住宅特集 2014年8月号 2cGR
Content
[特集]庭──建築をまちに繋ぐもの360°=納谷新 辻堂の住宅=北山恒 御殿山の家=堀部安嗣 内庭・外庭の家=横内敏人 2cGR=浜崎一伸 迷迭香=川口通正 おもやとはなれ=古森弘一+橋迫弘平 Obi house=西岡梨夏 Tの住宅=河田剛 批評: パーキング・グリッド上の浮島 宮本佳明 時の流れる家=菅原大輔 綾の家=植木幹也+植木茶織 ワークショップ=川本敦史+川本まゆみ 栄町の光溜=佐々木勝敏 批評: 時間と空間の位相のズレが、振幅の大きな囲包空間を生む 北川啓介 笹目町の家=手嶋保 鹿嶋の家=田中秀弥
2cGR

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
360°
設計 納谷新/納谷建築設計事務所
施工 飯塚工務店所在地 神奈川県川崎市麻生区
南側斜面に視線が抜ける敷地に建つ設計者の自邸。1階の床レベルはGLより900mm掘り込まれているため、周辺住宅よりもヴォリュームが抑えられている。建物の全体に軒が回り、その上には芝が植えられている。
Kanagawa, Japan
2014 MAP

辻堂の住宅
設計 北山恒+architecture WORKSHOP
施工 前川建設所在地 神奈川県藤沢市
鎌倉時代からの集落の構造やコンテクストを読み解くことで構成した住宅。RCの2枚のスラブが延びるワンルーム空間には、一部に公的な領域を用意したり、簾障子や浮き屋根など、伝統的な空間装置を用いてパッシブな温熱環境をつくっている。
Kanagawa, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
御殿山の家
設計 堀部安嗣建築設計事務所
施工 宮嶋工務店所在地 東京都武蔵野市
建物を敷地中央に配置し、周囲に正確の異なる庭を配している。また隣家との境界を曖昧にしてそれぞれの庭が拡張するように連続させ、かつ1区画先に望む玉川上水の緑道の緑を取り込んでいる。
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
内庭・外庭の家
設計 横内敏人建築設計事務所
施工 コアー建築工房所在地 大阪府箕面市
郊外の住宅地に建つ。角地であることを利用して接道部分に奥行1m程の外庭を設けることで、建物の圧迫感を抑え、四季折々の緑を提供する。開放的な外庭は地域とコミュニティガーデンとしての働きも併せ持っている。
Osaka, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
2cGR
設計 浜崎一伸/And Associates
施工 薩摩建設所在地 神奈川県川崎市
周辺を住宅に囲まれた旗竿敷地で、あえてRC造の平屋建てとして高さを抑え、屋根面をルーフテラスとして活用する。また旗竿の竿にあたる前庭は小規模生産緑地として想定したり、ふたつの中庭は内部のパブリックとプライベートを分ける境界の役割をもつ。
Kanagawa, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
迷迭香
設計 川口通正建築研究所
施工 堀井工務店所在地 神奈川県横浜市
敷地を囲む塀を道路境界から約1mセットバックさせ、そこにできた余白に植栽を施して街並みに緑を提供している。塀には視線を考慮した木格子を嵌めた開口を設えて、内外を繋いでいる。
Kanagawa, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
おもやとはなれ
設計 古森弘一+橋迫弘平/古森弘一建築設計事務所
施工 山下建設所在地 福岡県北九州市
築50年の母屋の改修と子世帯の離れの計画。母屋は減築して居室を減らし広い縁側を設えている。子世帯は母屋の下屋から延長するように屋根を架け、庭を囲むよう湾曲させて配置している。花壇を含めた庭を介して2世帯を繋いでいる。
Fukuoka, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Obi house
設計 西岡梨夏/ソルト建築設計事務所
施工 筑羽工務店所在地 福岡県福岡市
前面道路から南北方向に約17mに渡る空間の中に、収納や空調、開口などを備えたさまざまなかたちをした壁(=帯)を6つ連ね、緩やかに機能を繋いでいる。外部コートからリビング・ダイニング、インナーコートなど内外が入り混じっている。
Fukuoka, Japan
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撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Tの住宅
設計 とのま一級建築士事務所
施工 コハツ
所在地 兵庫県西宮市
西宮市の住宅地にある月極駐車場の一部に計画された住宅。東側外観。車5台分のスペースにコンクリートの屋根を架け、そのうちの手前3台は屋根付きの駐車場として貸し出し、奥の2台分と屋根上を住宅としている。
Hyogo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
時の流れる家
設計 菅原大輔/SUGAWARADAISUKE
施工 宗建築株式会社 所在地 東京都調布市
年月と共に変化する環境や家族構成に対応する住宅のあり方を目指し、あえて風化するよう加工された外壁と、多数の組合せができる個室で構成。敷地全体を砂利の庭が広がることで、敷地外への繋がりをもたせると共に、各個室間に距離を生み出す余白となっている。
Daisuke Sugawara/SUGAWARADAISUKE
Tokyo, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
綾の家
設計 植木幹也+植木茶織/スタジオシナプス
施工 プラスケイアールエム所在地 栃木県宇都宮市
敷地に余裕のある地方都市の住宅における開き方を提案した住宅で、街に対しての意識の向け方を3つの庭によって示している。Y字型の平面形状は、敷地内に生まれる空地=庭を外部に繋げ、ワンルーム空間の内部に広がりと関係性をもたらす。
Tochigi, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ワークショップ
設計 川本敦史+川本まゆみエムエースタイル建築計画
施工 小澤工務店所在地 静岡県御前崎市
太平洋を望むことのできる約560m
2
の敷地に、建築面積75m
2
ほどの箱形のヴォリュームを置き、居場所が外部にも広がるよう楕円形を用いたランドスケープデザインが施された。内部は910mmピッチで配されたサンドパネル梁で構成し、水平方向への視線の抜けを促す。
Shizuoka, Japan
2014 MAP

提供: 佐々木勝敏建築設計事務所
栄町の光溜
設計 佐々木勝敏建築設計事務所
施工 井上工務店所在地 愛知県豊田市
大きな寄棟屋根をもつ二世帯住宅で、世帯の境界に光庭と名付けたインナーガーデンを1FLから1,400〜1,800mm上がった場所に設けている。光庭は上部から外部の光と庭を採り入れ、床はレンガ敷きとして外部的な設えを施すことで、第二のリビングとして機能する。
Aichi, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
笹目町の家
設計 手嶋保建築事務所
施工 安池建設工業所在地 神奈川県鎌倉市
近くに山並みを望む風致地区に建つ。プライバシーを確保しつつ街並みと緩やかに繋がるように10mmほど透かして枕木を積み上げた塀を設え、内側に庭をつくっている。さらに軒の張り出した土間と植栽の間に水路を設え、雨落ちとしての機能ももたせている。
Kanagawa, Japan
2014 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鹿嶋の家
設計 田中秀弥/田建築研究所
施工 野口建設所在地 茨城県鹿嶋市
敷地の三方に里山を望む見通しの良い環境を活かし、敷地全体を庭として、東屋のように各機能ごとに分かれた棟を配置。ぞれぞれの棟を回遊できるよう、土間とデッキが繋いでいる。
Ibaraki, Japan
2014 MAP