住宅特集 2012年4月号 伯翠荘
Content
[作品]
伯翠荘=
吉村篤一
ジオ メトリア=
原田真宏
+
原田麻魚
井原の家=
藤本寿徳
荻窪の家=
早川邦彦
成城の家=
岡田哲史
Layer=
中原祐二
MISHIMA HOUSE=
芦沢啓治
新小岩の家=
飯田善彦
中村の家=
加藤功
Portico=
会田友朗
+
久野紀光
+
我伊野威之
鞆の浦の住宅=
前田圭介
鷹ノ巣の2世帯住宅=
納谷学
+
納谷新
牛久の家=
八島正年
+
八島夕子
郡の家=
神家昭雄 [連載]
素材再発見 第7回 再生素材・古材 建築業界のリサイクルとリユースを考える
安井正 [PROCESS VIEW ] ジオ メトリア=原田真宏+原田麻魚 Layer=中原祐二
伯翠荘

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
伯翠荘
設計 吉村篤一+建築環境研究所
施工 高橋工務店所在地 京都府京都市
樹海が広がる寺院の隣に建つ住宅。樹海に佇むようにガラス張りにしたリビング、テラスを介し樹海に対して引きを取るダイニング、ピクチャーウィンドウから樹海を切り取る和室……というように、寺院の樹海を住宅のどこからでも感じられるように計画された。
Kyoto, Japan 2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ジオ メトリア
設計 原田真宏+原田麻魚 / MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
施工 成田建築
所在地 神奈川県小田原市
敷地は里山の中腹に位置し、わずかな平坦部をもつ傾斜地。南に開けた相模湾まで望む景色と、北風を遮る背後の山、そして周囲に茂る大きな樹々を最大限生かすべく、2組の全長約12mのLVL門型フレームの組み合わせによる空間となっている。2組のフレームは角度をつけて配置して中間スパンにトラスをもつ架構体を形成することで、厚さ38mmという薄さを可能にしている。
Kanagawa, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
井原の家 設計 藤本寿徳建築設計事務所
施工 井上建設
所在地 岡山県井原市
敷地は自然豊かな中山間地域。ボックスカルバートによるプライベートとガラス張りのパブリックのそれぞれが納まるふたつのヴォリュームは、開放度や敷地の傾斜を生かしたフロアレベルの変化によって、質の異なる空間をつくり出している。豊かな緑と内部をより曖昧につなぐべく、開口部サッシの框見付寸法を小さくして存在感を希薄にする工夫がなされている。
Okayama, Japan
2008 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
荻窪の家
設計 早川邦彦建築研究室
施工 岩井建設
所在地 東京都杉並区
1階はキッチンや寝室など6つのボックスを共有空間の中に差し込み、2階はテラスとつながる内外の連続性をつくりだすそれぞれ異なるプログラム。そのため鉄筋コンクリート造でありながら、1階と2階で連続する壁は外周を除きほぼない構成となる。庭は既存の植栽や灯篭をなるべく残しつつ計画している。
Tokyo, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
成城の家
設計 岡田哲史建築設計事務所
施工 アイガー産業+高橋工業(気仙沼)所在地 東京都世田谷区
剛板によるふたつの門型フレームで、柱のない軽やかな空間を意図している。構造部分の壁厚104.6mm、スラブ厚78.2〜81.4mmによって約8mあまりのスパンを飛ばしつつ床面積を確保、且つ北側と南側に開けた開放性が生まれている。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Layer 設計 中原祐二建築設計事務所
施工 新拓テクノス
所在地 鹿児島県鹿児島市
商業地域に建つため、いかにプライバシーを保ちつつ落ち着いた住環境をつくるかが課題となった。コンクリートの躯体に対し7層の鉄板のスクリーンを配置し、内外の視線を調整。またスクリーンの外側はリン酸処理を施し光の反射を抑え、内側は亜鉛メッキによって光を採り入れ拡散している。コンクリート躯体は降灰などを考慮して層ごとにずらして庇を設け、またスキップフロアの構成によってできたフロア同士の間のたまりは住まい手の自由な行動を促す。
Kagoshima, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
MISHIMA HOUSE 設計 芦沢啓治建築設計事務所
施工 スリーエフ所在地 東京都文京区
鉄骨を現しにし、また工業的製品を多用設えによって素材がもつ荒々しさを表現。同時に階段手摺りやテーブル脚の角鋼寸法を同じにするなど、限られた空間の中でスケールや素材に着目し、統一性をもたせる細やかなディテールへ挑戦している。
Tokyo, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
新小岩の家 設計 飯田善彦建築工房
施工 前川建設
所在地 東京都江戸川区
建主の趣味に合わせ、本棚と階段というコアを住宅の中心に据え、その周囲を回遊する生活空間としている。コアは1階から塔屋までをつらぬき、光と空気を取り入れる装置として機能する。囲まれた本棚は所々に開口が設けられ、コア外部と接続する。
Tokyo, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
中村の家
設計 加藤功建築設計事務所
施工 東海建設
所在地 愛知県
周辺環境が変化しても快適な住まいとするために、住宅をふたつのヴォリュームに分割し、その隙間のトップライトから自然光を取り入れる。またふたつのヴォリュームにすることで、街並みに圧迫感を与えず、夜には隙間から洩れ出す光が通りを明るく照らす。

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Portico 設計 会田友朗(アイダアトリエ)+久野紀光(名古屋市立大学久野研究室)+我伊野威之(G.DeSIGN)
施工 ホームビルダー所在地 東京都
外部空間に対する建ち方として、大小近隣の外部空間と呼応するもの、行き止まりをつくらないこと、内外とも水平/鉛直方向どちらおいても近似した気積をもつことをプランニングのルールとしている。それぞれ個室もしくは玄関と階段室をもつ4つのヴォリュームを四隅に配し、2階中央の空間でそれぞれをつなぐ。光の入り方や目線の抜け等により開口を定め、また1階ポルティコとパティオとの関係も形づくっている。
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鞆の浦の住宅
設計 前田圭介/UID
施工 吉元建設所在地 広島県福山市
鞆の浦の港町を見渡す山の中腹に建つ。敷地高低差2.5mを生かしたスキップフロアで構成し、傾斜に沿うかたちで屋根を架けて南東の景色をフレーミングする。また夏場の昼夜、海から吹き上げる風と山から吹き下ろす風を利用すべく開口を設え、外壁の一部を石積みにして地階にボックスカルバートを用いて埋め込み、壁内空気層を設けることで蓄熱と断熱効果をもたらしている。
Hiroshima, Japan 2008

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鷹ノ巣の2世帯住宅 納谷学+納谷新/納谷建築設計事務所小坂工務店
秋田県北秋田市
寒冷地に建つことを考慮し、各部屋と外部の間にバッファゾーンを設けるようにプランニングされた住宅。庭に面する南側はインナーテラスやサンルーム、北、東、西側は収納や採光および換気用バックヤードなどとしている。また、間仕切り壁が平面に対し斜めに振れているため、XY軸に対して有効に働く構造壁となり、南側を全面開口にすることが可能となっている。
Akita, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
牛久の家 設計 八島正年+八島夕子/八島建築設計事務所
施工 郡司建設所在地 茨城県牛久市
南側に大きな公園を望む、郊外の住宅地に建つ。傾斜に合わせてフロアにレベル差をもたせ、大きな一枚の屋根を架けて高さを抑えることで、周囲にも圧迫感のない佇まいとしている。南側のリビングダイニングから、一段フロアレベルの上がった図書室、トップライトをもつ階段室が続き、さらに上のレベルの書斎を兼ねた個室が緩やかにつながり、一続きの空間の中に多様な居場所を生み出している。
Ibaraki, Tokyo
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
郡の家
設計 神家昭雄/神家昭雄建築研究室
施工 あらい建設
所在地 岡山県岡山市
1階はコンクリート壁式構造で、広い土間玄関と周囲の視線を遮りつつ坪庭を介して外へと続く和室を主とした重厚な設えとしている。2階は遠くの山並みを望む広いデッキテラスとリビング・ダイニングを中心に、勾配屋根の架かる木造空間としている。構造による特性やトップライトを生かした光の変化、高さ方向での視線のコントロールにより変化に富む多様な居場所が生まれている。
Okayama, Japan
2009 MAP