住宅特集 2012年1月号 かみのきの家
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[巻頭インタビュー]
利用の構想力による“場”の生成へ 社会の大転換期に求められる建築家像
松村秀一
2012年以降の住まい ストックの活用手段を考察する
島原万丈 [作品]
弘中邸(多面体・東京)=
横河健
かみのきの家=
杉下均
待兼山の家=
喜多主税
Stone Roof=
隈研吾
樹の家=
早草睦惠
紫野=
川口通正
東住吉の住宅=
魚谷繁礼
西調布の家=
加藤詞史
gate=
光本直人
+
濱名直子
シマトネリコの樹のある家=
井上尚夫
クリスタル・ブリックⅡ=
山下保博
かみのきの家
撮影: 新建築社写真部

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
弘中邸(多面体・東京)
設計 横河健/横河設計工房
施工 明工務店所在地 東京都
道路から2mほど上がった三角形の敷地に建つ住宅。主な居室は道路側の擁壁内に配置され、台地としての元の敷地形状の上に、多面体が舞い降りたようなヴォリュームが置かれる。多面体空間の内部は、茶室とアトリエ。
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
かみのきの家 設計 杉下均建築工房
施工 愛知工務店所在地 愛知県愛知郡
庭の擁壁を取払い、緑の斜面として道行く人にとって開放された空間としている。建物も高さを抑え、内部は2層同じ高さとし、南に向かって大きく開口を取っている。1階の図書室と2階の広間は、広さ、窓の配置も同じにして、床の素材を変えることで光の質と共に部屋の印象を変えている。
Aichi, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
待兼山の家 設計 喜多主税
施工 桝本工務店所在地 大阪府豊中市
敷地の形状に沿ってスキップフロア形式に構成された住宅。南面に設けた庭や北面のフィルム貼りのガラス面、またバスルームとして使用するパティオのトップライトなどから室内に光を取り入れ、光の様相が刻々と変化する静謐な住まいが目指された。
Osaka, Japan
2008 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Stone Roof 設計 隈研吾建築都市設計事務所
施工 北野建設所在地 長野県
外壁と屋根において125×500×20mmの御影石のプレートを平置きするものと立てて使うもの、それによって生まれる影という3つのパラメータによって、重さ、透過性、ザラツキの点でグラデーショナルにつくりあげている。さらにH鋼に挟み込まれたベイマツの垂木が室内から軒先まで連続させ、構造体を見せつつ有機的・流動的な空間の生成を意図している。
Nagano, Japan
2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
樹の家 設計 早草睦惠/セルスペース
施工 市川保工務店所在地 長野県軽井沢町
軽井沢の浅間山を望む尾根に位置しており、敷地に生えている大きな栗の木に向かい合うにように建物は配置されている。大きな樹の幹が枝を広げるように、4つのスラブのレベルを少しずつ変えて十字の柱から張り出させて、屋根もスラブに合わせてずらして架けている。4面に開口を設け、視線は周りの緑や大地へとつながるようになっている。
Nagano, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
紫野 設計 川口通正建築研究所
施工 堀井工務店所在地 神奈川県
長い路地空間をもつ、旗竿敷地に建つ。公園の緑を借景し、路地空間とその延長にある限られたスペースをつかって茶室の露地空間のような半中庭をつくっている。隣家との境に屋根の架かった塀をめぐらせて、固定格子窓をはめることで、内部からの見え方に奥行きがもたらされている。
Kanagawa, Japan
2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東住吉の住宅 設計 魚谷繁礼/魚谷繁礼建築研究所
施工 マサキ工務店所在地 大阪市東住吉区
南側に建つマンションからのプライバシー確保、建て替え前の住宅と同じ部屋数・動線を維持するなどの課題を、深い庇を設け、和室を1階内部に入れ子状に設置することで解決している。また和室から庭に向けて11.8mの壁のない開口を実現すると共に、吹き抜け部には2階のハイサイドから光が落ちる。
Osaka, Japan
2010 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
西調布の家 設計 加藤詞史/加藤建築設計事務所
施工 渡辺富工務店所在地 東京都調布市
5つの箱が重なる入れ子状の構成をした住宅。中央にある高さ6mの筒状の箱にはトップライトを設け、開放感のある外部のような空間がつくられている。また、この空間があることで、採光と自然換気が確保され、心地よい室内環境を実現している。
Tokyo, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
gate
設計 光本直人+濱名直子/ミハデザイン
施工 TH-1所在地 東京都新宿区
幅4.5m、奥行18mの南北に細長い、変形敷地に建つ。必然的に細長くなるプランの長辺方向のヴォリュームを3枚の耐力壁で4つに分けて、高さ方向の抜けを確保し、屋根をやま・たに形状とし、トップライトを多数配置することで北側にも光を採り込めるようになっている。
Tokyo, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
シマトネリコの樹のある家 設計 井上尚夫総合計画事務所
施工 佐藤秀所在地 東京都世田谷区
豊かな樹木が残る住宅街に建つ地上2階、地下1階建ての住宅。地下から3層分貫く中庭を設け、各階に内部と外部が連続する関係を生み出している。また素材の選定およびその使い方を吟味することで、居心地のよい空間をつくることが意図されている。
Tokyo, Japan
2011 MAP

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
クリスタル・ブリックⅡ 設計 山下保博×アトリエ・天工人
施工 ホームビルダー所在地 東京都目黒区
ガラスブロックを構造として使用したプロジェクトの第3弾。アトリエ・天工人が開発協力をした日本電気硝子製のガラスブロック「ファイネックスHI」6個と1枚のALCはほぼ同じ圧縮強度を保持している。垂直荷重を負担するスチールのフラットバーにガラスブロックとALCをはめこむことで、自由な壁のデザインが可能となっている。
Tokyo, Japan
2011 MAP