住宅特集 2008年3月号 ヘチマ
Content
特集多層化する空間へのアプローチデザインの対象1 原研哉
長谷川祐子 伊東豊雄
安東陽子 中山英之 藤森泰司 岡安泉
トラフ アトリエ・ワン
中村竜治 作品 原広司 山縣洋 直井克敏
+
直井徳子
+
名和研二
田中哲
+
名和研二 内藤廣 岩堀未来 有田佳生
上原和 増田啓介
+
増田良子 出江寛 長岡勉
+
田中正洋 P. ボロンスキー 西田司
ヘチマ
撮影: 新建築社写真部

作品

夢舞台アネックス・紅傳工房 設計 原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
施工 田畑建設所在地 静岡県伊東市
25年ほど前に建てられた同設計者による「夢舞台」という別荘に隣接して建てられた,建主の息子夫妻の住居+陶芸工房.

YJ 設計 山縣洋建築設計事務所
施工 佐々木工務店所在地 千葉県木更津市
比較的新しく開発された分譲地に建つ専用住宅.2区画分の敷地であったが,それぞれの地盤レベルには約80cmの高低差があった.建主の要望から建物は北側の区画に全室南面するような配置が考えられた.南側の区画は12m角の平面を高さ2.7mの壁で囲ったドライな庭としている.庭の床スラブは北側区画の地盤面に合わせており,中央部が丸くくりぬかれ,そこから地盤から盛り上げた築山を見せることで床スラブが浮いていることを意識させている.MAP

森の共生住宅 設計 直井克敏+直井徳子/直井建築設計事務所 名和研二/なわけんジム
施工 郡司建築工業所所在地 茨城県石岡市
舗装道路から約500m森の中に入った別荘地に建てられた定住のための専用住宅.設計にあたっては,森の木を1本も伐らないことが決められた.ここでのテーマは自然と一体化した生活とし,自然を眺めるためのものとは一線を画している.中央部にはLDKなどの主要な生活部分が収められている.ここは2層分の高さをもち,半屋外的なものとしている.中央部の大スペースには3つの小さなプライベートスペースが分散配置されている.これは構造的にも効果があり,大スペースの正面は袖壁がなく全開口とすることができた.また,大空間にもかかわらず通常の4寸角の柱材で納めることが可能となった.MAP

大網白里町の家 設計 田中哲/AIRアーキテクツ建築事務所 名和研二/なわけんジム
施工 東昭建設所在地 千葉県山武郡大網白里町
4つの個室を閉じたスペースととらえ,距離を保って均等に配置し,中央にできた大きなスペースを家族室,その周辺に浮かび上がる隙間を外に開いていく外部的な内部空間としている.壁は開くために存在すると考え,開口部へと導くように配列し奥行感や広がりをもたせ,またガラスブロックによって光と視線の抜けを取り込んでいる.

筒の家 設計 岩堀未来建築設計事務所
施工 小河原建設所在地 東京都三鷹市
箱型のシェルターの内部は,通りから敷地奥方向に抜ける開放的な筒状の空間とそれに平行した閉じた帯状の空間により構成される.この帯状の空間にアルコブやトイレ,収納等生活に必要な空間を収め,短辺方向に耐力壁を規則的に配することで,筒状に長い空間の両端をすべて開口としている,MAP

舞浜の住宅 設計 有田佳生建築設計事務所
施工 かしの木建設所在地 千葉県浦安市
箱型のシェルターの内部は,通りから敷地奥方向に抜ける開放的な筒状の空間とそれに平行した閉じた帯状の空間により構成される.この帯状の空間にアルコブやトイレ,収納等生活に必要な空間を収め,短辺方向に耐力壁を規則的に配することで,筒状に長い空間の両端をすべて開口としている,

哲学堂の家 設計 上原和/上原和建築研究所
施工 不破工業所在地 東京都新宿区
構造を鉄筋コンクリート造と木造の混構造とし,また部屋によって仕上げの素材をすべて変えることで,空間にさまざまな表情をもたせている.また周辺のヴォイドを「空地」ととらえ,敷地内の3つの庭と呼応させることで都市の中での位置づけを考える.

北本の家 設計 増田啓介+増田良子/増田アトリエ
施工 辰建匠所在地 埼玉県北本市
敷地内のムクノキの下に,中庭を囲んで台形と長方形の諸室を配置.各部屋はヴォールト天井で,Rの方向が90度回転しながら連続していく.MAP

閑寛居 設計 出江寛
施工 三幸所在地 大阪市城東区
築30余年の集合住宅の一室の改装.建築家出江寛氏の自邸である.既存の梁を波板や垂れ壁で覆うなど構造を意匠に置きかえている.ベランダを植栽し,木製の建具を設えることで,縁側のような空間もデザインされている.MAP

ウロコヤ 設計 長岡勉+田中正洋/point
施工 三輪ノブヨシ 成田工務店 所在地 東京都港区
一軒家の一部を2世帯住宅として改修.躯体の天井高さを生かして,ワンルームの中に「ウロコヤ」と呼ばれる半球状の棚(棚ドーム)をつくっている.家具,間仕切り,天蓋など機能を兼ね備えつつ,空間のアイデンティティを形成している.

Villa K
設計 ピーター・ボロンスキー/アトリエボロンスキー
施工 西村建築工房所在地 奈良県
日本の甲冑コレクションを展示したいという建主の要望で建てられた住宅.斜面地に建っており,2階レベルからアプローチする.エントランスホールには甲冑のコレクションが並ぶ,日本的な趣を強調した空間となっており,奥の和室へと続く.それに対し1階は広く開放的で明るい空間となっている.南向きの眺望とプライバシーの確保という相反する条件を満たすため緩やかにカーブした開口部に取り付けられた大きなルーバーは,甲冑のジャバラ状の重ね板からイメージされたものである.

COLOR LAYERED HOUSE
設計 オンデザインパートナーズ
施工 伸栄所在地 東京都荒川区
作品名の字義通り,さまざまな特色をもった空間が連続する空間構成をもつ.また,ガラス張りで縁側のようなエントランスや庇のデザインは,周辺のまちに対する建築的な提案となっている.映画監督である建主と建築家による対談では,その設計プロセスについて語られている.MAP