住宅特集 2008年11月号 港北の住宅
Content
特集生活という大きな下地 作品 北山恒
原田真宏
+
原田麻魚 塚本由晴
+
貝島桃代 金 澤富 道上壯 若原一貴塚田眞樹子 鈴野浩一
+
禿真哉 米田明 内海智行 佐藤重徳 桑原茂

作品

鎌倉のスタジオ付住居 設計 北山恒+architecture WORKSHOP
施工 前川建設
所在地 神奈川県鎌倉市
音楽家夫婦のためのスタジオ付き住居.敷地は富士山を西に望み,背後に雑木林が茂る斜面地に位置する.1階はRC造の音楽スタジオ,2階は木造の居住スペース.1階のふたつのスタジオ部分は,壁面自体で音環境を調整するため不定型なRCのボックスとなっている.その回りにはガラスの開口を四周に回した土間のような空間がとりつく.この土間空間は夜間演奏も可能とする遮音体の空気層として機能する.MAP

雨晴れの住処 設計 原田真宏+原田麻魚/マウントフジアーキテクツスタジオ
施工 サンウォークコンストラクション
所在地 東京
東京都内の住宅地に建つ,水切り付きのRC打放しの外壁をもつ住宅。ヴォリュームを斜めに配置することで,北側に駐車スペースとしての外庭,南側にはプライベートな内庭をとっている.内部は床・壁・天井ともヘリンボーン貼りで統一されたワンルーム.外形がもつ強い幾何学の方向性が弱められている.

生島文庫 設計 アトリエ・ワン
施工 飯塚建築
所在地 東京都国分寺市
建主の夫婦ともにライターで,仕事場を兼ねた家として計画された.敷地は南から入る旗竿で,背後の家は逆に北から入る旗竿になった環境にあった.そこで南西と北東の竿に対応した抜けをつくりるため,ふたつのずれた平面が配置された.そのずれた部分のへこみは軒下になり,開口が集められている.内部は,本棚が上下階を貫く「本の家」と寝室・水回り・キッチン・子供室のある「人の家」がスキップフロアでつながっている.MAP

鹿ヶ谷の住宅 設計 金澤富/IAT STUDIO
施工 田中工務店
所在地 京都市左京区
ティーサロンを併せたひとり住まいの住宅.多種の山野草を育てるための異なった条件の場所を建築のかたちがつくり出し,それが住宅の骨格を決めている.南前面道路からアプローチ,サロン,庭を挟んで奥にLDKが配され,階段を上がると,寝室,テラスを経て書斎に至る.ガラス越しに書斎はサロンの吹抜けとつながり,職住一体となった生活が営まれる.MAP

HK.House 設計 道上壯/VuA
施工 TSE
所在地 愛媛県松山市
交通量のある前面道路に対して,木ルーバーのファサードをもつ併用住宅.1階にレンタルスペース,2階に住居,3階にSOHOと分けられ,各階には外部の螺旋階段からそれぞれアクセスする.夜間にはルーバー越しに,明快に機能分割された内部の生活が垣間見える.MAP

小日向の仕事場 設計 若原一貴/若原アトリエ
施工 アール・ドゥ
所在地 東京尾文京区
作家と猫4匹が互いのライフスタイルを維持しながら暮らす住宅.人間と猫を含めた互いの距離を自覚的にコントロールできるよう,家の中に距離をもたせて計画されている.地下には玄関から続く書斎と,主室を通り長い動線を持つ主寝室,1階に主室とバーラウンジ,2階に寝室と水回り,サンルームが配置.旗竿状の敷地が,室内に距離を生み出すために有効に働き,部屋から部屋へ移動するのではなく,空間を一続きにすることで,限られた空間の中に大きな距離感がつくり出されている.MAP

KONDO HOUSE 設計 塚田眞樹子建築設計
施工 カワベホームズ
所在地 東京都世田谷区
浮いた床とふたつのニワがある住宅.通学路となる前面道路へは意識的に閉じ,室内に「ニワ」のガラスの箱を,2階の床を貫通させたり,浮いた床にのせたりと,床との関係において変化をつけながら大小2つ配置されいる.白い内部空間の中で床やコの字の囲いは褐色に塗装し,それとは対比して「ニワ」は透過した光を魅力的に変え,全体がひとつながりの空間を柔らかく区切っている.MAP

港北の住宅 設計 鈴野浩一+禿真哉/トラフ建築設計事務所
施工 山庄建設
所在地 横浜市港北区
浮いた床とふたつのニワがある住宅.通学路となる前面道路へは意識的に閉じ,室内に「ニワ」のガラスの箱を,2階の床を貫通させたり,浮いた床にのせたりと,床との関係において変化をつけながら大小2つ配置されいる.白い内部空間の中で床やコの字の囲いは褐色に塗装し,それとは対比して「ニワ」は透過した光を魅力的に変え,全体がひとつながりの空間を柔らかく区切っている.MAP

SWING 設計 米田明/アーキテクトン
施工 日南鉄構
所在地 東京都渋谷区
敷地条件から,人の視線を遮ることが要求された.そこで,外壁正面には開口を設けず,3階のヴォリュームと低層部分との間のスリットを主な開口部としている.そのため,3階のオレンジ色のヴォリュームは,エレベータシャフトからのキャンチレバーで支持される構造になる.また,この住宅には住まい手の趣味の拠点として,都心にありながらもゴルフやフリークライミングが練習できる部屋,本格的な調理のできるキッチン,ペット用の小部屋,パパイヤオレンジ色の愛車を眺められるガレージ,さらには温泉の湯を蓄えておくサブのバスタブなどが設けられている.MAP

縦回廊の家 設計 内海智行/milligram studio
施工 積志工業社
所在地 静岡県静岡市
地域に開放できる小さなギャラリーを設けた陶芸作家のアトリエ兼住宅.1階の土間が轆轤と窯を据えた創作の場であり,2階が夫妻のプライベートな生活の場になっていて,その周りを道路側の二辺に沿ってスロープ状の回廊がギャラリーとして設けられている.内壁が耐力壁となっており,外壁は耐力壁ではないため,長大な水平窓を開けたり,作品の格納および展示用の四角いニッチを設けることが可能になる.MAP

大磯の住宅 設計 佐藤重徳
施工 山洋木材
所在地 神奈川県中郡大磯町
大磯の自然に恵まれた立地を活かし,南に大きく取られた開口から海を望み,西側のハイサイドライトから山の景色を取り込む.台所横に長さ3mの「大きな机」を設けることで,家族がそれぞれのことをしながらもつながりを感じられる場所を提案している.MAP

trifurcation 設計 桑原茂/桑原茂件チック設計事務所 大野博史/オーノJAPAN
施工 栄港工務店
所在地 川崎市麻布区
外壁後退地域,旗竿状に接道する歪な台形地といった敷地条件の下で,敷地の中心に重心を置いてウチとソトが互いに紡ぎ合うような空間を目指して計画された.その結果,三叉の一体空間とそれによって切り出された三種のガーデン(主庭・裏庭・菜園)が互いに補完し合うように配置されている.MAP