新建築 2019年11月号発売となりました !

建築と設計のこれから 若手建築家が語る,領域横断型のコラボレーション 【2019年4月6日まで無料公開!】『新建築』2018年1月号掲載の、青木淳氏を司会に大西麻貴氏、百田有希氏、畝森泰行氏、藤原徹平氏、西澤徹夫氏が参加した座談会をnoteに転載しています。

目次
●設計の現状をめぐって
●コラボレーションの可能性
●チームの創造性を引き出すには
●領域を横断する新しい建築家像


青木淳(以下,青木)  建築論壇「変貌する建築家の生態」(『新建築』2017年10月号掲載)で,槇文彦さんが,建築市場のパイが確実に減少している中,日本の建築を取り巻くこれまでの環境が既に大きく変わってしまっていることを指摘されました.
確かに,国土交通省が公表している資料を覗いてみたんですけれど,戦後の建設投資額は1992年度の84兆円をピークとして,以降減っていき,2010年度に41兆円と半減しています.その後は若干増えていって,2017年度の見通しは55兆円と,ピーク時の2/3になっています.が,やはり日本の建築環境は,建設投資額の底であった2010年,あるいは2011年の東日本大震災あたりで,構造的変化があったと見てよいでしょう.

となると,ことは日本の建築界全体,いや社会全体に関わるほど大きな問題なので,設計と施工の両面,あるいは発注者と受注者の両面から考えていくべきことですね.
仮に,その中から設計という領域を選んで,そこにスポットを当てるとしても,アトリエ事務所,組織事務所,ゼネコンの設計部と,それぞれの立場から,鳥瞰的な視野を築いていきたいところです.実際,畝森泰行さんは「須賀川市民交流センター」で石本建築事務所と組んで設計をされていますし,少なくとも組織事務所の方にも入って議論したかったところですが,今日はまずは若い人たち,中でもアトリエ事務所の人たちだけに集まっていただくことになりました.
それは,槇さんの論考もそういう視点で書かれていたわけですが,一般的には,この変化の中で最も強く危機感を持っているのがアトリエ事務所ということからですし,またその中でも若い人たちは,その危機を矢面に立って受け止め,これまでの建築家とは異なるアプローチを試行しているように思えるからです.そこに設計のこれからの萌芽があるかもしれません.

ではまず,それぞれの方から,設計をめぐる現状について,どのように捉えているか,話していただきましょうか…