住宅特集 2012年8月号 壬生東檜町の住宅
Content
[特集]リノベーション解 20題
KIM HOUSE 2011=
岸和郎
鎌倉のリノベーション/音楽ホール付シェアハウス=
北山恒
東寺の家=
長坂大
精華町の家=
長坂大
北白川の家=
長坂大
椹木町通の町家=
荒谷省午
mina=
木村松本建築設計事務所
滑の家=
三宅正浩
頭町の住宅=
魚谷繁礼
壬生東檜町の住宅=
魚谷繁礼
惜櫟荘(旧岩波別邸)=設計:
吉田五十八
解体復元:
板垣元彬
建築事務所 神泉のリノベーション 池袋のリノベーション=
能作淳平
新浦安の住宅=
メジロスタジオ
弘明寺の住宅=
山口誠
8ビル=
塩塚隆生
クサバアパートメント=
塩塚隆生
Blanks=
稲垣淳哉
+
佐野哲史
+
永井拓生
+
堀英祐
御殿場の別荘=
石崎哲也
+
石崎瑠美子
高田のいえ=
三澤文子
垂水の家=
豊田保之
壬生東檜町の住宅

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
KIM HOUSE 2011
設計 岸和郎+K. ASSOCIATES/Architects
施工 美和技建所在地 大阪市
24年前に設計した住宅の、リノベーション。当時は家族6人の住まいだった場所が、夫婦ふたりの居場所としてふさわしいかたちに生まれ変わり、同時に、24年前の閉じた外観から、街に開いた構成になっている。
Osaka, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鎌倉のリノベーション/音楽ホール付シェアハウス 設計 北山恒 +architectureWORKSHOP
施工 前川建設
所在地 神奈川県鎌倉市
木造2階建ての住宅を音楽ホール(1階)とシェアハウス(2階)にリノベーションしている。隣の敷地に、以前設計した住居が建ち、ふたつの敷地のそれぞれの住居が、ひとつの連続した風景をつくり出している。
Osaka, Japan
2012 MAP

東寺の家
A house in Touji
東寺の家 設計 長坂大/Mega
施工 藤木工務店
所在地 京都市南区
築100年以上の母屋を起点に増改築が繰り返されたことで、動線や断熱などに不具合が生じていた。もともと裏の場だった「通り庭」やダイニングキッチンを大きな「家族室」としてまとめ、生活の中心に据えて構成を組み直している。各居室が連なっていた接続面を家型にして集合させている。
Dai Nagasaka/Mega
Kyoto, Japan
2012 MAP

写真提供/Mega
photo: Mega
精華町の家 設計 長坂大/Mega
施工 ミナミ建設
所在地 京都府相楽郡精華町
それまで活用されていなかった、高さ500mmほどの鉄筋コンクリート造ガレージの上に増築して客間を設けた。また既存の6畳間を家族室として改修し、全長13mのウッドデッキを新設することで、母屋と離れていたガレージと既存建物をつなげている。
Kyoto, Japan
2012 MAP

写真提供/Mega
photo: Mega
北白川の家 設計 長坂大/Mega
施工 サクジ工務店
所在地 京都市左京区
既存外観にあったアプローチ回りのアーチを手がかりに、2階室内をスキップ・フロアのワンルームとした住宅。サイクロイド曲線に近いヴォールド天井を床から1,500mmの低いレベルから始めることで、空間の一体感を生み出し、「スキップ・ヴォールド」の部屋とした。
Kyoto, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
椹木町通の町家 設計 荒谷省午建築研究所
施工 アムザ工務店
所在地 京都市上京区
築80年の町家の改修。既存の軸組に対し、28mmの構造用合板によるボックスを内接させて構造を補強している。新たに挿入したボックスと既存部との新旧の対比が「図と地」の関係となることが意図された。
Kyoto, Japan
2011 MAP

撮影: 多田ユウコ写真事務所
photo: Yuko Tada
mina
設計 木村松本建築設計事務所
施工 コハツ
京都府
道のかどに建つ縫製アトリエを2階に併設した住宅。大きな鉄骨の屋根を架け直すことで、建物全体をまとめ直し、また開放感のあるかどを町に提供することで町かどをリノベーションすることが意図されている。
Kyoto, Japan
2012

写真提供: y+M design office
photo: SHINKENCHIKU-SHA
滑の家 設計 三宅正浩/ y+M design office
施工 坂根住宅
所在地 島根県邑智郡
築70年の民家の2階部分の改修。これまで繰り返されてきた増築部分を取り払い、家型の小部屋を配置している。小部屋の建具には断熱障子紙で中空ビニルシートを太鼓貼りにした断熱障子を用いるなど、小部屋単位の断熱性能をあげている。また屋根裏には木毛セメントを張り、調湿効果のほか剛性を確保している。
Shimane, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
頭町の住宅 設計 魚谷繁礼/魚谷繁礼建築研究所
施工 藤井工務店所在地 京都市左京区
路地奥に建つ3棟長屋から、中庭のある住宅への改修。接道義務を果たしていないため、接道したオモテ敷地と一体となり壊されてしまう路地を保存することで、京都の町独自の地割を保存することが目指されている。
Kyoto, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
壬生東檜町の住宅 魚谷繁礼/魚谷繁礼建築研究所
施工 藤井工務店
所在地 京都市中京区
京都の町家の特徴であるオモテ街路からウラ街区への抜けを取り戻す計画。1階から2階へ立体的に抜けを与えることで、空間の上昇感を演出している。
Kyoto, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
惜櫟荘(旧岩波別邸)
設計 吉田五十八解体復元 板垣元彬建築事務所
施工 水澤工務店
所在地 静岡県熱海市
1941年に竣工した吉田五十八による「惜櫟荘」の解体復元。吉田五十八の当初の設計を尊重し、細部にわたり長く保存するための手立てが講じられている。施工は水澤工務店が担当。
Shizuoka, Japan
2011 MAP

池袋のリノベーション
撮影: 能作淳平建築設計事務所
神泉のリノベーション池袋のリノベーション
設計 能作淳平建築設計事務所 中田製作所
施工 中田製作所+HandiHouse project
所在地 東京都渋谷区 東京都豊島区
既存のマンションにある間仕切りを取り払い、その中から使用できる木材や建具を再利用して計画された改修。間取りによって規定されてしまうマンションのあり方に対し、そこにある部材を使用したワンルーム空間の可能性を提案している。
Tokyo, Japan 2012

撮影/関尚道
新浦安の住宅 設計 メジロスタジオ
施工 ルーヴィス所在地 千葉県浦安市
超高層マンションならではのハイスペックな設備機器と、低コストでリノベーションする際にはスリーブ等が変更できないといった制約の下、空間をつくりあげている。プランスタディとダクト経路の検討、また天井懐が必要な大型既存機器の配置を同時並行で行い、構造、設備と部屋のかたちを一致させて白いシンプルな構成を実現させた。
Chiba, Japan
2011 MAP

撮影/鳥村鋼一写真事務所
弘明寺の住宅 設計 山口誠デザイン
施工 スリーエフ
所在地 横浜市南区
2×4住宅のリノベーションでは、各室接続部に現れるまぐさや設備配置など、他の構造形式のものに比べて変更できない要素が多い。そのため、もとの部屋の基本的なつくりはそのままに、バスルームとキッチンを入れ替えたりして再構成し、また各室=ハコ同士の接続をガラスにするなど分節感を高めている。
Yokohama, Japan
2011

撮影: 矢野紀行
photo: SHINKENCHIKU-SHA
8ビル
設計 塩塚隆生アトリエ
施工 ナカノス建設工業所在地 大分市中央町
各階4戸、計12戸入ったRC造3階建て単身者用アパートの改修。内装は躯体を残して取り除いているが、内装を取り去った際の荒々しい表情が改修後の空間を特徴付ける。隣室間のコンクリート壁を一部取り除いて行き来賀できるようにして、共同住宅としてもオフィスとしても、用途に応じた使い方を選択できるようになっている。
TAKAO SHIOTSUKA ATELIER
Oita, Japan
2012 MAP

撮影: 矢野紀行
クサバアパートメント 設計 塩塚隆生アトリエ
施工 大分メンテナンス
所在地 大分市田室町
同じ間取りの3DKが30戸入るアパートの改装。退去して空室となったところから順次改装していく計画。今回対象となった5戸は間取りはそのままに、隣接する部屋の仕上げを白、グレー、チャコールグレー、シルバーの4色を素材を変えて施すことで印象を変えることを試みている。また建具を取り去った後の木枠やRC現しのままとした天井を見せることで、空間の奥行のみならず、空間を包む表面にも奥行をもたせている。
Oita, Japan
2012 MAP

撮影: 大倉英揮
Blanks 設計 稲垣淳哉+佐野哲史+永井拓生+堀英祐/Eureka
施工 小川共立建設
所在地 茨城県つくば市
3階建て住宅の、主に2階の改修。隣家が近接する東側に対し、閉じるでもなく開くでもない外部への広がりが模索された。そこで既存の開口部より小さな開口を多数もつ壁を250mm内側に立て、光の回り方や外への目線の抜け、棚に置かれた物により曖昧な距離感をつくり出している。
Ibaraki, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
御殿場の別荘 設計 石崎哲也+石崎瑠美子/石崎建築設計
施工 宝永技建
所在地 静岡県御殿場市
御殿場市に建つ築40年RC造のリゾートマンション一室の改修。湿気により劣化した間仕切り壁や床、天井を撤去し、中央の600mm角のRC柱を中心に、寝室、土間、LD・プレイルームとL型に領域が広がるように仕上げている。配置の仕方やサンルームによる光の回し方、離れのように寝室を設えることで、ワンルームの中にも奥行をもたらしている。
Shizuoka, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
高田のいえ 設計 三澤文子/Ms建築設計事務所・MSD
施工 高橋建設
所在地 岐阜県養老郡
既存住宅の現状を正確に把握し、的確な改修を行うことを目的とした「木造建築病理学」にもとづいた改修。劣化診断、耐震診断、維持管理診断、温熱環境診断、バリアフリー診断、防耐火診断を重点的に行う。そうした調査結果をもとに、築120年の本物件では玉石であった基礎にコンクリートを打設し、構造壁や新規梁の設置や断熱材の充填などを行って、良好な部材は生かしつつ耐震性と温熱環境を向上させている。
Gifu, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
垂水の家 設計 トヨダヤスシ建築設計事務所
施工 アトリエ・エイト
所在地 神戸市垂水区
「高田の家」(本誌1208)と同じく木造建築病理学に基づいた改修。築30年の本物件は、躯体を根本から変えるような改修をする必要はなく、屋根や構造壁の補強やより温熱環境をよくするための断熱材の変更等が施される。またプランにおいては趣味室が増築され、バリアフリーで計画されている。
Kobe, Japan
2011 MAP