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コロナ時世下の都市空間 第6回:ウィズ・アフターコロナの道路活用計画

関谷進吾/プレイス・ソリューションズ・グループ代表

パンデミック対応・復旧のための街路

NACTO(全米都市交通担当官協議会)は、世界各地の自治体が講じている対人距離を図るための施策を収集し、即時に実行できる対応策をとりまとめています。さらに5月21日に、ガイドとして「パンデミック対応・復旧のための街路」をとりまとめ、ウィズ・アフターコロナの対応について整理して公開しています。そのなかで、下記の用途ごとに対応における、留意点、空間利用イメージが整理されています。
1:自転車・ローリング専用レーン
2:歩道拡幅
3:公共交通レーン
4:低速街路
5:集配デリバリーゾーン
6:屋外飲食
7:青空市場
たとえば屋外飲食の実践方法については、飲食店や露店が集積する街路において、車道にバレルなどの垂直要素の仕切りとロープや道路標示などの水平要素の仕切りを用いて境界を明らかにすることによって、即時的に対応できる手法が提案されています。

オープン・レストランツ

19万人の感染者、1万6千人の死者数(5月19日時点)を出した過酷な状況に迫られているニューヨーク市では、先駆的な取り組みを展開しています。市内に2万5千ある飲食店のうち、すでに歩道を活用している 1,300店舗(全体の5%)にたいして、2021年まで道路占用料免除が決定しています。これに加えて、外出制限解除の2段階目に合わせて、飲食店の屋外座席の規模拡大を図る「オープン・レストランツ」を6月4日に発表しています。大きく以下の3つのカテゴリーがあります。

1:路肩座席
外出制限解除2段階目に、商業地区内の飲食店は、州のガイドラインに則って、縁石沿いの駐車空間の飲食サービスへの活用を可能とする。
2:オープン・ストリーツ
車両規制のかかった160kmのオープン・ストリーツ(初期段階は72km)の道路区間に、座席エリアを設置できるようにする。

3:歩道座席
歩行者経路を確保しながら、歩道上に座席を確保できるよう手続きを調整する。

日本では国土交通省が、飲食店の室内3蜜を避けるため、沿道飲食店による路上利用を促進し、道路占用許可基準を緩和することを2020年6月5日に発表しました。佐賀市ではすでに店先の歩道をテラス空間として活用して話題になるなど、全国で商店街組織などの自治組織もバラエティー豊かな活動を自主的に展開しています。街路空間の活用は、さまざまな制約・規制に縛られていましたが、ウィズ・アフターコロナの環境下では、行政と自治組織が協働して、街路を柔軟に展開していくことが求められています。

関谷進吾/プレイス・ソリューションズ・グループ代表

1983年、英国ウェールズ生まれ。慶大環境情報学科卒、同大学大学院修了。フルブライト奨学制度で、ニューヨーク市のプラット・インスティテュート大学院にてプレイスメイキング学修士。ニューヨーク市では、BID組織ユニオンスクエアパートナーシップのデザインスペシャリストとして働き、後に、WXY建築・都市デザイン事務所において、プランナーとして、ダウンタウンブルックリンの公共領域の再編プロジェクトなどに従事。帰国後、プレイス・ソリューションズ・グループ合同会社を設立。