住宅特集 2016年6月号 傘の家
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「環境住宅」新時代──いかに自然と結びつけるか傘の家=末光弘和+末光陽子 特集論考1: 新しい有機的な建築へ ──自然から導かれる合理性 末光弘和 ラジエータハウス=中村拓志 虹をさがす家=中村拓志 特集論考2: 光と風をデザインする 中村拓志 SHIRASU=鈴木亜生 九十九里の家=鈴木隆 愛知の家=みかんぐみ 微気候の家=中川純 小さな矩形=五十嵐淳 特集論考3: 環境という状態について 五十嵐淳 瓦山の家=佐藤充 雪谷の家=蟻塚学 地平の家=蟻塚学 特集論考4: 寒さを豊かさに変える 蟻塚学 紫竹の町家=森田一弥 京都サロン=伊礼智 箱の家153=難波和彦 佐戸の家=佐藤欣裕 Diagonal Boxes=川島範久+佐藤桂火+高瀬幸造 勝山の家=関正信+後藤典子+中西太介[特集記事]自然と繋がるDelightfulな建築へ これからの環境をめぐる建築のあり方を考える 川島範久[連載]建築家自邸からの家学び 第16回後編 トンネル住居 企画・監修 真壁智治 協力 横河健 横河麻子 調査 横浜国立大学大学院〈建築史+建築計画+建築デザイン〉混成研究チーム 指導教官: 菅野裕子 藤岡泰寛 藤原徹平 文 藤原徹平
傘の家
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
傘の家 設計 末光弘和+末光陽子/SUEP.
施工 大藪組
所在地 福岡県八女市
ふたつの土地が背中合わせに繋がる変形敷地にそれぞれ母屋と離れを建て、大屋根で繋いでいる。大屋根は中央で隆起し、冬期日射を最大化する。軒先から取り入れた空気をトップライト部に供給、加熱して、中央鉄骨柱を通して基礎上の蓄熱層に熱を蓄える。
Fukuoka, Japan
2016 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ラジエータハウス
設計 中村拓志&NAP建築設計事務所
施工 青所在地 千葉県市川市
周辺を住宅に囲まれた旗竿敷地に建つ。プライバシーと風の抜けを確保するため、外庭と中庭の境界にGRC(ガラス繊維補強セメント)で制作したラジエータを設けている。
Chiba, Japan
2016MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
虹をさがす家 設計 中村拓志&NAP建築設計事務所 施工 葛工務店
所在地 東京都
北傾斜の高台に建つ住宅。2階リビングに設けた85×1,300mmのプリズムガラスを66本積層した1,300×5,000mmの開口部より、夏は柔らかな光、冬はくっきりとした明るい光が北向きの空間の奥深くに射し込み、刻一刻と変化する。
Tokyo, Japan
2016

撮影: 新建築社写真部
──Passive House with Sundial
photo: SHINKENCHIKU-SHA
宙地の間 設計 渡辺菊眞+D環境造形システム研究所
施工 伏見建築事務所所在地 奈良県生駒郡平群町
建築家自邸である日時計を内蔵したパッシブソーラーハウス。釣り堀に面した住宅地に建ち、日時計を機能させるため正確に南面している。南側の屋根傾斜は敷地緯度と同じ34.6度に合わせてあり、室内に落ちる影から時間を計測できる仕組み。

撮影: 阿野太一
photo: TAICHI ANO
SHIRASU 設計 ARAY Architecture/鈴木亜生 施工 アルカンシェル鹿児島オフィス
所在地 鹿児島県鹿児島市
シラス台地が広がる鹿児島の住宅地の角地に建つ。内外壁は、今回の住宅のために開発された建築用のシラスブロックを積層している。外壁は約10度傾斜しており、内外の壁間には140mmの空気層が設けられている。
Kagoshima, Japan
2013MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
九十九里の家 設計 鈴木隆/ツズキオフィス 施工 小関建築設計事務所
所在地 千葉県山武市
九十九里浜に近く位置し、イヌマキによる生け垣が敷地全体を囲む。東西に約15mと細長いプランの屋根上には屋根瓦を粉砕し敷き込み、夏場の雨を瓦に一時保水。南面は全面テラスとし、軒で日射をコントロールする。夏場は南北に浜風が吹き抜け、冬場は室内に届いた日射しを床下に設置したコンクリートブロックに蓄熱する。
Chiba, Japan
2010MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
愛知の家
設計 みかんぐみ
施工 田口建設所在地 愛知県
両親の家、将来カフェとして営業できる場を併設した母屋、車庫の3棟からなる。両親の家と母屋、車庫は敷地が分かれており、3棟の中央に中庭が設けられ周辺とともに繋がる。外壁はヒノキの羽目板張りとガルバリウム鋼板張り。
Aichi, Japan
2014

微気候の家 設計 中川純+レビ設計室
施工 工藤工務店所在地 東京都新宿区
構造を現しとしたブレース付きラーメン構造。スキップフロアによりすべての居室の空気を繋ぎ、1階から3階にかけての温度ムラに合わせてそれぞれのフロアの機能を決定している。ファサードの開口部の配置と大きさは広域風環境解析から求めた風の強さに応じて決定している。
Tokyo, Japan
2016MAP

撮影: 佐々木育弥
photo: IKUYA SASAKI
小さな矩形 設計 五十嵐淳建築設計事務所 施工 丸繁
所在地 北海道札幌市
札幌市の中心部にある集合住宅の1室を改修した住戸。外部空間に沿って縁側空間を設け、スクリーンのようなカーテンを設置。縁側空間を暖房することで、熱効率を高めている。
Hokkaido, Japan
2016 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
瓦山の家 設計 佐藤充/SATO+ARCHITECTS
施工 共栄ハウジング所在地 宮城県仙台市
谷状の地形の中腹に位置する。東西方向に吹く風が抜けるように2層吹抜けのホールを設け、スキップしながら連なるすべての居室がホールに面するように設置。トップライトから採光し、夏場には簾と手動の霧吹きにより日射をコントロールし、気化熱を利用する。
Tokyo, Japan
2014MAP

撮影: 阿野太一
photo: DAICHI ANO
雪谷の家 設計 蟻塚学建築設計事務所
施工 ヤナギヤ
所在地 青森県
青森県の多雪地域に建つ平屋。敷地南側に雪を落とさない居住棟、北側に太陽光パネルが付いた勾配屋根のガレージ棟を置き、その間は雪が落ちる「雪の谷」としている。
Aomori, Japan
2013

撮影: 西川公朗
photo: MASAO NISHIKAWA
地平の家 設計 蟻塚学建築設計事務所 施工 ヤナギヤ所在地 秋田県
秋田県の多雪地域に建つ平屋。東西に細長い平面とし、外周部に土を盛り開口部の露出の度合いを調整することで厳寒期の熱損失を抑えている。
Akita, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
紫竹の町家 設計 森田一弥建築設計事務所 施工 コラボ建築設計所在地 京都市北区
古い町家の土地をふたつに分割した南北に細長い敷地(間口約4.3m、奥行き約16m)に建つ。屋根に設けられたシロッコファンによって、冬期は太陽光で温められた空気をコンクリートの基礎の蓄熱させている。夏期は夜間の放射冷却を室内に取り込んでいる。
Kyoto, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
京都サロン 設計 伊礼智設計室 施工 松彦建設工業所在地 京都府京都市
松彦建設工業のモデルハウスとして地域の工務店、製材所、設計事務所の家づくりの発信拠点になることを目指して建てられた住宅。南北に細長い平面に切妻屋根を架け、太陽電池一体型集熱屋根「そよルーフ」を搭載している。
Tokyo, Japan
2014MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
箱の家153 設計 難波和彦+界工作舎
施工 シグマ建設所在地 埼玉県羽生市
東西に約24mに渡る平屋建てで、南庭に張り出す軒下は1.8mの奥行きをもち、夏季は陽射しを遮り冬季は十分な日射を得る。外断熱構法で、今回、改良されたアクアレイヤーシステムは空調を利用して冷房も可能となっている。
Tokyo, Japan
2015 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
佐戸の家 設計 もるくす建築社/佐藤欣裕
施工 もるくす建築社所在地 秋田県大仙市
秋田県に建つ住宅。北国における南側の開口部はガラス性能の飛躍的な向上により、熱損失をも上回る自然エネルギーの取得を実現している。オフグリッドを実現している。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Diagonal Boxes 設計 川島範久+佐藤桂火+高瀬幸造/ARTENVARCH
施工 山崎工務店所在地 埼玉県所沢市
敷地は住宅団地内の角地で、西側が畑に面している。建物は敷地の南東側へ寄せ、2階は1階に対して45度回転させて南に正体した配置。これにより冬季に日射を享受しつつ、隣地への日影を抑えている。
Saitama, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
勝山の家 設計 ハクアーキテクツスタジオ+中西太介
施工 横田建築設計所在地 福井県勝山市
東西に長い敷地に合わせ建物を北側に配置し、南西面に向けて視線の抜けを確保。積雪を考慮し、自然落雪するように屋根は4寸勾配とし、軒下のアプローチが日射を調整し中間領域として機能するため、雪国ながら大開口が可能となっている。
Tokyo, Japan
2015MAP