住宅特集 2018年10月号 街の家
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[若手建築家の実践──30代建築家が考える暮らしと建築 作品17題]Eagle Woods House=稲垣淳哉+佐野哲史+永井拓生+堀英祐/東貝塚の納屋=彌田徹+辻琢磨+橋本健史特集論考1: 建築の成り立ち、構造と歴史の補助線=橋本健史/西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー=能作文徳+常山未央/特集論考2: 壊すことで繋ぐ都市の生態系=能作文徳 常山未央/つなぎの小屋=増田信吾+大坪克亘/街の家=増田信吾+大坪克亘/酒井邸=渡邊大志/恵比寿の家=山路哲生+釜萢誠司/上池台の住宅=千葉元生+山道拓人+西川日満里/尾道の家=大石雅之/野原の家=米田雅樹/平和の家=下川徹/二連旗竿地の家=金野千恵+アリソン理恵/加納馬場の家=小林アツシ/ハウス・カメオ=千田友己+千田藍/那須の長屋=針谷將史/蝶番の家=立花美緒/海の家、庭の家、太陽の塔=米澤隆
街の家
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Eagle Woods House 設計 Eureka 施工 榊住建
所在地 埼玉県杉戸町
古利根川の土砂が堆積し形成された森に建ち、森の斜面に沿ってかけた大きな切妻屋根の下に、環境や機能に呼応したボリュームをそれぞれ配置。中央にルーフテラスを設け、生い茂る藪によって長年暗く閉ざされていた森に光を導き、新しい生活の場を構築した住宅。
Saitama, Japan
2017

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東貝塚の納屋 設計 403architecture [dajiba]
施工 門西建築所在地 静岡県磐田市
築40年の鉄骨造の2階建てで、300坪ほどの敷地の東側にあり、1階はガレージや倉庫、2階は簡易な住居スペースとして利用されていた建物の改修。菱形金網フェンスはアルミ合金線でガラスは強化ガラス。基礎は一部新規打設した。
Shizuoka, Japan
2017 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー 設計 能作文徳+常山未央
施工 自主施工部分 team nishiooi所在地 東京都品川区
バブル期に建てられた鉄骨造4階建ての住宅を改修しながら住む、建築家の自邸。階段に隣接した1スパンに開けた孔を介して、1階から4階まで光や風が通り、気配が伝わる。階段と孔が連動し、上下運動しながら景色がダイナミックに変わる。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
つなぎの小屋 設計 増田信吾+大坪克亘
施工 十兵衛工務店所在地 神奈川県横浜市
植木屋の事務所や温室や住居が集まる敷地にそれらを繋ぐように建つ小屋。トラックが出入りする道の両脇には植木が置かれ、右側に温室、奥の北側に建主の住居が配置されている間に小屋が建つ。
Tokyo, Japan
2018

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
街の家 設計 増田信吾+大坪克亘 施工 ダブルボックス
所在地 東京都
バスが通る商店街に面した、間口約3m、奥行き15mの敷地に建つ。周辺の建物から半階分ずれて、2層からなる木造の家が地面から鉄骨で約4.5mもち上げられている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
酒井邸 設計 渡邊大志研究室 施工 栄伸建設所在地 東京都武蔵野市
都心の住宅地の角地に建つ。前面道路に平行に配置したパブリックな機能を収めた1階ヴォリュームに対し、2階は45度振って設置。地階はスカッシュコートとして利用できるように約12×7mの平面に約6mの階高のヴォリュームを取っている。
Sakai House Taishi Watanabe Laboratory
Tokyo, Japan
2017 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
恵比寿の家 設計 山路哲生建築設計事務所 +釜萢誠司建築設計事務所
施工 巧匠建設所在地 東京都渋谷区
低層密集住宅地の南北に傾斜がある角地に建ち、1.7×2.2mの構造体の間隔に立体的に床を配置することで居住空間をつくり出した住宅。
Tokyo, Japan
2018 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上池台の住宅 設計 ツバメアーキテクツ
施工 山菱工務店
所在地 東京都大田区ミニ開発が進む住宅地の、小さな敷地に建つ住宅。2×3スパンの軸組を延長してつくられたバルコニーや玄関ポーチの手摺りには、ベンチや植栽架けなどが木製で付加されている。西面の連窓からは遠くまで視線が抜ける道、北面からは空、東面からは隣地の植栽と、各方向異なる距離感でそれぞれの景色が広がる。
Tokyo, Japan
2018 MAP

撮影/新建築社写真部、加納千尋
photo: SHINKENCHIKU-SHA
尾道の家 設計 大石雅之建築設計事務所
施工 関西住建所在地 広島県尾道市
動物病院併設の住宅。北側は120×210mm角の通し柱を外観に現し、開口部は既製品の引違い窓と動物用の小さなFIX窓をひとつの単位で扱っている。西側には2層の高さをもつポーチを設え、近隣と距離を取り動物のリハビリや子供の遊び場として活用される。
Hiroshima, Japan
2018MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
野原の家 設計 米田雅樹/ヨネダ設計舎 施工 ヨネダ設計舎
所在地 三重県亀山市
農村地域に建つ。周囲の農具小屋や家屋に馴染む小屋型として、内部は多様な高さに床レベルを設置し緩やかに空間を繋ぐ。高さの異なる柱やサッシの方立てを造作した東屋の柱や木立と連続させて、自然を身近に引き寄せている。

撮影: 鈴木研一
平和の家 設計 下川徹
施工 原口建設所在地 福岡県福岡市
福岡市の高台に建つ。抜けのよい東の景色に対して大きく開き、床はレベル差をつけて機能を繋ぎ、仕上げを替えている。天井はすべての居室を赤ラワンベニヤの格天井とし、見切りにピーラーを用いて柱と連続させている。
Fukuoka, Japan
2018

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
二連旗竿地の家 設計 teco
施工 工藤工務店所在地 東京都三鷹市
南側に2連の旗竿地の竿の部分が連なる敷地。南側には将来的にも建物が隣接することはないことを見越して、南側に確保された空地に向けて大きく開くバタフライ屋根下の南室を、北側に切妻屋根の北室を配置。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
加納馬場の家 設計 小林アツシ/スミレ設計室
施工 井上工務店
所在地 愛知県一宮市
駐車場でありアクティビティの場を兼ねた6m角の平面に約4mの高さをもつピロティの隣に、6m角の平面に高さを約2mに抑えた1階居室を設置。ピロティ上部には高さ約2mの居室を、1階居室の上部には約4mの居室を載せ、ふたつの平面の上下を互い違いとしている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ハウス・カメオ 設計 千田建築設計
施工 末吉林業所在地 千葉県柏市
4人家族のほかにリクガメやヘビ、カエルなどの爬虫類、昆虫、猫など多種多様な生き物が共存する家。農村と住宅地の境界に位置するような敷地。曲り家の形式を参照し、ふたつの矩形がずれて重なった「くびれた形状の箱」に螺旋状の屋根が架かる。南に面してくびれた部分が陽当たりのよい亀の庭となっている。
House Cameo Chida Architecture Office
Chiba, Japan
2018 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
那須の長屋 設計 針谷將史建築設計事務所 施工
所在地 栃木県那須塩原市
農家の広い敷地に建つ、4世代7人のための住まい。東西で分かれた2世帯の住居の上に、薄くて大きな1枚の屋根が2棟をまたいで架かる。大きな屋根が住宅のスケールを少し越えて、暮らしの領域を広げる空間をつくる。大屋根は登り梁に継手の無い10mの製材を用いることで部材断面が小さく抑えられ、薄い屋根が実現している。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
蝶番の家 設計 立花美緒設計事務所
施工 青所在地 東京都武蔵野市
高齢化の進む住宅地に建つ住宅で、家を塀で囲み閉じるのではなく、隣人と気配を感じ合うおおらかな空間が望まれた。2本の登り梁を蝶番で接合し、架構が連続したホールのような空間をつくっている。
Tokyo, Japan
2017 MAP

撮影: 繁田諭写真事務所 繁田諭
海の家、庭の家、太陽の塔 設計 米澤隆建築設計事務所 施工 サイトウホーム
所在地 愛知県知多市
海沿いの3方を道路に囲まれた敷地に建ち、海に沿うことと住宅街に沿うこと、周辺のコンテクストを顕在化することを考えて複数のかたちを与え、それらをオーバーラップさせた佇まいとした住宅。
Aichi, Japan
2018MAP