住宅特集 2013年9月号 小屋と暮らす家
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[第29回吉岡賞] 一次審査結果発表審査座談会: 住宅の価値を計る尺度を問い直す 内藤廣×堀部安嗣[特集]平屋的な建ち方 2013光の郭=川本敦史+川本まゆみ コヤノスミカ=川本敦史+川本まゆみ 森を奔る回廊=手島浩之+武田幸司 八ヶ岳の家=城戸崎 小屋と暮らす家=服部信康 東村山の家=石井秀樹 成瀬の家=森清敏+川村奈津子 屋根裏の家=千葉学 Lakeside house=安藤毅 八ヶ岳の小さな家=伊藤寛 [作品3題]与野本町の民家=阿部勤 批評: 内田祥哉 HOUSE K=小池啓介+山本匠一郎 母の家=原田真宏+原田麻魚 批評: ナオミ・ポロック[連載]建築家自邸からの家学び 第13回後編 重箱住居 真壁智治 日本大学 佐藤光彦研究室 塩崎太伸 黒川哲郎 黒川洋子
小屋と暮らす家

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
光の郭
設計 川本敦史+川本まゆみエムエースタイル建築計画
施工 荒川工務店所在地 愛知県豊川市
木造家屋が建ち並ぶ郊外に建つ。9.1m角の平面の外周部を土間でぐるりと囲み、さまざまな機能を割り当てている。土間上部の屋根面には910mm幅のトップライトを四周に渡って設置。シナ合板を下見板張りした内壁は光を拡散させるリフレクターとしても機能する。
Aichi, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
コヤノスミカ
設計 川本敦史+川本まゆみ エムエースタイル建築計画
施工 カネ子工務店所在地 静岡県焼津市
母屋に隣接する増築棟で、浴室などの機能を一部母屋に残しつつ生活空間が設えられている。直方体のシンプルな平面に、厚さ62mmのV型サンドパネルの小屋梁を1,820mmピッチで設置、その下にコの字型の耐力壁を並べ生活機能とリンクさせて空間を構成する。
Shizuoka, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
森を奔る回廊
設計 手島浩之+武田幸司/都市建築設計集団/UAPP
施工 聖建設所在地 宮城県仙台市
雑木林のような敷地の既存の木々を極力傷めないように計画された住宅。限られた細長い部分に建物のヴォリュームを1m浮かせて最小限の基礎を設け、柱・梁の門型フレームを等間隔で反復して場所毎に異なる高さの開口部を設えている。
Miyagi, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
八ヶ岳の家 設計 城戸崎建築研究室
施工 新津組所在地 長野県茅野市
八ヶ岳の傾斜地に建つ住宅。10×30mのヴォリュームの半分が空中に浮き、直径300mmの円柱鉄骨斜材2本で支持されている。景色に対してあえて閉じられた北側のアプローチからアクセスし、建物の先端のリビング・ダイニング・キッチンに出ると三方に広がるパノラマビューを堪能できる。
Nagano, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
小屋と暮らす家
設計 服部信康建築設計事務所
施工 箱屋所在地 愛知県知多郡
海沿いから緩やかに上った高台に建つ。切妻型の建物を敷地北東に寄せ、南西面の庭を介して周囲と緩やかにつながっている。内部はほぼワンルーム空間で、Φ=450mmの丸太梁を長手方向に渡して棟木からの荷重をダイレクトに伝えることで、トラスを通常の洋小屋組より一段高い場所で組めている。
Aichi, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東村山の家 設計 石井秀樹建築設計事務所
施工 ラスティック所在地 東京都東村山市
室名として機能を現すのではなく、空間要素により人の動作が選び取られるよう段差や天井高、素材や光の変化などを計画した。敷地前面道路に人通りがあることや建主要望から外部に対して閉じ、内部に3つの林庭と8の字平面の空間を設けた。家具のような佇まいのキッチンや床に彫り込み動線中にある水場なども製作し空間をつくりだす。
Tokyo, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
成瀬の家
設計 森清敏+川村奈津子/MDS
施工 栄港建設
所在地 東京都町田市
ゆるやかな傾斜のある三叉路に面した場所に建つ住宅。内部空間は3つの白い壁をもつ個室群と家族の集う中央のオープンスペースからなり、床レベルや天井高、複数の軸線によってさまざまな抜けと場が生まれる。天井にはスギ縦羽目板張りの切妻の大屋根が架かる。
Tokyo, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
屋根裏の家 設計 千葉学建築計画事務所
施工 深澤工務店所在地 神奈川県大和市
中央林間の駅にほど近い若い家族のための住宅。平屋の箱型平面の南北方向に短冊状にリビングやダイニング、子供室など必要とされる各室が並び、直交して高さ1,046〜1,185mmの壁梁が架けられ、天井を介してすべての部屋が緩やかにつながっている。
Kanagawa, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Lakeside house 設計 安藤毅/エアスケープ建築設計事務所
施工 泰進建設所在地 神奈川県相模原市
周囲を山に囲まれた湖畔に建つ。平屋建てのプランは、南西の角を鈍角にすることで西面も湖と面するようにし、パノラミックな風景を確保している。エントランスの天井高を2,200mmに設定し、湖に向かって徐々に高くしていくことで空間に広がりをもたらすと共に、囲まれた居場所もつくり出している。
Kanagawa, Japan
2012 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
八ヶ岳の小さな家
設計 伊藤寛アトリエ
施工 北伸建設
所在地 山梨県北杜市
約500 m2
の敷地面積に対し建築面積約47 m2 を基本平面とし、寝室、
ダイニング、バスルーム+洗濯・脱衣コーナーを計画。 外壁はサワラ材、内壁はラワン材とし、玄関を兼ねるポーチへ内部から連続した仕上げとして半外部的な「外の部屋」を南東と南西につくる。垂木の組み方や欄間の納まりによって構造と表層の「現し」を見せる佇まいとなっている。
Yamanashi, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
与野本町の民家 設計 阿部勤/アルテック
施工 建築苔原所在地 埼玉県さいたま市
1884年(明治17年)に建てられた築約130年の民家の改修。建築苔原の苔原順二棟梁と共に、既存の伝統構法や空間を活かしつつ現代の住まいとして再構築。空間・機能的に補佐するため3×5間の無柱空間を挟むように南北1.5間ずつの空間を増築したほか、減築やサンルームの設置など、既存材を積極的に用いながら光と風の通る住まいへと整えている。
Saitama, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
HOUSE K 設計 K2YT/小池啓介+山本匠一郎
施工 Life Factory所在地 東京都江戸川区
約14.7m×6.3mの平面は長手方向に2分割、短手方向に3分割した6つのグリッドを基本とし、子世帯は長手方向、親世帯は短手方向にリビングとダイニング・キッチンがつながり、5つの部屋と5つの中庭、2つの水回りを立体的に配した。部分的に鏡面壁を用いて虚像が映り込みを使って空間をつくる。
Tokyo, Japan
2013 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
母の家
設計 原田真宏+原田麻魚/MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
施工 生田工務店所在地 神奈川県
3方を住宅に囲まれた郊外に建つ住宅。6m角の平面の4隅に通し柱を立て、大断面集成材の登り梁をラメラ状に組み上げることで無柱空間を実現している。頂部のトップライトは採光と通風として機能する。1階の玄関から階段室にかけての斜めのラインも2階の登り梁のラインから導かれている。
Kanagawa, Japan
2013 MAP