住宅特集 2015年2月号 リビングプール
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[特集]なぜリノベーションなのか ──新しい価値を創造する21のアイデア改修 代田の町家=坂本一成研究室 リビングプール=増田信吾+大坪克亘 上沢の住居=島田陽 大門の母屋と新屋=栗原健太郎+岩月美穂 4 episodes=小野弘人+西尾玲子 ここち Comfort Gallery 器=前田圭介 永倉町の住宅=魚谷繁礼 Gray=浅子佳英 半丈の書架=伊藤暁 住みつなぐ家=堀尾浩 エン・ハウス=平井充+山口紗由 御所南の家=竹原義二 麻布十番の家=北野博宣 アムステルダムのアパートメント=間田真矢+間田央 覚王山の住宅=萬田浩太郎 芦花公園の住宅=藤田雄介 福浦ハウス=岩岡竜夫 吉井の家=神家昭雄 Crossing Wall House=中佐昭夫 House M=都留理子 市川のリノベーション=石井大五
リビングプール
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
改修 代田の町家 設計 アトリエ・アンド・アイ 坂本一成研究室
施工 工藤工務店
所在地 東京世田谷区
1976年に竣工した「代田の町家」(『新建築』7611)の改修。前オーナーが転居したことにより解体の恐れがあったが、新しいオーナーに引き継がれることとなった。内外ともに大きく変更を加えることなく、補修、塗装、家具の新設、耐震補強などを行っている。今回の一連のプロセスは「住宅遺産トラスト」の協力のもと進められた。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
リビングプール 設計 増田信吾+大坪克亘
施工 石山和広
所在地 山形県天童市
在来木造平屋の改修。地面と既存の布基礎の立ち上がりに断熱材を施し補強を兼ねてコンクリートを増し打ちすることで、フロアレベルを928mm下げ、新たな床面をつくった。コンクリート束で支持された既存の廊下の下を通じて室内全体が連続する。
Yamagata, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上沢の住居 設計 島田陽建築設計事務所
施工 キョーワテクノ
所在地 兵庫県神戸市長田区
傾斜地に基壇状に造成された敷地に建つ築60年の木造平屋建て住戸のリノベーション。既存の木造架構は残したまま、既存の壁の代わりに曲面壁を間仕切りとして設け、緩やかに空間を分ける。
Hyogo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
大門の母屋と新屋 設計 栗原健太郎+岩月美穂/ studio velocity
施工 創SHINKO シンコー建創
所在地 愛知県岡崎市
母屋の敷地内に残された、間口3m、奥行19mのスペースに子世帯の新屋を建てる計画。新屋はヴォリュームを3つに分割し母屋への採光と通風に配慮し、母屋は一部減築して半外部テラスにして両世帯を繋ぐバッファーとしている。また母屋と新屋を極度に近接させることで、跨げる行き来を可能にしている。
Aichi, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
4 episodes 設計 小野弘人+西尾玲子/atelier nishikata
施工 第1期: 潤工務店 第2、3期: 成田工務店
所在地 東京都文京区
築47年の木造住宅の改修計画。家族の減少により維持管理が難しくなった住宅を一部改修し、3つの住戸に分け、2住戸を賃貸として貸し出すことで、住み手を増やして建物管理の負担を分配。同時に介護のために室内動線も見直された。各室には共通して耐震補強のための「箱柱」「壁柱」が設けられる。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ここち Comfort Gallery 器 設計 前田圭介/ UID
施工 大和建設
所在地 広島県福山市
住宅に付随して建つ酒屋をギャラリーに改修する計画。屋根裏の2×4材の垂木方式の小屋組を現しとし、1階の鉄骨のスラブを調整して2階を新たにつくった。さらにその垂木架構が延長するかのような門型フレームを外壁から地面にかけて連続させて、内外を繋いでいる。
Hiroshima, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
永倉町の住宅 設計 魚谷繁礼/魚谷繁礼建築研究所
施工 アプト
所在地 京都市下京区
西洞院通から路地奥に入った再建築不可の旗竿敷地に建つ、3軒長屋のうちの2軒(新: オモヤ)と、別棟1軒(新: ハナレ)を改修した住宅。オモヤは、土間仕上げの四の間から、キッチンカウンターのある三の間、庭に繋がるくつろぎのスペース二の間と一の間、2階の上の間まで連続したワンルームになっている。ハナレは1階の土間と2階の板間と畳間の計3室に仕切られ、ふたつの棟は2階のデッキで連結する。
Kyoto, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Gray 設計 浅子佳英
施工 タカバンスタジオ
所在地 東京都
都内の住宅地に建つ商品化規格住宅の改装。4つの個室と納戸があった2階はワンルームとしてリビング兼アトリエとして使用し、床面のハッチを開けて降りたところに生活に必要な個室を設けている。外観にはできる限り手を加えず、インテリアで新しいラグジュアリーをつくることを模索している。
Tokyo, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
半丈の書架 設計 伊藤暁建築設計事務所
施工 栄港建設
所在地 神奈川県川崎市
築30年の住宅の一室を書架と書斎に改修した。膨大な蔵書数に対応してべた基礎にして、床下に耐圧盤を新設、重量用の浮き床材を使用している。高密度に並ぶ本棚に囲まれた3つの場は回遊でき、ふたつの開口部対しさまざまな抜けを取ることで、面積以上の奥行をもたらしている。
Kanagawa, Japan
2013

撮影: 佐藤文昭
photo: SHINKENCHIKU-SHA
住みつなぐ家 設計 堀尾浩建築設計事務所
施工 道和建設
所在地 北海道網走郡美幌町
北海道網走郡に建つ平屋建て住宅の改修。寒冷地において、高断熱・高気密の確実な施工を施すことにより、一室空間の中に安定した室温環境を設けることを可能にしている。一室空間のヴォリュームの中で、既存住宅のスケールを維持しつつ断面操作から居場所をつくり出している。
Hokkaido, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
エン・ハウス 設計 平井充+山口紗由 /メグロ建築研究所
施工 杉本興業
所在地 東京都台東区
築40年の住宅の改修。二項道路を拡幅するため塀をセットバックさせ、もともと高く積まれていたブロック塀の高さを1,200mmに抑えている。さらに既存家屋の外壁を減築して濡れ縁を設けて、庭越しに内外を複層的に繋ぐ。濡れ縁は電動外付けブラインドにより、内部化することもできる。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
御所南の家 設計 竹原義二/無有建築工房
施工 ミラノ工務店
所在地 京都府京都市
ビルの5・6階に位置する住戸の改修。築年数を経たビル自体に耐震化、省エネ化、設備更新工事を図り環境性能を見直し、空間の骨格や質を向上させ、次世代へ継がれる住まいを計画。さまざまな素材、テクスチュア、色味を用いて、光の深度によって変幻するシーンをつくり出している。
Kyoto, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
麻布十番の家 設計 北野博宣建築設計事務所
施工 北村住建
所在地 東京都港区
マンションの一室をリノベーション。既存の梁が生み出す領域に合わせて、天井に異なる長さのルーバーを入れることで天井高に変化を付ける。天井高を確保しながらも、ルーバーの長さや向きによって緩やかに空間を分けている。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 太田拓実
photo: SHINKENCHIKU-SHA
アムステルダムのアパートメント 設計 MAMM DESIGN
施工 Smart Interiors
所在地 オランダ、アムステルダム
オランダ・アムステルダムに建つ、5階建て集合住宅の上2層のユニットの改修。建物は組積造、小屋組のみ木造。既存トップライトから採り入れた太陽光で内部を明るい空間にするため、閉じられた階段室を撤去。水回りの塔を中心に据え、上下階が繋がる大きなワンルームとしている。
Amsterdam, Nederland
2012

撮影: アーキフォトKATO 加藤敏明
photo: アーキフォトKATO 加藤敏明
覚王山の住宅 設計 萬田浩太郎/WORK・CUBE
施工 タカマ
所在地 愛知県名古屋市
マンション最上階である7階の一室をリノベーションした計画。2LDKを解体し、2枚の壁と床レベルの変化によって空間を仕切ることで、さまざまなな居場所をつくりながら回遊性と広がりをもつ住宅とした。
Aichi, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
芦花公園の住宅 設計 Camp Design inc.
施工 河行工務店
所在地 東京都世田谷区
築40年を超える団地の一室のリノベーション。鉄筋コンクリートの躯体はそのままに、場を仕切り奥行を生み出すための柱間装置として建具の活用を試みている。既存の建具枠を活かして設置された高さ1,750mmの布框戸には場に合わせて異なる布が張られ、R不動産toolboxでも発売予定。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
福浦ハウス 設計 アトリエ・アンド・アイ岩岡竜夫研究室
施工 ひとみ建設
所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町
真鶴半島の斜面集落に建つ民家を改修して、研修施設としても使える住宅をつくるプロジェクト。住宅へのアプローチを変更し、既存の生け垣の一部に設けたゲートからアクセスする。庭に面する南側に玄関を移動し、土間通路を各室と直結するように巡らせた。東京理科大学の学生が設計・施工に参加した。
Kanagawa, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
吉井の家 設計 神家昭雄建築研究室
施工 タブチ
所在地 岡山県赤磐市
薪置き場・作業場として使われていた小屋を住宅として改修。先代が積み上げた既存の石垣をガラス越しに室内に採り込み、また広大な畑が広がる立地の中で風景を活かしている。随所に撤去した梁などの痕跡を残しつつ意匠設計がなされ、同時に構造補強のための新設柱・梁が入れ込まれた。
Okayama, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Crossing Wall House 設計 中佐昭夫/ナフ・アーキテクトアンドデザイン
施工 大倉建築
所在地 東京都町田市
築40年の木造一戸建ての改修。Crossing Wallと名付けられた壁が建物の内外を貫き、大きな開口が設けられた開放的な既存住宅の特性を生かしながら、構造補強を試みている。Crossing Wallは1階部分に十字形に設置され、生活領域の区分にも対応している。
Tokyo, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
House M 設計 都留理子建築設計スタジオ
施工 ミサワホームイング世田谷営業部
所在地 神奈川県
家族成員の増加に伴い、築27年の木造住宅を全面的に改修した。13 m2 の増築部は最高天井高を約5m取り、既存部と同じ5寸勾配の屋根を架けて上下階を繋ぐ役割も果たす。北側玄関にも明るさが届くように、居室との間の壁を取り払ってガラスの框戸を設置している。
Kanagawa, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
市川のリノベーション 設計 石井大五+フューチャースケープ建築設計事務所
施工 幹建設+ミキホーム
所在地 千葉県市川市
築32年の2世帯住宅の改修。内部をスケルトンにしてから構造用合板で補強し、さらに既存の断熱材に加えて室内側に50mmの断熱材を入れている。パブリックな場所ほど壁・天井の仕上げの茶色の度合いが高くし、プライベートな場所ほど白の度合いを高くしている。
Chiba, Japan
2013 MAP