 東京都渋谷区
1店舗とSOHO的な2住居が入った鉄筋コンクリート造の小さなビル.前面道路は計画道路となっており,1・2階の一部は鉄骨造.側面壁は型枠兼用外断熱パネル(GSパネル)が用いられ,施工の手間とスペースを省きながら,温熱環境の性能が確保された.
JINGUMAE MEG BUILDING NOBUAKI FURUYA + NASCA Shibuya-ku, Tokyo, Japan 2008

浜田山の集合住宅改修 設計 菊地宏建築設計事務所
施工 佐藤建業所在地 東京都杉並区
築30年ほどの集合住宅の改修.外部空間だったエントランスはガラスの壁によって内部化.道路に直結していたアプローチは脇から回り込むように付け替えている.共用廊下は夕空に溶け込むように紺色に塗り替えている.住戸内は二間続きから大きなワンルームに改修.収納扉の色は近くを通る井の頭線のボディカラーとしている.
RENEWAL OF HAMADAYAMA COLLECTIVE HOUSING HIROSHI KIKUCHI ARCHITECTS Suginai-ku, Tokyo, Japan 2009