住宅特集 2016年11月号 西宮の場合
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【特集】家をつくる素材──マテリアリティをめぐる挑戦巻頭論文「もの」と人の連関を再縫合する建築へ 能作文徳【特集作品19題】高岡のゲストハウス=能作文徳 能作淳平 北京茶室=隈研吾 特集論考1: 住宅とマテリアル 隈研吾 立山の家=原田真宏+原田麻魚 千葉・版築のいえ=薩田英男 西宮の場合=西澤徹夫+酒井真樹+安藤僚子(協力: デザインムジカ) 特集論考2: モノのコト性とそのレイアウト 西澤徹夫 Triton=松島潤平 樹林の家=本多友常 広島の家=谷尻誠 中浦和の住宅=井上洋介 sabi=土田拓也 桑名の家=宇野友明 東谷の家=宇野友明 House B=篠崎弘之 福岡筑前町の家=中原祐二【小特集】建築家のセルフビルド記事: 藤森照信式 自らの手でつくる建築の記録 藤森照信 蟻鱒鳶ル=岡啓輔+名和研二 落日荘=岩崎駿介+岩崎美佐子 記事: ドサ回り旅芸人スタイル フィールドに乗り込み、そこにあるものと人と技を用いてつくること 家成俊勝+赤代武志+土井亘+寺田英史 TATENOCHO STYLE-Ⅱ=酒向昇+酒向幸子
西宮の場合
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 鈴木淳平
photo: JUNPE SUZUKI
高岡のゲストハウス 設計 能作建築設計事務所 施工 モノ・スペース・デザイン(第1期 第2期)
オーデック(第3期)
所在地 富山県高岡市
住宅地に建つ既存家屋を改修し、小屋組を移設した住宅。設計者の祖母がひとりで暮らす住まいで、かつては3世代が住んでいた。祖母の生活を見守りながら家族で集まれる場所とするため、既存家屋の屋根を基本単位とし、それらを減築、解体、移設することで食堂、祖母の座敷、ゲストルームの3棟を分散配置している。
Toyama, Japan
2016MAP

撮影: ナカサアンドパートナーズ 藤井浩司
photo: Nacasa & Partners Koji Fujii
北京茶室 設計 隈研吾建築都市設計事務所 施工 北京九九東方吉品家居装飾有限公司
所在地 中華人民共和国 北京市
北京の中心部、故宮の東門の目の前に建つ伝統的四合院スタイルの建築を、ポリエチレン製の中空のブロックを用いて再生したプロジェクト。表通りに面した母屋は、既存の躯体の上にポリエチレンブロックのファサードを着せるように構成し、中庭を挟んだ離れはポリエチレンブロックのみで壁・梁・天井を構成し、それ自体が構造体となっている。
Beijing, China
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
立山の家 設計 原田真宏+原田麻魚/MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
施工 辻建設
所在地 富山県滑川市
立山連峰を望む敷地に建つ。離散的に配された鉄筋コンクリート壁造の空間の上に、大断面集成材による大きな木質架構のを載せている。梁成は2,100mm、梁幅は210mm。接合部には新たに開発された金物を使用している。
Toyama, Japan
2016MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
千葉・版築のいえ 設計 薩田英男/薩田建築スタジオ 施工 CM方式による分離発注
所在地 千葉県市原市
住民直轄型のコミュニティを目指す山村型住宅開発「土太郎村」内に建つ。この土地の土や竹からつくられた版築壁と練塀壁の2種類の土壁が内外に貫通する。大黒柱から大梁を放射状に架け、多面体の屋根と上部の壁で構造を固めることで、閉鎖的になりがちな土壁による建築に開放的な空間をつくり出した。
Chiba, Japan
2016MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
西宮の場合 設計 西澤徹夫建築事務所+酒井真樹 +安藤僚子(協力: デザインムジカ) 施工 越智工務店
所在地 兵庫県西宮市
兵庫県西宮市の住宅地に建つ4人家族と2匹の飼い犬のための住宅。敷地は急な坂の頂上にあり、そこに坂道が分岐したようなスロープが住宅に取り付く。敷地南側は緑豊かな崖地で、住宅はこの森を囲むように「く」の字に折れたプラン。
Hyogo, Japan
2016MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Triton 設計 松島潤平建築設計事務所 施工 コハツ
所在地 大阪府豊中市
溜池と桜並木に隣接した敷地に建つ住宅。1mm厚の天然石パネルと同面にリシンを吹付けて両者をグラデーショナルに切り替えている。薄い石だから可能な異素材の混合、曲面貼り、ランダムな割付など、今までにない組み合わせや使い方によって、素材に対する既成のイメージを刷新している。
Osaka, Japan
2015MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
樹林の家 設計 本多環境・建築設計事務所/本多友常
施工 来田材木店所在地 兵庫県淡路市
淡路島の北東、大阪湾を一望する急傾斜地に建つ夫婦2人のための住宅。崖地の等高線に沿うように東西に長細い平屋で、鉄骨柱により建物が地面からもち上げられている。杭で建物をもち上げることで急傾斜において居住性を確保しているほか、景観の保全にも貢献している。
Hyogo, Japan
2015 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
広島の家 設計 SUPPOSE DESIGN OFFICE/谷尻誠
施工 プロシード所在地 広島県広島市
広島市の中心部に建つ築43年のマンション1室をリノベーションした設計者の自邸。和室1室を除いてすべての建具を取り除き、大きなワンルームとしている。床やキッチン、建具などは鉄を用いており、ひとつの素材でさまざまな材料として使用している。
Hiroshima, Japan
2015 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
中浦和の住宅
設計 井上洋介建築研究所
施工 アイエスエー企画建設所在地 埼玉県さいたま市
コンクリートと木という限定されたふたつの素材で構成され、それら構造材がそのまま空間に現れた住宅。細長い敷地に対して平行にコンクリートの壁を並べ、壁に対して直交方向に2×12材の木梁を架ける。
Saitama, Japan
2014 MAP

撮影: 鳥村鋼一
photo: Kouichi Torimura
sabi 設計 no.555一級建築士事務所
施工 片岡建設所在地 千葉県茂原市
九十九里海岸に近い潮風を受けた赤錆色の建物が続く商店街に繋がる旗竿敷地に建つ。外壁仕上げは塩害に強いコールテン鋼の下見張り。エントランスからコートヤードを介して室内に入る。
Chiba, Japan
2013MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
桑名の家 設計 宇野友明建築事務所
施工 宇野友明建築事務所所在地 三重県桑名市
田畑と住宅の入り混じる郊外住宅地に建つ。クリ材を用いることを前提として原木から製材し、その最大寸法から家の垂木の長さや屋根勾配、家の大きさを決定している。外壁は土壁の中塗り仕上げ。
Mie, Japan
2016MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東谷の家
設計 宇野友明建築事務所
施工 宇野友明建築事務所所在地 愛知県名古屋市
郊外の新興住宅地に建つ。4間4方の平面に対し14寸勾配の屋根を架けている。外周壁面は二重の板倉構法で、仕上げと構造を同時に兼ねる。開口部は最小限に抑え、トップライトが主な採光と通風、換気の役割を担う。
Aichi, Japan
2015MAP

撮影: 中村絵
photo: KAI NAKAMURA
House B 設計 篠崎弘之建築設計事務所
施工 栗田工務店所在地 新潟県新潟市
新潟市の住宅地に建つ3階建ての住宅。コンクリートブロックを積層し、その上に鉄筋コンクリートの臥梁を架ける鉄筋コンクリート組積造で、上階にいくにしたがって張り出した構成。ひとつのコンクリートブロックの大きさは400×200×200mm。
Niigata, Japan
2015MAP

撮影: 小川重雄
photo: Shigeo Ogawa
福岡筑前町の家 設計 中原祐二建築設計事務所
施工 小嶋建設所在地 福岡県朝倉郡筑前町
交通量の多い国道沿いに面した間口24m、奥行き45mの細長い敷地に建つ。アプローチの床、壁はピンコロ石で連続させランドスケープに溶け込む。多様なスケールの建物のヴォリュームは打放しコンクリート、アルミパネル貼りなど異なる素材の組み合わせで構成される。
Fukuoka, Japan
2015MAP

撮影 Dana Buntrock
記事: 藤森照信式 自らの手でつくる建築の記録
藤森照信氏が自らの手で建築をつくるようになった経緯、そこでの実践でのエピソードを浜松の「はま松ハウス」、オーストリアの「ストークハウス」のふたつの事例を挙げて紹介していただきます。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
蟻鱒鳶ル
設計 岡啓輔+名和研二
施工 RC作製所 岡土建岡啓輔と友人たち所在地 東京都港区
高層ビルや公共建築の建ち並ぶ都心にて施工中。平らな土地を購入し、設計者であり施工者でもある岡氏が2005年に穴を掘るところから始めて、現在地下1階、地上3階までコンクリートを打っている。
Tokyo, Japan
2005- MAP

落日荘
設計 岩崎駿介+岩崎美佐子
施工 現場監督 岩崎駿介大工棟梁 岩崎美佐子所在地 茨城県石岡市
茨城県の八郷町に、自邸である母屋のほか離れや門をセルフビルドする計画。敷地北側にある第1期の母屋は8年かけて完成し、現在、離れと門の工事が進められている。離れは簡単な集会や音楽会などができる「多目的ホール」と大工仕事用の「工作作業室」などが設えられる予定。
Ibaraki, Japan
2001-MAP

フィールドに乗り込み、そこにあるものと人と技を用いてつくること
撮影: ドットアーキテクツ
記事: ドサ回り旅芸人スタイル フィールドに乗り込み、そこにあるものと人と技を用いてつくること
全国各地でそこにあるものと人と技を用いて、さまざまな建築を自らの手でつくり出してきた家成俊勝氏、赤代武志氏、土井亘氏、寺田英史氏らドットアーキテクツ。この記事では自らつくるという行為と、その先について家成俊勝氏に振り返っていただきました。

撮影: 大野繁
photo: Shigeru Ono
TATENOCHO STYLE-Ⅱ 設計 酒向昇+酒向幸子 施工 酒向昇+酒向幸子+小室工務店
所在地 東京都練馬区
敷地は緑豊かな公園に面し、もともと建っていた古家を解体し、休日を利用して大工さんと二人三脚で自邸を新築する計画。1階はプライベートな空間とし、2階はハウスインハウスのキッチン小屋を中心に5つのゾーン(ダイニング・中庭・リビング・ライブラリ・音楽室)で構成される。
Tokyo, Japan
2015 MAP