住宅特集 2015年7月号 A HOUSE for OISO
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【作品17題】三軒茶屋の住宅=長谷川豪 対談: 長谷川豪×大野博史/A HOUSE for OISO=ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ 論考: 田根剛/eaves house=川本敦史+川本まゆみ/津福今町の家=下川徹/豊中の住居=島田陽/4つの柱=福島加津也+冨永祥子 論考: 福島加津也/ひろばの角のバルコニーハウス=手塚貴晴+手塚由比 大野博史/海田の家=吉田豊/緑ケ丘の家=吉田豊/桧原の家=谷尻誠+吉田愛/U House=石田建太朗/カラーガラスの家=中原祐二/未完の住まい=山﨑健太郎/西荻角地の家=槻橋修/鳥栖のいえ=清原昌洋/服部邸=藤井由理/SRK邸=井手孝太郎
A HOUSE for OISO
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
三軒茶屋の住宅 設計 長谷川豪建築設計事務所 所在地 東京都世田谷区
2面で接道し3方向に抜けの取れる敷地に建つ。高さ約8mの中に3層を設けて、室内とバルコニーが逆転したかのように、細高いヴォリュームから3面に開かれた2階リビングと3階ルーフガーデンをもち出している。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
A HOUSE for OISO 設計 ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ
所在地 神奈川県中郡大磯町
大磯の山並みを望む、緩やかな斜面に建つ。台形の敷地形状に合わせて4つの箱を配し、その上を跨ぐように家型のヴォリュームを載せている。箱と箱の間は庭となり、隣家の植栽と呼応させて地域の緑を増幅する。1階の外壁は敷地を掘り起こした土を用いた土壁。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
eaves house 設計 川本敦史+川本まゆみ エムエースタイル建築計画 所在地 静岡県浜松市
長さ9mにおよぶ登り梁をもつ直角三角形の架構で覆われた住宅。地上1mの高さまで下りた軒による軒下空間を周辺環境に開き、架構によって閉じつつも、外部と連続する縁側のような空間をもつ。

撮影: 鈴木研一
photo: Ken’ichi Suzuki
津福今町の家 設計 下川徹 所在地 福岡県久留米市
交通量の多い久留米市の郊外に建つ。4面をRC壁で覆い中庭を設け、安定した光を内部に取り込む。この家のために焼かれた床の磁器タイルや食事室の壁を覆うニヤトーの决り材、木格子の玄関扉など、躯体の強さと共に細やかな素材への配慮が生きている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
豊中の住居 設計 タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所 所在地 大阪府豊中市
地下1階地上2階からなり、その地上部を7層の帯にスライスし、ずらしながら積層させた住宅。ずれた部分はバルコニーや庇として機能する。階段や手摺りなどの設えを、持ち込んだ家具と同一化するようにつくることで、壁、床、天井などの建築のエレメントによる空間の抽象性と、家具や設えが生み出す人々の活動を同時に成立させる。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
4つの柱 設計 福島加津也+冨永祥子建築設計事務所 所在地 東京都世田谷区
75mm角の4本のベイマツ材を束ねた組柱が3層を貫き、各階では組柱が正方形状に中央に置かれている。外壁によって防火性能を確保することで、木造3階建てでありながら、部材寸法を抑えた木材を内部に現すことが可能となった。性能がかたちとなる現代都市の住宅において、内部空間の大らかさを確保した現代の「倉型」住宅の提案。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ひろばの角のバルコニーハウス 設計 手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所 大野博史/オーノJAPAN
所在地 群馬県高崎市
公園に敷地の2辺を接し、そこにはまり込むようにして建つ。地面から1,300mm床を上げた高床式で、公園に対しては全面開口とバルコニーを設け、公園の緑を家の庭のように楽しめる。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
海田の家 設計 吉田豊建築設計事務所 所在地 広島県安芸郡
背後に山がそびえる細長い敷地に建つ。宿場町だった周辺の木造家屋にスケールを合わせ分棟配置としている。手前の棟と奥の棟では床レベルがずらされ緑が植えられた間の外部を挟んで向かい合い、2棟はトンネル状の階段室で繋がる。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
緑ケ丘の家 設計 吉田豊建築設計事務所 所在地 広島県安芸郡
間口約9m、奥行約22mと南北に長く、3つのレベル差(前面道路+250mm、+1,850mm、+5,000mm)をもつ敷地に建つ鉄筋コンクリート造の住宅。南側のリビングは建具を開けるとダイニングキッチンと一体になり、吹抜けやトップライトを介して2階に繋がる。室同士の気積を連続させ視覚的な広がりがつくられている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
桧原の家 設計 谷尻誠 吉田愛/SUPPOSE DESIGN OFFICE 所在地 福岡市南区
広大な貯水池に面する斜面に建つ。僅かな平地部を含めて3つのフロアレベルを設け、大屋根で覆っている。貯水池を望む3面には連続するハイサイドライトを設置。景色を切り取ることでその豊かさを顕在化させている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
U House 設計 イシダアーキテクツスタジオ 所在地 千葉県浦安市
街並への圧迫感を軽減するため、コンクリート基壇部の上に2層分の木造が載る。庭への採光を考えた勾配や面のねじれが生じないための稜線などのよって構成されたアシンメトリーな切妻空間がリビングには現れる。素材や空間のプロポーションの組み合わせによって、さまざまな空間を生み出している。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
カラーガラスの家 設計 中原祐二建築設計事務所 所在地 鹿児島市喜入町
鹿児島市の緑豊かな敷地に建つ。南北に長い敷地に対し、一層をふたつのボックスで構成し、上部に約6m張り出すボックスを載せている。木毛セメント板やスペーサーブロックなど素材の思いがけない用い方と随所に挿入されたカラーガラスが独特な空間体験をもたらす。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
未完の住まい 設計 山﨑健太郎デザインワークショップ 所在地 千葉県柏市
中央の大きな土間のスペースに対して、1階には特定の機能、2階はすべて収納室が配された2層分のコの字型の箱が4つ並んだ住宅。建主と建築家が共に行ったコの字型の箱4つの配置のスタディによって、家族のあり方が検討された。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
西荻角地の家 設計 槻橋修/ティーハウス建築設計事務所 所在地 東京都杉並区
住宅街の角地に建つ鉄筋コンクリート造の住宅。プライバシーの高い個室が納まる下階のヴォリュームと街に接続する家族室やテラスなどの開放的な上階のヴォリュームが立体的に組み合わされる。緑ある周辺環境に連なるように、既存の敷地に立っていたヒマラヤスギと同じ位置にシンボルツリーのカツラを、2階のテラスにシマトネリコを植えている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鳥栖のいえ 設計 清原昌洋/atelier cube 所在地 佐賀県鳥栖市
鳥栖市の住宅地に建つ。隣家と接する3面で3.5mの引きを取り、接道側の駐車場も含め4面に余白を確保。高さ約6mの鉄骨蔵の躯体に木架構の屋根を架けている。外壁は1階がポリカーボネート板張り、2階がモルタルの上塗装仕上げ。内部は中央の階段室を介して上下階が一体となって繋がる。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
服部邸 設計 藤井由理/藤井建築研究室 所在地 神奈川県横浜市
子育てと仕事を終えられたご婦人が住むための住居。さまざまな大きさと異なる位置に開いた開口のある10枚の白い壁が連続する。空間同士が弱く何かで繋がっているような関係をもつ住まいが目指された。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
SRK邸 設計 井手孝太郎/アールテクニック 所在地 東京都目黒区
敷地内に3.7mの高低差があり、最頂部の境界際に植えられた生垣を活かすために必要な土留壁を螺旋状に構築し、建築の外形をつくっている。土留壁でプライバシーを確保した内部は、ガラスに囲われた開放的なLDKをつくり自然を感じられるよう設えた。